エースコンバット7へのお気持ち表明:感情アンノウン
はじめに戯言を
かつてここまで愛憎が混じり合って複雑な気持ちと話題を見かけるたびにだいたい荒れたりけっこう心理的に面倒くさくなるゲームはあっただろうか。出来ちゃったよ。この作品で。
まず、エースコンバット7の発売までの経緯を説明したほうがいいのかもしれない。昔話をしてあげる(マグノリア並感)。
2015年の末、個人的に楽しみはあとはスターウォーズ新作ぐらいだったそのときにそれが現れた。エースコンバット7のティザートレイラーだ。その以前からエスコン7出るよとエースコンバットインフィニティ(存在していた基本無料のPS3のゲーム)で告知の日時を間違える形でリークされていたがそんな証拠となる画像など見当たらずどこの誰かの誇大解釈か幻覚と勝手に決め付けてはクソして寝て醒めたらそんな映像を見かけてしまった。
そこからです。何かが狂ったのは。たかが一つのトレイラーで考察を始めたりとっとと新しいトレイラー出せや、出さなきゃウンコ漏らすぞと言わんばかりにフラストレーション溜めてたらジャスト1年後に新規トレイラーが出てそこから何ヶ月ごとにトレイラーが出ては考察したりまたウンコを天井まで漏らす始末。
それくらい楽しみだったんですよ。ウンコを漏らしたかは10割方ウソだけど。
んで2017年発売が1年延期になったり2018年発売が2019年の1月になって「四捨五入で2018年発売だからいいでしょ」と勝手に納得したり。
発売ジャスト0時でDL組は当然直後にプレイしました。プレイから数時間で自分なんかは「これはGOTY待ったなし」、「勲章どころか銅像が建つぜ」、「脳の汁と腸液が出た」、「これで8000円は実質無料」とかなんとか色々ハシャぎましたわよ。
そりゃ当然純粋に面白いと思えるゲームでしたしストーリーも魅力とエモさの特盛。しかしどんな作品も骨の髄まで味わえば雑味が出るもの。そしてエスコン7から出た雑味は愛の中に憎が混じる形に。
この記事ではキャンペーン本編にフォーカスを当てているので申し訳ないけどVRコンテンツとマルチプレイは省かせていただきます(というかけっこう別モンだし)。ただでさえ文字数がとんでもないんですよ。それと何日か置いてまた書いて置いての繰り返しだったり書いてるのが深夜の時もあったし久々に長文書くので所々にガバや抜けが生じてるかもしれません。
骨の髄っていうか一応書いておくべきなのかもしれないので置いとくけど、決して自慢じゃないけどトロフィーはプラチナ取るまでやり込んだよ。そこまでやった上で書いてるけどやっぱり誰かの意見と被ってたりもう見たな意見だったら怖いけどそこはもうしょうがない。しかも初めてのプラチナトロフィーなんだよ。(自慢じゃねえか)
あと一応3Dとインフィニティと日本未発売であるACECOMBAT ADVANCE とACECOMBAT NOTHERN WINGS以外は全作プレイしてます。「エアプかテメー舐めてんじゃねえぞこの痴呆」と言われてもエアプとは言われないようにこっちも写真を載せときます。なんなら他に持ってる戦闘機ゲームも
小さな不満点から結局近作の悪いところが根本的に解決してないなどといった所まで。だが骨の髄までしゃぶり尽くしたからそ光るものや今作でしかなしえなかった魅力、これからに期待したい所も見えた。では、お気持ち表明を始めよう。
最高でもあり微妙な物語
今回は部隊を転々として扱いの差が激しすぎたり周りのノリの温度差が激しすぎたりと印象に残る展開とキャラも多かった。
面倒見のいい上司と死に際に一部プレイヤーのサムシングを興奮させた同期や最後の登場面で強烈な印象を残すAWACSが居る正統派軍人なメイジ隊でのIUN-PKF編、ゴロツキか皮肉屋しか居ないし無茶をさせてくるスペア隊での懲罰部隊編、息子に聞かせる話が多くなったおっさんやヒロインに昇格した詐欺師などおしゃべりなエリート部隊で無口エースとして無茶をするストライダー隊でのLRSSG編。
ひとつの一本道の物語でチームを転々としていくという物語は今までにはなかったので独特の印象は残ったし考察のしがいもあった(3は分岐で所属する軍を転々とする感じだけど)。その分、出番が中途半端になってしまったキャラの多さとかは感情移入する前に退場するので魅力がもったいない、転々とする割に物語の半分とDLCがストライダーだけなのはどうなのよって批判も見受けられた。しかし個人的にはこれは批判の対象ではあっても大部分を占めているわけでもなく受け入れられる短所だ。
プレイヤーキャラの成り上がりの過程とプレイヤーの成長に沿わせて『普通の部隊⇒どん底の使い捨て⇒エリート部隊』と、エスコン特有の成り上がりをこれまた部隊そのものの雰囲気でやらせてその中でそれぞれ異なる形で体験できたからこれは一つの旅とも思える。じゃあ問題はどこに?ゲームプレイの中での物語の中にある。
その前に主な過去作エスコンのステージ内での無線演出についての個人的印象を。
04:プレイ中の無線周りで物語的要素がある無線は最低限だし語りかけもしないのであとは敵味方のリアクションや業務報告程度。そこでの一つの駒として戦ってる感じは他作品より強い(良い意味で)。なので都合のいい解釈も言われてないし都合のいい扱いも一部ミッションでの無茶程度。ついでに目の前のことに集中できる程度に短いが印象に残るセリフもあるのでプレイ中の好印象が強いかも。
5:物語の要素が強い無線が多くなってしまったが語り掛けに対して答えられるシステムがあり、更に共に戦う僚機がずっと居て隊長機として指示も出来たりちゃんと活躍してくれるので4機で一つという一体感があった。
ZERO:敵のエース部隊との戦いがメインで空戦での強さに説得力があり、個々のキャラクターに説得力があるし彼らを倒さなければならないと奮い立つ。プレイヤーキャラに対するプレイヤーと脚本上とのズレこそあれど現象に対する反応みたいなものなのでそこまで違和感はないし個人的に許容の範囲。キャラクターの独白こそあれど行動で見せる強さの説得力の印象も負けてない。
6:大規模な戦闘で味方を助けたり支援してもらったりと共闘している感覚がおそらくダントツだ。だからプレイヤーの味方に対しての信用は高くなるしそれに物語的要素のある無線はあくまでそのステージでの状況や軽口についてが殆どなので伏線などを聞き逃しで混乱することもない。
X:敵エースの出番が一周で1ステージだけで味方はそこまで頼りにならないが(ゲーム内で邪魔にならない部分で)強烈な印象を与えてくる味方NPCやストラテジックAIシステムでの分岐で他とは違うやり方で部隊を動かしていてこれも味方との一体感に一役買っている。
