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Clinical Research Meeting(CRM)とは

中部学院大学理学療法学科の林典雄・浅野昭裕ゼミの卒業生が組織・運営する勉強会です.

創設の経緯

私は中部学院大学で理学療法を学びました.3年生からは希望通り林典雄先生の研究室に所属することができました.私自身林先生に教わりたくてこの大学に入学した身なので,研究室選択にほぼ迷いはありませんでした.林先生のゼミでは,整形外科領域の論文をまとめて各自がプレゼンしたり,授業では伝えきれないことを実技を交えながら教えてくださったりと,自ずと整形外科領域の魅力にさらにのめり込んでいきました.

卒業研究では当時としてはあまり使われていなかった超音波画像診断装置(エコー)を用いて研究を行いました.当時からエコー研究を牽引している林先生が指導するわけですから,卒論も良いものが出来上がります.ちなみに私の卒論のテーマは「肩甲上動脈と血管抵抗」でした.resistance index(RI)を用いた計測で,当時はコニカミノルタさんに林先生と一緒に教わりながら解析したことを覚えています.

毎年,5題前後の卒論ができますから,私たちが大学を卒業した後もぜひそれらを聴きたい.ただ,聴くだけでなく卒業生も一年間に取り組んだ内容,症例であったり,研究であったりを発表する.そんなことを企画して,1期生を中心として林ゼミ会,今日でいうCRMが始まりました.毎年地道に続け,2020年である今年で第10回,2021年には創設11年目10周年を迎えることができました.言い出しっぺの私が代表を務めています.代表と言っても管理や総会業務が主な仕事です.

1期生と先生方.右上が私(森戸)

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目的

この会の目的は3つあります.
1つ目は知識・技術のインプットとアウトプット 
2つ目は卒業生・在校生・先生方・講師の先生方との交流
3つ目は勉強会を企画,組織運営を経験する というものです.
個人的には3つ目を経験できることが大きいと思っています.これは林先生に言われたことですが,「学会や講演会の裏方の仕事をやってみろ.大変さをわかっているから講師で呼ばれたときも謙虚になれる.そしてどんな小さいことでも構わないからリーダーを経験しろ.人を動かすことの難しさを知っているやつでないと上には立てない.同時に人は想像以上に動かないことを知ることができる」と.かなり昔の話なので多少の誤謬があるかもしれませんが,大方このような話です.
医療職であると知識・技術ばかりに目を向けがちですが,「理学療法士である前に社会人であれ.社会人である前に人であれ.」私が大切にしている考えです.

活動内容

現在12期生までが加入し,約80名の組織になりました.厳密に言えば,数年前からは浅野昭裕先生が林典雄先生の後を引き継がれた(こう言うと失礼にあたるか...)ので林ゼミの卒業生ではなくなりましたが,中部学院大学の整形外科領域の研究室として,引き続き卒業と同時に入会していただいて運営等を行っていただいています.
活動としては一年に一回,学部4年生の卒論発表会と卒業生の症例・研究発表,講師による特別講演を行っています.これまでは二ヶ月に1度程度の頻度で勉強会を行っていましたが,現在はコロナなどの影響もあり,行えていません.オンラインが発達した今,CRM内でオンラインセミナーを計画しているところです.4年生も第1期の実習が中止,第2期の実習も途中で中止という残念なこととなりましたので,なにか学生にとっても有意義なものになるよう計画しているところです.

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特別講演はアンケートをとり講演を聴いてみたい先生に依頼するかたちをとっています.記念すべき第10回は林典雄先生の予定でしたが,コロナの影響で講演自体は延期となりました.次回のお楽しみです.昨年度の第9回では名古屋スポーツクリニックの杉本先生にご講演していただきました.最前線でご活躍されている先生方を毎年お呼びしています.

林典雄先生

5周年記念では石川県に旅行も兼ねて行きました.騒いで勉強して酒を飲んで熱く語って寝る.あまり記憶はありませんが,最高だったことは覚えています.また機会があれば,こんな企画もやりたいなと思っています.あれ,来年か...。

集合写真 旅行

これまでの発表内容

昨年度の第9回の一部になりますが,
・斜角筋底辺部距離と肩甲帯の肢位の違いにおける腕神経叢移動距離の関係
・超音波画像診断装置を用いた健常者における正中神経の滑走動態
・腕神経叢牽引刺激に伴う鎖骨下動脈血流速度変化の検討
・坐骨神経の単軸方向への滑走動態観察    などなどです.
卒論は全て,卒業生による発表も8題中7題がエコーを用いたものでした.

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運営は各学年の持ち回りで行っており,昨年度の大会長である名古屋スポーツクリニックの中川くんは,実際どのようにエコーを描出したのかをその場で実演してもらうという企画を立ててくれました.実演者としては緊張感もあり,聴講者としては非常に勉強になる素晴らしい企画でした.

下は坐骨神経の滑走動態の描出をしているところ(古田亮介)

古田エコー

懇親会

CRMの醍醐味は熱い討論の後の懇親会でしょうか.卒業生による投票で選ばれる最も素晴らしい卒論には浅野先生から賞が贈られます.また卒業生の優秀な演題を林先生が独断で決められる林賞もあり,林先生の書籍などが贈られます.

懇親会

ちなみに私は以前絵をいただきました.

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みんな口を揃えて言うのが,ゼミ会・先生方との飲み会は本当にモチベーションが上がるということです.ここに照準を合わせて演題を考えてきてくれる卒業生もいます.

最後に

今回はClinical Research Meeting(CRM)について紹介させていただきました.CRMには第一線で活躍している理学療法士が多数在籍しています.良いものであっても知られなければ無いのと同じ,ですので,徐々にCRMからの発信を行っていきたいと思います.今後ともどうぞよろしくお願いいたします!



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