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木製のパズルやゲームの開発に熱中して Development Story of Wooden Puzzles & Games (第5話)

第5章 神ニャン駒40個1セットで十盤勝負


 1、チェスゲーム用平面型ニャンコデザインの開発

  前章(第4章)で紹介した[ブビンガ五目]をヒントに、キューブの裏面の色を変えて、表面と3水準とも異なるマークの組み合わせを配したとしても残りの4側面が空いている。
   1対の面を第3章で紹介したニャンコ将棋にして、もう1対の面を半分の個数だけ着色して、世界的には一番ポピュラーなチェスにする案が浮かんだ。
   そこで、ニャンコ将棋と同様なデザインで、初心者用のチェス駒の平面デザインを考案した。
   頭部は統一しないでニャンコの雰囲気を持たせながら本来のチェス駒の形をできるだけ連想できるようにした。
   中央の名称は一般に使われているアルファベットの頭文字とし、周りに進め方のマークをニャンコ将棋と同じように記載した。
   頭文字はK(キング)、Q(クイーン)、R(ルーク)、B(ビショップ)、N(ナイト)、P(ポーン)で、下部にカタカナの名称を記載した。
   チェス面と反対面は表面にあわせて20個ずつ色分けしている。
 〔ポーンは成ることができる(プロモーションと呼ぶ)ので余りの8面に、プロモーション可能なクイーン、ルーク、ビショップ、ナイトを最上段にポーンと記載して配してもよい〕。

(ニャンコチェス駒)
(ニャンコチェス)

  2、神ニャン駒の完成

  チェスと将棋の駒の進め方は同じか、似ているものが多いので、それらは同じ駒に配するようにした。
 駒の数は将棋にあわせて全部で40個とした。したがって、マルゴ/マルゴニアゲームの場合、チェス面の色で持ち駒(持ち色)を決めることになるので、色以外の3属性、2水準のマークの組み合わせが各持ち色で均等になるようにした。
 これで[神ニャン駒]の完成である。

(神ニャン駒)

3、10種類のアブストラクトゲーム(令和10盤勝負)

 [神ニャン駒]の由縁はキューブ駒40個1セットで10種類のアブストラクトゲーム(二人零和有限確定完全情報ゲームのことでサイコロを振った目のような偶然性を排除したゲーム)がプレーできることだ。
 1番はニャン駒チェス。
 駒数は32個、スタンダードチェスのルールで8×8マスの市松模様盤でプレーする。
 2番はニャン駒将棋。
 駒数は40個、本将棋のルールで9×9マス盤でプレーする。
 または桂馬抜きの7将棋(7×7マス盤)もプレーできる。
 3番はキューブチェッカー。
 チェス面の反対面を使用し、駒数は24個、イギリスルールで8×8マスの市松模様盤でプレーする。
 4番はキューブドラフツ。

 チェス面の反対面を使用し、駒数は40個、国際ルール、10×10マスの市松模様盤でプレーする。
 5番はキューブマルゴ(新マルチ五目)

 駒数は36個または40個、マルゴルールで6×6マス盤でプレーする。
 6番はキューブマルゴニア(新はさみマルチ五目)
 駒数は36個または40個、マルゴニアルールで6×6マス盤でプレーする。
 7番はマルゴイド(新スライドマルチ五目)
 駒数は36個、クイキシオに準拠した新ルール、6×6マス盤でプレーする。
 8番はニャン駒リバーシ(オセロ)
 駒数は40個、リバーシ(オセロ)ルールに準拠し、オリジナルの8×8マスの40マス盤(下の写真)でプレーする。
 または、駒数36個で6×6マスのミニリバーシ(ミニオセロ)でもプレーできる。

9番は連珠(五目並べ) 
 駒数は40個、連珠ルールに準ずる。6×6マス盤の罫線の交点を使う。 10番はニャン駒7路囲碁 
 駒数は40個、6目半の込み出しの囲碁ルールで6×6マスの罫線の交点を使う。
このマルチキューブ駒は特許申請して公開中。特開2020-092730

4、フレキシブル盤の開発

先に開発した4つ折り、両面使用のゲーム盤で、表面に1辺が奇数マスのゲームがプレーできる9×9マスを配し、裏面に最大10×10マスの1辺が偶数マスのゲームができるようにした。
 さらに、軽量で、折りたたみ出来て安価な布製のフレキブル盤を開発した。
 開発のきっかけは30mm角のキューブ駒を製作する際に発生する薄い板厚の端材の有効利用であった。
 布にマス目を描いた簡易盤はよく知られているが、将棋や囲碁などの盤上ゲームでは駒を打つ際のパチンという音があるとないとでは大違いである。
 そこで、端材の中から2~4mmの薄板を選んで、30×30mmのマス目板を製作した。
 この升目板を布の升目に少し間隔をあけて貼りつけると木の盤独特の指し心地を得ることができた。
 次に、ゲームによって升目の数が変わることに対応するためマス目板を脱着式にすることにした。ネットで調べてみると、お誂え向きに直径20mmの粘着剤付き面ファスナーが安価に手に入ることがわかった。
 また、盤用布もトイクロスなど片面起毛布であればメス側面ファスナーは不要である。
 しかし、片面起毛布は薄くて腰がないので裏側にデニム布を当てて袋状にすれば升目板の収納袋にできる。
もう一つのタイプは面ファスナーはオスとメスがセットになっているので、粘 着しやすいように布は酢酸ビニール接着剤をうすめて含侵させたデニム布としてもよい。
 10番勝負用の布盤の大きさは最大10×10マスが描ける大きさとし、マス目板の半分は裏側を塗装するか、異なる色の升目板を追加して市松模様にも対応できるようにする。
 チェスやチェッカー専用だったら2種類の色の違った木材の薄板を使用する。

 このフレキシブル盤は特許出願して公開中。特開2020-188849

(10盤勝負用フレキシブル盤)


(チェス用フレキシブル盤)

 (第6話に続く)



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