AH:当時は波紋を呼んだキャラ設定ありの喋るプレイヤーキャラ(しかも複数)だったがプレイヤーキャラが味方に対しての受け答えをしてくれて事情を持った人物というのもあるのでそこから物語に入れ込めるという人も今ではかなり見受けられる。そして味方の無線しか聞こえないのは確かに寂しいけど味方の会話に一極集中されてたりムービーは主人公中心で主人公と味方とのやり取りの解像度がおそらく過去作の中では一番見えやすいと思う。
エスコン7は物語的要素が強くそして多く、そのドラマの中で動いている劇的なアクションの一部になれる。キャラクター同士のやり取りはいつも以上に多く見えたし伏線も散りばめられてたり。そして今作はめんどい忙しいややこしいというのもあってプレイヤーキャラ一人のみの働きが多すぎだがそれ自体がストーリーの意図通りでラストのやり取りに説得力が出てくる。
長所でもあるが短所ともいえる。というより短所への働きが強すぎる。無線で物語を進めるのはいいが今回はあまりにもセリフが多すぎるし伏線も散りばめられている。聞き逃しや分からなかった所は周回プレイで聞き直せばいいだろとも言えるがそれはファーストインプレッションを犠牲にしなければならないことなのだろうか。違うだろ。それにキャラクターが多く喋るのは過去作では別に珍しくないけど味方の働きが脚本での演出くらいでしか実感がないので「喋るなら働け」と一つや二つ言いたくもなる。(DLCミッションでは働きは改善されたので後述)
今作はかなり忙しいしやることも多いがそれがラストに繋がるとは言ったが正直これももう少しやりようがあったと思う。度が過ぎてるんじゃないのか。
プレイヤーキャラであるトリガーは鉄砲玉でしかないのだ。たしかに軍人のキャラだったらそういうのでもおかしくないでしょうけどエースコンバットはストーリーが濃厚。特に今作は無線で色々言われたり語られるのだがトリガー自信の意思はその語りかけの中に存在しない(≠ゲーム内で存在しない)というのもあってその中でいいようにこき使われてる印象が拭えない。
意思表示が出来ないのはこのシリーズでの当たり前なのだが、エスコン7では過去作以上に色々言われたり話しかけられてるように聞こえては答える余地もあるのにプレイヤー経由でトリガーの返答程度の意思表示は出来ないのでプレイヤーキャラのトリガーとの乖離はおろか、脚本に乗せられている(しかも今作はプレイヤーキャラの個性が際立ってるのでなおさら)。
プレイヤーキャラの働きが多すぎるのも過去作でもあったことだしそれだけならまだいい。それにスペア隊はろくでなしの集まりという設定なので作戦中に働いてくれないのも納得できる。しかしM11からのロングレンジ部隊はエリートの集まりという。その割にそこまで敵機を倒してくれてる感触はない。たしかに自分が捉えていない敵は(TGT機以外)落としてくれてるように見えるが、プレイヤーが捉えた敵が僚機からのミサイルが4発くらい当たっても撃墜されてなかったりミサイルの誘導が殆ど無いケースが多く「自分が周りよりめっちゃ貢献している」という興奮よりも「ストーリーやゲーム内スクリプトの都合で弱体化してる僚機」にげんなりする。
味方の危機をなんとかするって状況にはそれが相まって「やれるのは俺だけだからやるしかない!」ってより「あーはいはい周りはクソの役にも立ってくれないしそこまで援護してくれないんでやりゃあいいんでしょ」って冷めたらエース体験もクソもない。要は共闘感がなく都合のいい鉄砲玉体験だ。わかってる。DLCミッションでそこがめっちゃ改善されてるのはまたあとのお話。
味方が働かない問題で終盤のM18でのミスターX戦とM19のアーセナルバード戦はシステムの都合を通り越してキャラクターへの苛つきに繋がってしまっている。まずミスターXもといミハイ戦では味方の援護はない。これは対抗できるのはトリガーのみでミハイを囲んで逃げ場の無いようにするという建前があるのでそこは仕方ないが周りが実況解説してる様を聞いてると「お前らこっちはいいから帰ってもいいぞ?」とあきれ返ってしまう。終盤の大事な決着をつけるのにこんなの白けちゃうよ。
そして、アーセナルバード戦はせっかくヒロイン(詐欺師)がペテンで味方のモチベを保たせては良い所持っていったのにアーセナルバードへの攻撃が可能になってもだれもバードに攻撃はしない(取り巻きの無人機には相手してくれているっぽいが問題はそこじゃない)。《ストライダー1の邪魔をするな》って、いや一緒にデカブツを叩いてくれれば邪魔にはならないよ?死ぬかもしれないけど(無責任)。
しかしこういうプレイヤー(とトリガー)の過労が最後のトンネルくぐりでの≪みんなトリガーに頼りすぎなんだよ≫で帳消し(に限りなく近いマイナス)になっちゃうので場面一つひとつの好きと嫌いの差が極端になりすぎちゃう。
アーセナルバードといえば、M19ではサイドストーリーに居る者たちが同時に別の場所で戦っているが正直そこまで重要とは思えないし装置を壊すシーンも別のシーンでやってくれれば整理しやすく理解ももう少し簡単だったと思う(合流して共に戦ってる感じは嫌いじゃないけど)。操作に必死だし難関ステージな分、最初は理解のためのピースが欠けてしまって混乱してしまった(カウントの『詐欺』が何故必要か、アビーの放送が戦闘中の部隊に聞こえてないのか 等)。
味方の貢献が少ないと言っても確かにM11でのワイズマンが先に洋上プラットホームをサンドイッチにしたりM12で一緒にアーセナルバードを遅くさせたりM15で囮になったりと威厳を見せてくれるし、カウントもM20で付いてきてくれるけど、そういうスクリプトで付いてくるようなのとはまた違う。
それに味方の活躍が少ないということが続いたのにM19開始直後にLRSSG全員はエース級だと言われても一番身体張ってるトリガーを操っているプレイヤーからすれば疑問符が付きまとっては更にゲームの粗に気づいて物語に集中出来なくなる。
プレイヤーからすれば特定の場面で本気出したり口で説明されるより普段から目に見えてちゃんと撃墜やアシストをしてくれてる過去作(04~6)の僚機のがまだエース然している。
幕間ムービーは個人的には詩的で惹かれる場面が多々はあったよ。特にオープニングムービーや終盤での「ハーリングの鏡」の下りやシュローデルの苦悩といった場面はエスコン7での主軸のテーマを担っているだけに印象に残る名シーンだったがそこに至るまでがそんな重要じゃなかったり世界の情勢がわかる所が語り部の都合上か序盤と終盤の始まりくらいしかない。なのに開戦直後のニュース映像が挟まれているので中途半端というかそれなら挟む必要はないと思う。というより、ニュース映像が無くても成り立つよね。ちなみにアビーから見た環太平洋戦争の語りは公式に無かった視点での語りで良かっただけにシュローデルの視点からの大陸戦争か環太平洋戦争についての語りも見てみたかった。
