部員の「できない」を正しく理解できている?
部員が「〜ができない」と言ったとき、すぐに的確なアドバイスを出せていますか?
もしかしたら、まったく的外れなことを伝えているかもしれません。部員は、納得しているそぶりを見せているだけかも。
直近に参加した部活で、こんなことがありました。
「過去のアドバイスを補足しなきゃ」と思った
ちょっと前に、部員たちが自分のプレーの課題をホワイトボードに書き出していました。
三者三様でおもしろいなーと思いながら見てたのですが、気になったのはキャプテンが書いていたもの。
「スマッシュレシーブはバックハンドで構えるのが基本」とアドバイスしたのは僕でした。
でも、そう伝えたのは、ダブルスの試合が控えているとき。シングルスの大会が続く時期では、課題として必ずしも正しいとは言えません(よね?)。
補足しないと、彼女は間違った努力を続けることになると思いました。
話に耳を傾けてうまく補足した……と思ったけど
僕のアドバイスのせいで遠まわりさせるわけにいかない。そう思い、まずは課題を立てた背景をキャプテンに聞いてみると……
という旨を答えてくれました。
なるほどそういうことか!と思った僕。「フォアに近い持ち方で待ってたほうが、相手のスマッシュがフォア側・バック側のどちらにきても拾いやすいかも」とその場でアドバイスしました。
でも、キャプテンは納得していない様子でした。それが気になってずーっと考えていたら、ふと気づきました。
「取れない」って具体的にはどういうこと?
クロスのスマッシュが「取れない」って、具体的にはどういうことなんでしょうか。
僕は「さわれるけどうまく当たらない」と解釈してしまいましたが、キャプテンの言葉の意味はどうだったのでしょう。
ざっと考えただけでも、以下のようなパターンが浮かびました。
ラケットを出すけどさわれない(届かない)
さわれるけどフレームショットになる
さわれるけどネットにかかる
ロングリターンできない
はたしてこれらは、持ち方だけを工夫すれば解決する問題なのでしょうか。
正しい現状が見えないと的確なアドバイスはできない
もしかすると持ち方ではなくて、立ち位置、フットワーク、スマッシュを打たれる前のロブやクリアの質に取り組むべき課題があるのかもしれません。
ロングリターンができなくてもショートリターンができているなら、別にそれで構わないといってあげたほうがいいかも。
さらに言えば、「取れない」は本人の思い込みかもしれません。取れなかった数少ない体験が強烈に印象づいていて、苦手意識が芽生えているのかもしれない。本当はできているのに。
正しい課題を一緒に見つけにいく
何にせよ、「取れない」の実態を確かめないと、正しいアドバイスができません。
本人からもう一度話を聞いて、実際のプレーを見て(ケガが治り次第)、本当の原因を一緒に突き止めてあげる必要があると感じています。
持ち方で解決するもの、と早とちりしてしまって、キャプテンに対して申し訳ない気持ちです。コミュニケーション不足!次に会えたときにまた話を聞いてみます。