松本35日。 - 34日目
/ りんご探し
翌日の午前中に松本を発つので、今日が実質の最終日。
わたしは朝から街へ向かい、りんごを探して歩いていた。
できるだけたくさんの種類のりんごの食べ比べをしたいのだ。
こんなにもりんごに興味を持ったことは今までなかったと思う。松本に滞在したおかげで、山の美しさを知ったし、りんごの種類の多さとそれぞれの美味しさを知った。
歩いていける範囲で知ってる限りのりんごが置いている店をまわった。新しいりんごを見つけたら小分けになっているものを買っていく。大きなトートバッグはすぐに膨れて重たくなった。肩にのしかかるりんごの重さ分、わたしの心はうきうきしていた。食べ比べできるのが楽しみだ。
/ 今日の昼ごはん
知ってる限りの店をまわり切って、もう新しいりんごは出会えないかなと区切りをつけた。そこで、昼ごはんの食べ納めはチャイナスパイス食堂にしようと目の前まで来ていたところで電話が鳴った。滞在先の宿のオーナーご夫婦がお昼ごはんに誘ってくれたのだった。
そこで、みんなでアルプスごはんへ。
初物だという野沢菜の浅漬けも添えられていた。野菜と生産者へのリスペクトを感じる金子さんのごはんは、本当に幸せな気分にさせてくれる健康的で美味しいごはんだと思う。
誘っていただいたおかげで、また食べれて良かった。
オーナー夫妻と解散して、りんごが入ったトートバッグをいったん宿に置きに帰る。夕方までまた街を出歩こうかと自転車を漕ぎはじめたところ、なんだかまだ食べられる気がしはじめた。
チャイナスパイス食堂の桜えびチャーハンランチ。
桜えびが好きなのでずっと気になっていたのだった。腹に詰め込んで帰ることにして良かったと思う。完食。
山山食堂では食後のコーヒーをいただいた。
よく通った川沿いの道。
天気が良い日の南アルプスには本当にハッとする。きれいだなあ。
宿に戻る前に、ここの近くの伊織湧水の水を汲んで帰った。
翌日の分までたっぷりと汲んだ。
また電話が鳴って、オーナーのきよさんから「アルプス市場にりんごたくさんあるよ」と嬉しい知らせが届いた。たくさん知らないりんごの名前を言ってくれたけど、そのうちのおすすめだという1種類だけを買ってきてもらうことにした。りんごがまた増えて楽しみだ。
/ 今日の夜ごはん
松本最後の夜は、宿のシフト当番の日だった。
オーナーのきよさんと一緒にチェックイン業務をこなす。10月も下旬になると、登山シーズンも終わりに近づき、宿もシーズンオフに入っていく。のんびりとした業務の合間、途中でキッチンにこもっていたきよさんに話しかけると、なんと松本一本ねぎを使ったうどんを作ってくれているという!
ちょっと待って。
実は昨晩のすだちナイトに来てくれた茜ちゃんから「夕飯の差し入れ」と言って、原木なめこと大根と鰹節のセットをいただいていたのだった。たっぷりの原木なめこと、たっぷりの大根おろしと、たっぷりの鰹節をかけて食べてね、と。
せっかくなのでうどんと一緒に食べようと、急いで茜ちゃんが教えてくれたとおりのなめこおろし丼をつくることにした。昨日のすだちナイトの準備でおろし金とピーラーをキッチンの引き出しの奥から見つけたおかげで調理もできそう。
慌てていたので、立派な原木なめこの姿を写真に撮るのを忘れてしまった。
ごみを取ろうと洗っていたらぽろぽろと傘がほぐれてどんどん小さくなっていった気がしたけれど、なんとかそれっぽいのがつくれたよ。
きよさんがつくった松本一本ねぎのうどんと、茜ちゃんがくれた原木なめこのおろし丼。
昼ごはんも夜ごはんも予定が増えて2倍になって2倍美味しくて幸せだった。
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