説明が不足してそこで何を信じて物事に対してどう受け止めるかが作品の根幹になっているが、そうだとしてもいかんせん考察しようにも公式からの材料が不足している部分もあるのは事実。特にM16に出るAWACSアルガス、M20での最初のムービー(Penseesの鼻歌流れながら色々フラッシュバックする所)とローザの生死(飛行機に轢き逃げされたのに生きてるのか?ヘルメットがその勢いで取れて?)はモヤッとされたままで公式からの回答も期待できない。肝心な部分でそういうのはやめて欲しいが、良い意味で気味の悪さが出ているのも事実。
無線演出は前述したように情報過多あるいは実況解説という不満点もあるのだが基本的にミリタリー物というよりロボゲーとかみたいなくっちゃべりの多さで、クサさこそ上手くなんとか出来ているがそれでも目前のことに集中している割によくそんな喋れるなって(旋回時でのGの負担とかどうなってるのよ)。あぁ、プレイヤーキャラに全て任せてるからね。
とはいえ無線のおかげでキャラが際立ってるのもあってかそれぞれの部隊の雰囲気に合ってるので今までにないやり方だと思う。
一番仕事人感や軍っぽさが強いIUN-PKF編、トリガーを無茶する『大馬鹿野郎』呼ばわりしてエース扱いしたりウザ絡みや罵言雑言で魅力が増している懲罰部隊編、いつものエスコンのようなプレイヤーキャラの持ち上げや余裕を持っているという意味ではエリート色が強いLRSSG編。といった感じにそれぞれ個性が出ていてキャラクターの魅力やストーリーのメリハリに繋がっているのも最高。
セリフの量と作り物っぽさと演出が問題なだけ。しかしその作り物っぽさにくやしながら所々惹かれている部分もある。
物語の極端な良し悪しやゲーム内演出での窮屈とつまらないストレスが相まって印象が自分の中で賛否両論になってしまった。しかし、そういった窮屈にするやり方は(やり方の賛否は置いといて)意図的でこれを使った物語の末は今までなかった感触を見出してくれた。
特にトリガーの働きすぎに関しては様々な人が言及されているようにプレイヤーの意図に反していた分ラストのトンネルを脱出した時のプレイヤーとトリガーの気持ちのいい乖離なんかは代表例だ。M11でのLRSSGとしての初仕事が制圧と破壊だけで解放感が割り増しだったり囚人部隊での情報の不足や無理難題からの出世してエースとして扱われる流れなんかも今までにない状況でこれはこれでと捻ったくらい。
とはいえエモーショナルにくるような設計がゲームプレイ部分より優先度が高くなっているようになっているとしか思えないので、もしゲームプレイの部分で相応にNPCが動いてくれたり物語の理解のためにやりとりの密度やスピードを抑えてくれればもう少し飲み込みが上手くいったのかもしれない。
上っ面だけの敵/味方エースの演出と彼らのゲーム内でのつまらなさ
これに関してはもう色々な人が言ってるので軽く流そうかと思っていたがやっぱりあまりにも聳え立つクソ(Pile of the shit)なのでお気持ち表明と言ったからには書くべきなのではと思い書くことに。敵の演出に関して問題点は大きく2つ。『演出と脚本のための無敵時間』と『変態機動&超加速』だ。
まず、無敵時間に関して話そう。これは一部の敵に一定数のダメージを食らわせたら脚本のある部分でのセリフが終わるまでどんな攻撃を当てようとダメージにならず無駄撃ちになり尚且つ待ち時間になる。
そしてこれ、上手い人はエスコンでの攻撃の当て方を心得ているので上手ければ上手い程早い時期に気づくのだ(恥ずかしながら、私は今作での無敵時間の存在を初めて知ったのは人づてだけども。本当に申し訳ない)。それに今作の敵エースは慣れればQAAM撃ちっぱでどうとでも墜ちるんだよね。
ゲームの中でリアルタイムで進行しているのにセリフ待ちというのは珍しくないけど、一定の条件を満たしたら攻撃しようと逃げようがどうしようと次の演出まで待たせられる。そしてこれのなにがムカつくってセリフがこっちが必死に戦ってる前提なこと。そりゃ初見なら何も気づかないしやっちゃるってなるし攻撃があまり当たらなかったりするけど、この演出に気づいたら以降白けるだけだよ。ただ待たせられるよりムカつくし行動や時間が無駄になる。
流石にボス戦としては演出重視を通り越して演出のためのゲームになっている。しかもこれ、9年も不満が噴出していて非難轟々なのにX2から始まってAH,INFINITYと続いている(3Dでは一部敵エース部隊がとりまきを倒さなければ隊長機を落とせないのがある)。
脚本をなぞるんでなくゲームの中で敵と戦いをしたいの。その中でのシノギの削りあいや倒されるかもしれない緊張感と共に物語の中で生きているキャラクターと戦っているのにそこで脚本での一時の都合でゲームのシステムに横槍を刺されて戦っている『フリ』になるのは白けるもんじゃすまない。ゲームから中指を立てられた気分だ。
確かにストーリーの都合上でボスを倒せないデザインにしなければならないのは理解出来る。しかしその演出がここ最近じゃ下手糞なのだ。
何発当てても墜ちないなんてアホかって書いたが、確かに他の敵でもミサイルを3発か4発当てないと撃墜できないものもあるしADFX-10とADF-11もDLCでのミミック隊も覚えでは戦闘機のくせして6発くらい当てないと撃墜できないが、こっちは時間が経つまで何発当てようと撃墜はおろか演出上での時間経過以外の敵の撤退や他の演出はないし周回すれば(もしかすると勘がいいと)敵が生き残ることはわかっちゃうし条件達成したかなって察すると待ち時間が鬱陶しいんで今の状況に対してアホらしくなるしキャラクターのカリスマ性や魅力にも影響が及ぶ。エスコン7に限れば無敵時間はミハイ戦全部に存在するのでミハイの魅力がこれのせいで半減もしくは台無しになっている。
せめて避けろよ
1回目のM7ではステージのデザインのせいなのか上手く障害物を避ける機動なのは追いかけ甲斐はあるけど時々すっごい不自然というかどっかの野球漫画の魔球めいた曲がり具合が来る。
2回目のミハイ戦は彼が率いる部隊を撃墜しろというシチュエーションだがまぁこれも例によって無敵時間の範疇にあってしまった。
それなりにやりようはあるドッグファイトで何発か当ててからワイズマンが囮になる演出を待ち⇒ミハイがワイズマンを追うために(的になるかのように)曲がらずまっしぐらにワイズマンへ向かう⇒お二人だけAHのワシントンめいた機動の中に攻撃を当ててワイズマンが犬死⇒また追っかけて攻撃を当てるも衛星破壊で有耶無耶に。
普通に動きの演出が無いガチのドッグファイトをやらせぇや。徒労感。せっかく滾るようなセリフがあっても待ち時間ということに気づいてからは説得力に欠けてサボイボ生える。ボス戦なのに。因縁なのに。首都攻防なのに。夕日のファーバンティではこのような演出は冒涜ですよ。04の名ステージであるファーバンティ攻撃戦での黄色中隊との戦いはこれとは真逆でプレイヤーの技量が試されてめっちゃ追っかけ回されては追いかけるゲームとのガチの勝負なのに。
