たからもの。
その子は何かあった時
あるいは何の前触れもなく、私の部屋にやってくる。
ノックもせずに、、、
私の部屋に入ったその子は、私の部屋の隅にしゃがみ込み、
今にも泣きそうな目をして遠くを見ていた。
私はその子に見覚えがあった。
私はその子に声をかける。
「さびしいちゃん、どうしたの?」
さびしいちゃんは何も答えない。
そんなさびしいちゃんのそばに私は近づき、そっと彼女を抱きしめる。そして
「大丈夫だよ」
と、声をかける。
さびしいちゃんは泣きながら、でも優しそうな笑顔を浮かべて頷きながら、部屋を出ていく。
私の中に訪れる、さびしいちゃんのお話。
さびしいちゃんも、かなしいちゃんも、たのしいちゃんも、うれしいちゃんも、同じように。みんなみんな私の大切なたからもの。
だから私は、みんなを抱きしめる。
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ディズニーの「インサイド・ヘッド」にインスパイアされた要素も強いかな?自分の思うようにいかなくなった時、感情に名前をつけるといいよと、誰かのアドバイスにより、時々ですが、そうするようにしています。
だいぶ前に、はじめに繋がった心療内科の医師に私が虐待のことでトラウマやPTSDに悩まされていることを伝えると、その医師はそのことには専門的な感じではなく、「何で今一緒に暮らしていない親のことで、そこまで気にするんだ」的なことを言われて、若干傷ついていたのですが、、、
でもその医師から言われた言葉で、印象的でいまだに残っている言葉があります。「確かに君は虐待を受けて育ったかもしれない。だけど、それは君の一部であって、全てではない」と。
その言葉だけは今でも時々思い出して、私の心を癒してくれる。
そのことも大切なたからもの。