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松本35日。 - 35日目

/  今日の朝ごはん

サパンジの食パンの耳を焼いて、ツルヤのりんごバタージャムを最後まですくいきってたっぷりと乗せた。

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りんごをひとつ剥いて、スタッフのみんなとそこにいたお客さんとで分けあって食べた。のんびりと朝ごはんを食べる、松本最後の朝。

宿の掃除がはじまる少し前に、みんなと記念写真を撮らせてもらった。さて、出発。宿を出て、みんなに手を振りながら最後に口から出た一言が「行ってきます」だった自分に驚いた。

またきっといつかここに帰ってくるんだろうね。


/  北アルプス

この日は本当に快晴だった。
北アルプスがこんなにも綺麗に見えたのはこの一ヶ月でもしかしたら初めてのことだったのかもしれない。普段、街を歩くと南アルプスばかりに目が向くのに、この日は本当に北アルプスが美しいと思った。

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JR松本駅の「アルプス口」からは北アルプスが見渡せる、といういつか聞いた情報を思い出して、向かってみることにした。

窓越しだけど、雄大な北アルプスが一望できた。
ベンチがあるところを探したけれど、なかなか無くて、仕方なくロータリーの隅っこのベンチから、ビルの向こう側に見える北アルプスを眺めながらテイクアウトしたコーヒーを飲んでひと休み。

気持ちのいい時間。
松本最後の朝に、こんないい空と山をありがとう。

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さて、松本バスターミナルから空港へ向かおう。


/  信州まつもと空港から

日本で一番標高の高いところにある空港なのだそう。
これから長野を発って徳島ではなく、福岡へ。

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飛行機が飛び立つとすぐに日本アルプスの山々が眼下に広がった。
「雪が積もっていると綺麗だよ」と教えてもらっていたけれど、残念ながら雪山の景色はまだ拝めなかった。それでも十分に絶景だ。

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諏訪湖の向こう側には富士山も見えた。本当に良い天気で最高!
琵琶湖が見えて、四国も見えた。眼下の景色を楽しんでいるとあっという間に九州に着いた。


/  福岡へ

以前に松本から徳島へやってきた方が、湿気で空気が重いとか、地面の低さを感じるとかを言っていて、何を言っているのかとよく理解ができなかったのだけれど、今ならできる。福岡に着いた途端に、じめっとした空気が身体にまとわりつくようでなんだか重い。あの詩人の言っていたことは本当だったのだな。標高500メートルを越える場所にある松本市から海抜数メートルの福岡市へ。

徳島に帰らず福岡市へ来たのはわたしがデザイン・発行をした詩画集『遥遥』の原画展設営のためだ。

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もう3時過ぎ。昼ごはんを食べていなかったけれど、食べるかどうか迷っているところ。しかし、あれだけ長野産のきのこやら野菜やらに浮かれていたのに、福岡へ来た途端にラーメンが食べたくなるのはなぜだろう。

そこへ追い打ちをかけるようにとんこつの匂いが漂ってきた。「博多駅に着いたらとんこつの匂いがする」と誰かがテレビで言っていたけれど、本当にとんこつの匂いがしてきて面白くなった。匂いのもとを辿って見つけた博多駅のホームにあるラーメン店で遅めの昼ごはんを食べることにした。

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腹ごしらえを終えて、展示設営に向かった。

展示会場となる書店は海の近くだ。
海沿いを走る電車に乗って、夕焼け空を眺めた。ビルの向こう側にある山は低かった。松本から見た山なら、きっとあのビルよりも高くに稜線があるのだろうな。雄大で美しい日本アルプスがすでに恋しい。

翌日の夜、福岡からの夜行バスで徳島に戻って長めの旅は終了する。


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