3回目のレールガン装備のX-02Sで最初はレールガンをなんとか避けては処理してからのドッグファイトはありっちゃありだけどやっぱりレールガン外す一定ダメージ与えたらセリフ待ちでそこからガチのドッグファイトをようやく出来ると思いきや後述する理不尽加速がまた入ってやっぱり白ける。
先ほどは何のために戦っているのかが分からなくなる物語とは言ったがそれはまだトリガーなりの戦う理由を探せる余地があるしNPCのキャラも面白いからモチベーションを保てる。でも無敵時間に関しては理由以前に気づいたときはもうゲームとして面白くないしなんでまだ動かさなければならないのかとなってはポジティブな答えが見つからない。
たしかに普段ならムービー進行になるようなシーンなのに、ゲーム内でムービーが入らずシームレスに敵との戦いが進行するのは興味深い。しかし、このようなストレスや違和感に繋がるような演出とか徒労になったり時間の無駄やキャラの魅力を損なうくらいならいっそムービー演出のがマシ。
敵エース戦で状況進める為の条件を達成してから一定時間の経過するまでどのような攻撃の手段を行おうと無駄になるのが嫌だし時間が無駄に長いのが嫌。しかもそれが自分が敵と戦ってテーマや物語の意図があるように上っ面で見せてるし、こっちがこの薄ら寒い仕組みに気づいていようといまいと必死で戦ってることを前提に敵と味方は決まったレールに沿って流れているので当該のステージというか作品のストーリーとキャラに対して気持ちが冷めるのがタチ悪い。戦ってるフリのエース体験ごっこ。
次は変態機動について。これもつまらなさに拍車をかけている。これはX2からというより6からと言える。
変態な機動とは通常の戦闘機ではありえない速すぎる不自然な動きをして、それでも追うプレイヤーの追跡から逃げる時の速さがアンビリーバブルでドッグファイトをしようにもそのつまらない動きで逃がしてしまう。そしてこういうことが起きると敵機は逃げることが殆どなのでなおさら死闘感やドッグファイトの熱中が出ない。
7の毎回のミハイ戦では幕間ムービーや無線で敵を理解したいので怖いくらいに追い掛け回すと言われているのに対してゲーム内では追いかけるのはほどほどでこの変態回避機動とまぁまぁな(ストーリー演出とは食い違うケツの取り合いでの)攻撃頻度と理不尽加速で逃げるので説得力やゲームデザインどころか最も再現するべき強さの演出が成立していない。7は演出重視なのにこういうところで抜けている。一応、過去のステージ内演出ありのエース機と比べたらまだマシな機動でケツを取りに来ているので攻撃の当てづらさはこういうゲーム部分だけならまだ納得出来るかもだけど(それでも過去作と比べると弱かったり問題点があるが)。
脚本担当とレベルデザイン担当はちゃんと連携し合っているのかが怪しいという訝しみが。というか事実その連携は難しいしメインストーリーの脚本をしている片淵監督が無線と演出を一人で考えてるわけではないので他のライターが書いてたり演出によって取捨選択もされる。片淵監督の用意したストーリーと幕間ムービーは原作か原案という立ち位置でゲーム本編はそれを監修付きで色々作ったというほうが正しいのかも。
そしてストーリーがシナリオの制限に関わると言われているがレベルデザインに組み込めるようにあるいはゲーム内の演出のセレクションをもっと工夫できる余地はあったのでは。
ただ、それ以前の問題でこっちが追っかけないと(もしくは何秒か経たないと)向こうも追っかけないのはどうなのよ
ここからはゲームに携わったことない人間の素人意見だけど、ミハイのゲーム内演出は同じ変態機動と加速でも逃げるよりプレイヤー機を追い掛け回せばかなり緊迫感も出てまだコントローラーを必死に動かさなきゃならない分(なんにせよ批判が来るとはいえ)こっちのが白けないと思う。というか回避行動を取った後にこっちのケツを取ろうとしてるように見えないし(そうだとしてもモブ敵機に毛が生えた程度)。
これはミハイのキャラに沿っている以上に無敵時間による脚本の意図など見えてはいけないところを隠せるかも。確かにこれも脚本の為のゲーム展開と言えるがこれを逃げ切って反撃出来る隙を突けるバランスにして(めっちゃしつこく言うけど)無敵時間を無くせばエースパイロットという風格をゲーム内でもっと上手く再現出来ると思う。しかしこれは同じくプレイヤーと対等とは言えないバランスなのでこれも絶対非難が轟々するかもだしほんと素人意見でしかない。とにかくエースのカリスマ性は動きとプレイヤーへの正しい殺意による説得力が大事という事が伝わればなにより。
こんな素人意見を出したが今作でのミハイが行う普段の程々に面倒な機動はもしかしたらエースらしさを(あくまで直近の作品の中ではたぶんマトモに)再現は出来てるかもしれない。だがそれでも回避時に他と比べて違和感と無理が生じてる加速しながらの旋回といったプレイヤーと対等ではないゲーム内演出がキャラクターの設定や物語を台無しにしてる。それどころか回避機動がそのような卑怯な機動なばかりの割に対してそこまで当たらないというわけでもなくQAAMや適当にミサイルを撃つだけでなんとかなる。
そもそもケツを取っても取り返しに来ないしただ囮とそれを使う攻撃だけっぽいので過去作のエース部隊と比べてもゲーム内での強さすら見劣りしている。自分の考える以上にエース戦はちょっとした欠点があると作品に影響しているのかもしれないが自分から見ればこのやり方だけは確実に問題しかない。
話を戻して、エスコン7でのミハイやADFX-10とラスボスであるADF-11F(フギンとムニン)の変態機動なんかは過去作に比べればまだ控えめな方だし追いかけっこ自体はまだ自然にやれる方。峡谷を活かした機動は付いていきたいと思えるしファーバンティでのミハイ戦は一番マトモな戦いだしここではイベント演出以外の加速はなんとか追いつける機動。というかこのステージでの強さ(攻撃頻度と精度、回避の理不尽の無さ)が一番今作でのエースらしさを出せていると思うしなによりここでは台詞での演出で設定の説明が無いので目の前に集中出来る。つい数行前に書いたけど演出が問題なだけであともう少しだった。
変態機動と加えて加速などがプレイヤーと対等な条件というには過去作と比べて平等ではなさすぎと言うべきかも。というか対等とかそういうの置いといても行動のパターンや思考がワンパターンな可能性もある。
M7でのありえない最早ネクストACのクイックブーストな機動や加速は除外して、速さ以外はポストストールマニューバによってプレイヤーでも(ギリギリ)再現可能らしいし実際マルチにけっこう居るらしい。なのでそういう部分では個人的に徐々に納得を勝手にしつつある。過去作ではそれこそ敵の動き方が素人目から見ても失敗しているのがあったし。
過去作の変態たちの機動
