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#GAFAの次のキャリア

Selectionと戦った10,000時間:最終章 - 品揃えのLife Cycle Management

サマリーSelection PdMの仕事を要約すると”商品を獲得し、売れる土俵に乗せ、売れ筋を作り、利益を最大限に確保する、そして時には品揃えから落とす決断をする”という商品のLife Cycle Management。その最後の部分の利益担保のためのAmazonの取り組みと仕組みに関し説明。Selectionと戦った10,000時間の最終章 売上と利益、どっちが大事なんですか?ある全体会議のときに新卒のバイヤーの子がこんな質問をした: ”年間ターゲットでトップライン(売

Selectionと戦った10,000時間:第5弾 - 戦略的にスター商品をつくりだす

サマリーAmazonのプライムデーなどのセールでバカ売れし、その商品がもつ実力以上の売上をつくる超売れ筋の”スター商品”たち。これらがどのように出来上がり、その裏側にどのような戦略があるのかを言語化してみた。セールでの露出という王道の戦い方の中で、如何に戦略的に”スター商品”をつくるかが、Amazonの継続的な事業成長に繋がっていているというお話。 前回までのおさらいこれまでの連載でAmazonのSelection戦略(品揃え戦略)に関して書いてきた。 Amazonにおけ

Selectionと戦った10,000時間:【その4】売れないのは商品のせいじゃない

サマリーSelectionは獲得するだけではいけない。ちゃんと売れる土俵に乗せてあげるために、てをかけてあげなければいけない、というお話。Selectionを獲得した後に、カスタマーの当たり前クオリティを担保するために最低限必要な3つのポイントと、なぜそれらがe-commerceにとって重要なのかを書いてみた。 獲得した後に何をすればいいのか先日まで3回に渡り”Selectionの獲得”に関する考え方について書いた。 「どのような売場をカスタマーに提供するのか」ということ

Selectionと戦った10,000時間:【その3】じゃあ、いったいどこまでSelectionを獲得すればいいのよ?

サマリー前回①獲得するフェーズとして「カスタマーの日用消費財購入のGo to storeとなる」ために「重要な競合に対して徹底的に同質化をとる」と説明。この同質化のロジックを深堀りする。また”同質化”による後追いモデルから、いかに”差別化”するかの説明を加え、このフェーズの締めとする。 どこまでSelectionを獲得するの? 世の中には一体どれくらいのSelectionが存在するのだろう。 Selection大臣として各国の数値の比較は定期的にしていたが、事業規模からい

Selectionと戦った10,000時間:【その2】Amazonってどんな売り場を目指しているの?

サマリー今回の記事では、Selectionには4つのフェーズがあり、①獲得するフェーズ、②売れる土俵に乗せる、③更に売りを伸ばす、④儲かる売り方を工夫すると定義。今回は①獲得するフェーズの説明として、Amazon消費財事業部のSelectionの目的である「カスタマーの日用消費財購入のGo to storeとなる」を達成するために、「重要な競合に対して徹底的に同質化をとる」というActionを打っていることを説明。 前置きこれから数回に渡ってSelectionに関して書いて

Selectionと戦った10,000時間:【その1】AmazonにおけるSelectionとは?

サマリーベゾスが紙ナプキンに描いたFlywheelでも中心に据えられるSelection。AmazonにおいてSelectionはPricingやDelivery Experienceと並び、One of oldest fundamentalsとして世界中で最重要指標となる。今回は、消費財事業でSelection拡大戦略をリードした数年間からの学びについての導入のお話。 はじめに セレクションに関して書き始めると、恐らく一つの記事にまとめるのは難しいと思うので、数回の連載に