【社会】未だに根強い儒教の思想~2000年以上続く統治のための思想哲学~
おはようございます。
本日は儒教について。
儒教の起源
儒教は中国の代表的思想で、春秋時代末期の孔子に始まり、漢の武帝の紀元前136年に国教となりました。
それ以後、清朝の崩壊に至るまで歴代朝廷の支持を得、政治権力と一体となって中国の社会・文化の全般を支配してきたといわれています。
漢字文化圏とよばれる日本、朝鮮半島、東南アジア諸地域にも伝わり、大きな影響を与えています。
儒教の教え
儒教の教えに「五常」と「五倫」というものがあります。
人は、「仁・義・礼・智・信」からなる「五常」の徳目を守ることで、「五倫」と呼ばれる「父子・君臣・夫婦・長幼・朋友」の関係を維持するよう努めなければならないという内容で、東アジアにおける倫理観の基本になっている考え方です。
日本での儒教
日本に儒教が伝わったのは仏教よりも早く、513年、継体天皇の時代に百済より五経博士が渡日して伝えられたとされている。
これ以前にも、朝鮮半島から王仁が「論語」及び「千字文」を持って渡来したという伝承もあり、概ね5世紀初めには伝来していたというのが通説です。
6世紀の飛鳥時代には蘇我氏が仏教の布教に尽力していたが、一方で斉明天皇が創った欽明天皇の八角墳等に儒教の影響が根強くみられている。
その後、9世紀の平安時代初期においては、天武天皇が発布した律令制にも儒教の影響が見られ、儒教思想は官吏養成に応用され、また国家で研究を行う学問として式部省が管轄する官僚育成機関において教授された。
しかしながら、日本では科挙制度が採用されなかったことから儒教本来の価値が定着せず、この時代は仏教がますます盛んになった。
儒教の影響
儒教の教えは、為政者が理想の政治を実現するための思想哲学で、上記のような徳目に従って国家が運営されれば、理想的な世の中になります。
しかし、良いことの裏側には必ず悪いことも。
たとえば、儒教では、親を敬うことが奨励されています。
しかし亡くなった際の喪に服す期間が3年にもおよび、ボロボロに痩せ衰えてしまう人が続出したうえに、さらにその姿が周囲から賞賛されるようになると、親を敬い喪に服すことがパフォーマンスと化してしまったこともあった。
また同族を重んじる儒教では、一族の誰かが殺されれば報復をするのが当然とされていた。
裏を返すと、報復されないためには、相手の一族を皆殺しにする必要があります。死刑をする際には「三族皆殺し」という、父方の一族、母方の一族、妻の一族すべてを殺してしまうケースがあったそうです。
さらに、儒教では上下の秩序を重んじています。
すると上の者には媚び、下の者には傲慢に接するという差別意識が生まれやすくなってしまう。
加えて、長幼の序を重んじるため、たとえ長男が無能で次男が有能だったとしても、後継者になるのは長男。
努力をしてもしなくても結果は変わらず、競争が起こりづらくなるし、フェアな世の中ではなくなってしまいます。
このように、儒教が掲げている教えは素晴らしいものである一方で、実践にあたってはさまざまな問題が生じることとなった。
現代の日本でも儒教の思想が深く根付いていると感じます。
最近では薄れてきているものの、まだまだ年功序列の世界が多い。
日本語は"敬語"の色も強く、当たり前のように年長の方には敬語を用いる。
郷に入ったら郷に従え。
無信教の身ですが、日本社会において生きていくうえで自分の管理下にあることとないことがあり、儒教の教えに沿うことは管理下にないことの1つかなと。
民主主義、資本主義、法治国家。
自分自身をもつことも大事だけど、大前提としてこれらの枠組みの中で生まれてきたので最低限これらを理解することとても大事です。
社会人になってもまだまだ知らないことだらけ。
学び続けます。
皆様本日も素敵な1日をお過ごしください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?