6:パステルナーク戦ではエスコン6の重たい機動と補助や偏差射撃が無ければエスコン7のミサイル未満の誘導のミサイルと反して、おかしい速度で飛んでる多数の無人機とパステルナークの操る同じくおかしいCFA-44を相手にしなければならない。それだけならまだしもこれがクッソ面倒。強いんじゃなくて面倒。さっきは攻撃してきてくれた方がまだ良いとは言ったがこれの場合は量と精密さ(主に十何発も飛んでくるミサイルと時々ジャミングや多数のUAVからの攻撃が)に限度がある。
しかもこっちは攻撃どころか追うこともままならないしミサイルの性能がアップする偏差も取りづらいし支援要請を使わなきゃまともにクリアできないし下手すれば運頼みだ。
シチュエーションで両陣営が率いるのが無人機か有人機かの対比としては面白いんだけどね。
X2:動画で見てください。これに関してはそのほうがインパクトあるし。
で終わらせてはいけないと思ったのでやっぱりちょっぴり書く。一応、これに関しては途中の隊長機以外の敵機を落とすまではまだ良い方。(隊長機以外落とせない以外の)理不尽さは程ほどだし。問題はそこから。
喋ってくるのがなんかめっちゃ笑っててオレオだし、バレルロールのようなサムシングをされたらミサイルの誘導が切れるし後部の機銃で何発ミサイルを撃とうが無効になる。攻撃を機銃でやれという話になるけど回避がエライこっちゃでイカダンスだぞ。
待ち時間もたぶん1番長いしプレイヤーからしたらしょうもない自分語りで待たされるしそれ以前にそんなこと聞いてやるような魅力もあんまないしこう、色々辛い。
AH:モブ敵機にまで無敵時間が課せられているだけに収まらず今作限りの特徴のシステムであるDFMを使わなければ倒せないしステージの展開も進まない。DFMが悪いわけじゃない。あらゆるステージのデザインが悪いだけ。あと空戦だけのステージが7割だし。そしてマルコフ戦なんかとんでもない。悪癖二つに足してDFMでケツを取られたらめっちゃ殺しにくる。
しかしマルコフ戦の演出は個人的にはそれなりにありだと思う(自分の中で多少の美化はあれども)。確かに最初は強制敗北イベントだし他の敵機と比べて精度や積極性が狂っていてストレスになる。だが攻撃はドッグファイト内でのミサイルと機銃のみでしか取ってこないからキャラクターの強さへ説得力を持たせているし強さに対して戦闘機の設定や機動やキャラの説明のセリフが戦闘中にないのでこれが却って理由付けが無く設定と動きが噛み合わないことがない。まぁ難易度によっては鬼畜なのでプレイしててストレスなのは変わりないけど。
容赦ない積極的で精密な攻撃とDFMのカメラ演出を活かしたスピード感溢れる回避機動をしてきてくれるおかげでコントローラーを動かして回避したり相手を落とせるように頑張れる。一見前述の例と変わりがないように見えるけど持っている手段の中で機動に付いて行けるし度の過ぎたプレイヤーに対する理不尽な攻撃はちゃんと対策も取れる(難易度ACEは鬼畜なので除外)手段でしか取ってこないのでゲーム内のストーリー演出というか公平さは力技ながら保てている。
これが演出のための無敵時間とその中でクリアする為の規定回数のDFMと与ダメージが無ければ良い例になり得たのだ。惜しい。ただの犬の散歩になっちゃった。DFMじゃなくてそれの使い方が悪いだけなのに。ドッグファイトになる狭い空で飛ぶにはけっこう良いシステムだったのに。
エスコン7でのミハイ戦も三回中2回はSu-30SMという実在機体でそれでの攻撃手段はミサイルと機銃のみなのにどうしてここまで受け取り方が違うのか。嫌な例の無敵時間と変態機動もあるし。さっきも書いたファーバンティでは普段の機動だけなら演出以外での理不尽さが薄れてるし。
まず、条件達成した後に積極的な行動を取らなくてもクリアできる点。マルコフ戦はある程度動かさないと振り切られてまたDFMに入らなきゃならない(これがストレスになるって意見もあるだろうけど)けどミハイ戦は規定量のダメージ与えたら待つだけで、かと言ってめっちゃ追ってくるわけでも(動きが変態なだけで)当てるのが難しいとか条件や癖があるとかがないので強さが伝わりづらい。
そしてセリフでの演出や説明が裏目に出ている。先ほども書いたがセリフや幕間とゲーム内での演出と動きに齟齬が生じているので理解したい割に追跡はしつこくない。
(もっと良い成功例はあとで書くが) マルコフのように強さの説明なしで戦闘の中での強さだけで語ろうにもプレイヤーがそこまで追い込まれることはない(攻撃を変態機動で避けられるが追い込まれるとはまた違う)のでミハイがムービーなどで言われてるような強さが見えてこない。配慮のつもりなんだろうけどなってない『ダメージを最小限にする機動』の無敵時間と待ち時間につまらない機動と加速で楽しさも半減。(流石に強さの見方はシリーズ経験者視点なので偏りがあるのは承知)
キャラクターと戦えるゲームなんだからここにちゃんと納得出来る説得力が付かなければ説明や発せられるセリフなんて裏目に出てしまう。それなりの強さって言うならまだしも彼の場合は『天界の王』とか『捕食者』や『古きエース』と言われてるので説明されても「草生える」だ。しかも目に見える脚本の為の演出で強さの説得力が尚更行方不明だ。
架空機体だろうが実在だろうがミサイルと機銃で撃ってこようが三点バーストのレールガンだろうが関係ない。それ以前の問題だから。
強さの説得力といえば味方もこれが噛み合っていない。今作でのLRSSGでトリガーとの二つ頭の片翼を担うエースのワイズマンだが正直そこまで強いという感じがない。最初は世界観の中でのエースの価値観が変化してきているという解釈も出来たがやはりそれでも強さの説得力に欠ける。
洋上プラットフォームを先にサンドイッチにしてくれたりアーセナルバードのプロペラを破壊するときに一緒に来てくれたりミハイの囮になってくれる(そして死ぬ)けどそれはあくまでステージ内での演出であって普段の強さの説得力にはなっていない。大事な場面で限定的に強さを発揮されても普段のありがたさや頼もしさのカバーにはならないと思う。そんなのがあろうと結局普段強さを保って働いているのはプレイヤーキャラだけってプレイヤーは認識するしかできないし。
エースという設定でないならまだしもめっちゃ働かせられるトリガーとタメを張る強さならそれ相応に普段強くなきゃ納得できるわけ無い。それならせめて撃墜数勝負でめっちゃ多く撃墜数を稼ぐとかやってくれればいいがそれをやってちゃんとした演出が出来るかも怪しい(INFのキャンペーンM3~M5でのリッジバックス隊を参照)。
過去作なら5では僚機を担う4人、ZEROでのピクシー(とPJ)、6でのシャムロックといいプレイヤーキャラほどの強さはないけど共闘感があるのは強さに関する説明が過多ではないし行き過ぎた設定もない。強いという設定はあるけど追いつけないか追い抜かれた若しくは互いの強さに納得しているかという程よい説明不足で6まで僚機は共闘の演出は成功してる。「強さに納得」という点なら一応LRSSGの隊員は成立しているが。余談だけど6以降でのエース級の味方は口だけなので演出はかなり失敗している。
