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新しいことをする時に使えるリーン・スタートアップの考え方(前編)

はじめに

普段は、営業部門の業務改善を担当しています。今回は、不確実性の高い新たな取り組みをする際に使えるリーン・スタートアップの考え方についてお話したいと思います。

背景

「これをすれば業務改善できるんじゃないか!?」と思い立って、時間を掛けて作り込んだツール、お金を掛けて導入したツール。それらを現場のメンバーにリリースしても、使われなかったりフェードアウトすることのなんと多いことか。多くの社員の労力、会社のコストがそれによってムダになったケースを数多く経験してきました。この負のサイクルを絶つべく、私が所属している部署ではリーンスタートアップの手法を採用して業務改善を進めています。

一般的な進め方と今回の進め方の違い

一般的には、取り組むことが決まったら開発のスケジュールを決めて自分達が理想とするものが完成してからリリースして効果検証してみる、という流れですが、
今回の進め方は、取り組むことが決まったらそれが本当に役立つのか検証するスケジュールを決めて、検証するために実用に足る最小限の製品をリリースします。検証するために必要のないものは作りません。
それでは具体的な進め方について説明します。

具体的な進め方

取り組むことが決まったら、まず以下の手順に沿って計画していきます。

1. 取り組むことによって成し遂げたいビジョンを明確にする
2.ビジョンをどのように成し遂げるか決める
3. 2で決めたやり方が正しいか仮説を挙げて確かめる 

例えば「チャットボットを使ってお客様が理想とする物件を提案出来れば、営業マンが物件を探したり営業する工数が減らせるのではないか?」というアイデアが浮かんだ場合、以下のように計画していきます。

1. ビジョン: 営業マンが物件を探したり営業する工数が今の半分になる
2. どのように: チャットボットを使ってお客様が理想とする物件を自動で提案する
3. 仮説: 全て検証できればビジョンが実現する、という視点で漏れなく挙げる
- チャットボットはお客様が理想とする物件を提案できる
- お客様はチャットボットが理想の物件を提案してきたら内見の希望をする
- チャットボットによって営業マンの工数が今より半分になる

一般的な方法だと、まずチャットボットを開発して完成したらお客様にリリースしてみて営業マンの工数が半分になるか検証することになりますが、
今回の方法では、挙げた3つの仮説を検証することをまず取り組むので、いきなり完成版は作りません。「お客様はチャットボットが理想の物件を提案してきたら内見の希望をする」という仮説は、スタッフがチャットボット役としてお客様に物件を提案してみて内見の希望を貰えるか、という方法で検証出来るので、開発の必要がありません。一定数のお客様で検証してみて内見の希望が貰えないことが分かれば、この仮説は棄却となりチャットボットはうまくいかないことが判明します。もし完成形のチャットボットを開発していたら、開発した時間・お金が全て無駄になっていたことになります。

前編のまとめ

今回は、新たなことをする際にどのように進めていけば無駄が省けるか、そのプロセスについてお話しました。後編では、挙げた仮説が棄却された場合の次のアクションと、どんな取り組みに応用出来るか、について詳しくお話出来ればと思います。

ご一読頂きありがとうございます!