一応ステージ内で他の敵を撃墜してくれてるのはわかるけど直球でエースと言われるからには普段も強くあってほしいしなんなら味方エースという演出が出来ない或いは裏目に出るのなら無理にする必要はないはず。
トリガーに任せっきりなのが物語の意図だとしても同じ強さのエースが味方にいるという割に強さが全然かみ合ってない。しかもそれに相まって強さの説得力が見えない他の僚機までもが全員エース級って直球でセリフで言われても「どの口が言う?」って反応になりますよ。
しかしゲームバランスや獲物の横取りにも繋がりかねない強さも考え物で味方エースという演出は難しいのかDLCではワイズマンは前線に出っ張らないので他の手法を模索中ということなのかも。それでもDLCミッションでは僚機は共闘感がある強さと働きが常にあった。
要は、背中や普段の戦闘中の強さでそれ相応の魅力を見せて欲しいの。04での黄色中隊の強さの説明はサイドストーリーでの最低限の語りで抑えて、あとはプレイヤーに対してゲームプレイ内では無理ある演出を抜きで説得力ある強さで蹂躙したり状況によって撤退したりされたり立ち向かう事になったらプレイヤーとほぼ対等な条件で潰すつもりで追いつ追われるドッグファイトをしてくれることで畏怖と敬意の念を得ている。たとえプレイヤーが出来ないコブラ機動や鋭い機動を所々でされても納得出来るマジックの種があるんです。あとちゃんと強いし。
ZEROのエース部隊での強さの説得力は伝統のベルカ空軍の更に精鋭というトッピングだけで後は動きや部隊の陣形で通じる。それでもサイファーには適わなかったという「程々な強さ」への説得力でカリスマ性を維持できている。
プレイヤーに対して正々堂々と戦って欲しいしちゃんとした誠実かつ理不尽でない方法で潰しにかかってきて欲しいし、カリスマと魅力を損なわないで欲しいのよ。エースコンバットの世界のエース達には。エースとコンバットをさせろ。
微妙でもあるゲームプレイ
エスコンのナンバリングはプレイが大体楽しいから7も大丈夫だろ。そう思っていた時期が僕にもありました。マジで10年前くらいからの悪癖が抜けてねぇんだな。
まず、敵機の動きがつまらない(有人機に限って)。というかお前本当にやる気あんのか、生きたいのか。最初の爆撃機撃墜ではぬるい機動なのはまだ一面だからわかるよ。でも似たようなつまらない動きが多いし手ごたえもそんな無い。かといって無双して気持ちいいとは言えない。ミサイルが弱体化しているので敵の機動がぬるくなっているというのもあるけどその前に敵機の機動を鋭くしてくれてもいいんじゃないのか。ゆらゆら動いては避けるけど避けてその後にプレイヤーへ当てに来るように見えなくて。敵機の動きがぬるいのは初心者救済としてもこれが難易度ACEでも同じような機動だから尚更つまらない。
とはいえ以前からも敵機があまり避けないことはそこそこあった。それでも、PS2三部作はモブ敵機でも難易度ACEなら手を抜けば死ぬくらいのなかなかな歯ごたえはあったしネームド機体も他とは一線を超す動きなのでやはりゆらゆら避けるよりメリハリがあったりケツを取る動きで戦って欲しい。
かといって常時ぬるいわけじゃなく囮役と攻撃役で分かれてるのか所々で攻撃が多くまぁまぁ良い機動をしてきたり運がよければコブラ機動かましてくるモブ敵機まで現れるけど、その前に撃墜しちゃうしケツを取っても取り返しに来ないからどうにもメリハリがしっかりしていない。とはいえやっぱり後半になると敵機の難易度の上昇があるのでそのままのぬるさというわけでもない(あくまで今作の中で)。見栄えが変わらないというべきか。
いちばん難色が出てしまう原因が難易度ACEでも機動の手ごわさが無いというか変化や強化というか立ち回りが落とされるためなので敵機に対して過小評価してしまうのは仕方がない。パイロットが動かす敵機を落としてエースに成り上がるというより的当てのように感じる。
練習飛行じゃねえんだぞ
じゃあエスコン7はぬるい難易度なのかって言われると全然。むしろ手こずるの。一言で言うなら「イヤらしく面倒」。後で述べる敵艦船や地上の車両の弾幕は手ごたえのある要素だし、本作の新しい要素かつ売りでもある天候の要素と立体的に存在してキャノピーへの水滴や曇りと氷結(アイシング)がある雲の要素を活かしたステージも他とは違うスリルがあるのでエスコン7ならではの手強い要素。雲や乱気流と雷はスリルを与えてくれるし焦燥感と恐怖を敵機以外で出てくるのは良いしなんなら次は雪とかもいいと思う。今作だけでは絶対に終わらせないで欲しい要素。
問題は行動の制限から敵がレーダーに映らない(or出たり消えたり)などのクッソ面倒な制限などと。初見殺しや全ての難易度共通で平等に難しい(面倒)だったりしているのが多いがいっそ箇条書きしてしまえ。
M2:多数の機動が鋭い無人機とそれらとの雲の中でドッグファイトする初心者殺し(好き)
M4:レーダー掻い潜りと対地攻撃からの多数のUAVから護衛機を守るためのドッグファイト(時間切れでゲームオーバーになっても護衛対象への影響とかが言われるわけでもないしそもそもある程度時間が経って護衛機の後ろからミサイルを撃たなきゃステージがクリア出来ない)
さっきまでの熱意はどこに行ったスカイキーパー
M5:途中まで攻撃ができないし爆撃機が色んな所から湧いてきてえっちらほっちら(状況が状況なのでありっちゃああり)
M7:気流のせいで機体が言うこと利かない中を無人機やお爺ちゃんを相手にする(大好き)
M8:墜落しかねない砂嵐の中を爆走(はし)るレーダーに映ったり消えたりするタンクローリーを破壊する。しかもUAVが来る。
M9:雲を抜けたら最悪レベルに誘導してくるミサイルを雲や山を使ってやり過ごし山頂にあるレーダーを破壊(クリアだけなら対地ミサイルでなんとかなる)
M10:ここに来てなぜか近くまで寄らないとレーダーに映らないSAMを煙を辿って攻撃する。しかも護衛の輸送機にめっちゃ当たるし守る価値の無い積荷(誤射撃墜で2000ポイント)がめっちゃ喋る
M13:曇りと乱気流によって機体が揺れる中を近距離で爆撃の誘導する
M14:待ってました峡谷潜り。しかもシリーズ上位に入る難しさ。(楽しい)
M16&M17:UNKNOWNを識別するために不明機に近づいて飛ぶ。しかも地面の敵が多いので墜落に気をつけなきゃ。そして急いで行かなければ味方の生死に関わる
たしかにスパルタ教育として慣れさせるのならまぁまぁ出来てるとも言えるし実際初心者でも根気でなんとかクリア出来ているという声も聞いている。それにステージの発想は面白いので色々なミッションで「そう来るか!」って最初は唸れる。でもやっぱり後々に冷静になると半分くらいはキツイというより面倒なので「うわぁご勘弁を」って口に出ちゃう。かといって抜け穴は一つくらいなので技による新たな発見や「もしかしてこれはこう出来るのでは」という発想による抜け道の発見はほとんどない。
対策を実践しながら攻略するのに特に慣れが必須なM8とM9とM10に時間掛かった人はかなり多いかもしれない。実際そういう感想をけっこう見かけるし自分もその一人。
とはいえ、そりゃ一周目ならばどうにか切り抜けようと歯軋りして白目剥こうと頑張ろうとするけど面倒かつ窮屈なミッションが本編の半分を占めているので余計に今作が窮屈な中を飛ぶイメージが増している。これがせめてもう半分の量だったり懲罰部隊のみでなら印象が変わっていたのかも。もしや、敵機の動きがぬるいというのはもしかするとこういったステージへの難易度の調整のためとも考えられる。しかし敵機の弱体化での調整が上手い方法どころか臭いものに蓋理論だしそもそもの基礎的な敵機の動きとゲーム全体とステージの構成の噛み合いが厳しすぎたのかも。
難易度、どうやらエスコン7は経験者向けの難易度と製作陣自ら言っているらしい。たしかに経験者向きなのはわかる。チュートリアル無し、ミサイルがそこまで誘導しない、機銃の当たり判定が小さい、僚機が役に立たない、無人機の機動力と数の暴力、ステージごとの制限が厳しい、ひとつのミッションの後半部分が前半と打って変わるようなシチュエーションになってはかなり面倒な構成などなど。
確かに経験者向けだ。初めて触れる人ならおおよそ折れるだろこんなの。確かにシリーズ初めての人で今作をクリアしたよって人をツイッターでよく見かけるけどそれは自分が見れる範囲の話でじゃあ大方はどうなのよって。不親切で面倒と経験者向けというのは全然違うでしょ。かといって有人機の機動だけ甘かったりするしやはり調整が極端すぎる。
正直な気持ち、この『経験者向き』というのはエスコン7ではあまり適切な言い方ではないと思うしインタビューでの返答で一番マイルドでベストな言い方の末にこの『経験者向き』と出たのかもしれない。経験者に対しての難易度調整なら最高難易度でも同じような手応えがしかないし、かといって変態パイロットの機動は相変わらずつまらない方面でおかしいし9年間も同じ部分で経験者からブーイングが出てる所を改善してなきゃどのような声を聞いた上での経験者向けなんだろう。そもそもPS4で初めて出るエスコン(しかもVRで発売前から注目されてる)なら新参の人が多く来るのも想定していないのはマーケティングとして疑問に残る。
とはいえ面倒なステージ以外で本当に経験者向きと言える部分は一部ステージにはある。M2での無人機は経験者でも最初は手こずるし一定ポイントを稼ぐステージでは迅速かつ的確に攻撃をしないと時間内に間に合わないし峡谷は暗い狭い長いサーチライトがいやらしい曲がり道がややこしいなどなど純粋に難しい。かといっていやらしさと難しいが含んでるストーンヘンジ防衛も迅速に動かないとすぐに防衛網が破られるしそもそも優先すべき目標も分かりづらく、場を読んで爆撃機が並んでる所をすぐ判別できたり全部落とせばいいと考えられる余裕がある経験者ならまだしもここでは撃墜できなければ敵機が増えるだけなので不親切さも相まっている。とはいっても波状攻撃といえど一つひとつの規模はしょっぱいしただバラ撒かれた敵部隊を潰すためにえっちらほっちらパシられるだけなので慣れれば別になんてことは。
それに窮屈なステージが多いとは言ったが今作の気候や雲を活かしたM7やM17での追撃は今作でしか無いスリルだし、UNKNOWN識別は物語の変化がゲーム内にも生じてて興味深いしM4でのレーダーかいくぐりのオマージュも最初はニヤッと来たのでやっぱ多さが問題だよ。
一旦完成したが満足できないクォリティのため、このゲームを作り直しをしたとインタビューで言われているので雑な部分が厳しい出来なのは仕方ないのかもって理解は出来るかも。妥協と納得はしないけど。というか初稿のエスコン7どんだけアレだったんだよ。一周回らずとも気になるわ。
さっきは敵機の動きがぬるいだなんて言ったけどそれは有人機に限って。今作では無人機がフォーカスされていて物語の大事な局面でけっこう出てくる。じゃあこれもつまらない動きなのかと言われたら全然。むしろこれを有人機で出来なかった理由がよくわからない。
そりゃ「無人機の台頭、有人機の没落」というのがテーマでもあるので有人機が無人機より弱いと見せるのは大事だけど流石に程があってほしい。こんな差があるならエルジアでの有人機の存在意義とは。
それはそれ。数の暴力とすばしっこさで攻めてくる無人機は(個人的に)やりがいがある。アーセナルバードから放たれるMQ-101の多さからのドローンスウォームはこの作品ならでは。その中を掻い潜ってアーセナルバードを攻撃するのはなかなか手ごたえがあるし弾幕を掻い潜る楽しさがある。今作ならではの混戦感。
だが、それはあくまで小型戦闘機であるUAVに限って。時折(M9,M16,M19に)出てくる人が動かす戦闘機の無人操作版の動きがこれまたぬるいのでもしかするとMQ-101とMQ-99にだけ違う動きが設定されているのかも。
ところでM19にのみ出てくるスレイブモードで有人機を先頭に飛ばして数で攻めてくるので多数での戦闘が想定されている設定ならばこれは納得できるかも(じゃあフギンとムニンはなんなんだよ)。というかスレイブモードの無人機とそれを操る有人機をもっと出して欲しかったね。ポッと出にするには惜しい設定だった。
弾幕といえば艦船の対空砲火がハリネズミのごとく全方位にたくさんばら撒いてくる。しかもこの弾幕は恐らくシリーズで最も激しくCIWSによる迎撃もシリーズ経験者ほど最初は正気を疑うほどに精度が良い。AHにあった空母の弾幕を彷彿とするがここでは艦船が出てくれば毎回弾幕をばら撒いてくる。次世代機の恩恵がここに。
それとアーセナルバードもプレイヤーを殺しに掛かってきているので強さの説得力が出ている。しかも今作は機銃弾を喰らってもおよそ1%しかダメージを負わず、ミサイルも難易度ACEでも一発死にならないので弾幕の中へ気軽に飛び込むことも出来るしそれでもやられることもあるので嬉しい。
地面からの対空攻撃も同じく迎撃に本気出している。ADTANKはなぜかミサイルを迎撃したりミサイルを撃ってきたりと新しい手ごわさを出している。そしてコンテナから射出される無人機も新しい戦争をゲームの中で体験できるのでツボに来る。コンテナから無人機だぞ?痺れるじゃないの。
アーセナルバードについても話さなきゃ。先ほどにもあったように弾幕を掻い潜る楽しさや驚愕のドローンスウォームと今までに無いタイプの超兵器だ。しかしこれも色々問題がある。
まずAPSの存在。あまりにも派手で大胆なバリアでトレイラーで見たときは面を喰らったが通してプレイすると正直これも脚本のための演出のために作られたように見える。まずこれのせいでアーセナルバードをプレイヤーの手で落とすのは一回だけ。これは別にいいけど問題はこれのM19以外での戦いでプロペラをたくさん破壊しようと演出が変わらないこと。
たとえば、M3で初めてアーセナルバードが現れるがこいつを破壊しろと言われてAPS起動まで素直にプロペラを破壊しても無線の演出が変わらないどころかなんともないしムービーでは煙ひとつ吐いてない有り様。何のために攻撃したんだ。電力を送電されてるとはいえダメージを回復するのはまた違うでしょ。プレイヤー機体も攻撃喰らって煙吐いてもまた戻るじゃん?うーんそうでもあるけどさ。
M12でストーンヘンジの目視による射撃の為にプロペラを破壊するシーンでもメインプロペラを破壊してからは更に攻撃しようと特になにもなく。必要なのはメインプロペラの破壊だけだしそれ以外をしろとは言われてないのでサブプロペラの破壊による演出の変化が必要かといわれたらそれもそうだけど。(でも他のステージでは一定の条件を満たすと無線の台詞が変わったりするんだが)
M19ではようやくプレイヤーの手でアーセナルバードを落とせるがやっぱりAPSが来る。問題は王女様が電力の装置を破壊するまでAPSを張られるのだがこれがまた待ち時間と化している。とはいってもここは今までとは違い無駄な働きによる徒労感は無く、逃げたり取り巻きを攻撃したりAPSを張られてない時にアーセナルバードに攻撃を仕掛けてクリア時間の短縮に繋がったりと他と比べて無駄な行動にはならずそこまで事後のストレスや周回時のダルさは特に感じなかった(個人的に)。脚本ありきな構成なことには変わりないが。
演出とプレイヤーの技量が試されるのが両立しているというより演出で倒すのと技量で倒すそれぞれのステージが存在してどちらにせよ脚本ありきの構成で進むので素直に対アーセナルバードで1つのステージで時間待ちの無い技量を試されるようなステージが無いのは正直残念だった。
けどもストーンヘンジ対アーセナルバードの新旧超兵器の対峙には叫びそうになったしM19の演出は鳥肌が立ったのでネガティブな意見だけではないしむしろ演出の長所が際立っている。願うことならば常時MQ-101が凄かったり、パルスレーザーとレーザー全載せした本気のアーセナルバードと戦ってみたかった(M19の後半で妥協しろ)。
敵エースのミハイとの戦いについてはもうしつこく言ったしいいかって全然違う。M20でのラスボスであるADF-11Fフギンとムニン載せは正直ボスとしては一番成立してると思う。
というかこの2機とADFX-10にはなんと聞いて驚かないで欲しい。まさかの無敵時間なしなんです。ADFX-10はDLC機体のADF-11の特殊兵装であるUAVを使うとすぐ終わっちゃう。ラスボスである2機のADF-11Fは最初こそ遠くに居て狙おうにもどうにもできないので接敵から数秒〜数分は分からないが無敵時間による演出が普通に飛んでいてもそういうシチュエーションな台詞が見受けられないので恐らく無いのかもしれない。
でも機動はスカム機動で理不尽加速なんでしょ?はいその通り。しかしちゃんと対抗できる程度の機動で理不尽加速もあるけどそれまでの理不尽加速はステージ内での脚本演出のためにあったため不満が出たがラスボスの場合は狙った場所(軌道エレベーターのふもとや太陽の方向)に誘導するためにあるのでそこまで理不尽を感じないと言えば半分ウソ。もちろん無いほうがベストだけど大きい進歩。
ただしADFX-10の場合は機動の隙を突かなければならない。普通のドッグファイトで撃墜は無理だったりその理不尽加速が頻繁に起きるのであまりポジティブに捉えることは出来ない。その前に機動がボス機基準でもどうかしてるしなおさらストレスの要素が大きい。
でも機銃でミサイルを打ち落とすという手段は今まで見ない迎撃手段なので個性が出てるところにはとことん褒めていきたい。
理不尽機動に対抗するにはパーツでなんとかしなきゃ。今作でのパーツ機能がINF形式には最初関心を持ったがミサイルの性能の上昇がそこまで意味を成さない、LV.1のしか使えないとかの窮屈さと柔軟性が利かない部分もあるしそもそも機体ごとの個性が既に出ているし低性能の機体が強くなるといったこともないのならいっそパーツ機能をなくすかせめてINF形式をやめるかをするべきなのでは。
たしかにパーツ機能はマルチプレイで役目を果たしているがそれはキャンペーンと違ってLV3までの全てのパーツを使えるからであって、シングルプレイメインの作品でそうなるのは尚更訳が分からない。というかパーツで素のミサイルの威力を大きくしてもキャンペーンの上限であるLV1では3発当てる必要ある敵機に対して別に2発で済む訳でもないので必要意義が存在していない。
なら携帯機シリーズのようにそれぞれの部位ごとに一つずつ付ける形にして大きく性能が変わってメリットデメリットの両方を付けるようにしたほうがカスタマイズの楽しさや工夫の幅や快適さが増すのでは?
今作のこの強化がそこまで意味がないのは敵の動きが原因なのかもしれない。ミサイルの誘導と飛翔速度がぬるいし有効射程も過去作の900フィートから今作では600くらいになってるし機銃の当たり判定が過去作と比較してかなり小さいので攻撃を当てにくくこれのせいで調整として機動が過去作と比べて緩い調整になったんだろというのならそれは失望しかない。機銃の当たり判定とミサイルの性能をもう少し誘導と飛翔速度を少なくともエスコン5とZERO基準くらいに変えるだけでも快適さが段違いだしスピード感も増すと思う(あくまでモブ敵機らがもっと避けようとしたり速度を出せばの場合)。
6やAHほどとまでは行かないけど他作品と比べて誘導や速さが効かないし偏差射撃やDFMのような作品固有のシステムを活かす前提の戦術があるわけでもないので難易度調整のためにプレイヤーの機体の性能を下げられてるのではと勘ぐってしまう。
戦車が1発で撃破できる作品もあれば今作のように2発必要なこともある。航空機もA-10以外は2発のみで済む作品とMig-31やSu-34にも3発必要な作品もあるし無人機は1発で済むといったそれぞれの敵に耐久力での個性付けがされてるが正直そろそろ統一化してほしいがどちらにせよ賛否が分かれるんだよな。
あとは細かい部分でなら似たような爆撃機撃破任務が二つあるならどっちかに絞って欲しい、A-10が過去作と比べて対地もそこまで強くない、コクピット視点の視野角(見える範囲)を広くしてくれたら嬉しい、コクピット視点での注視でカメラが動く範囲が狭い、8AAM/8AGMの一つの目標に対して多重ロックは不要というか使いづらくなる、インターバルでの待ち時間がちょっと長い、などといった細かい不満点も多い。我ながら書いててかなり酷評してるように思うけど、既に何周したかわからないくらいプレイしているので過去作や理想と比べてしまうのよね。それ以前の足りない部分があるのも事実だけど。
でも主な不満点が改善されるとしても次回作いつでるんだよまた4年も待てってのか。そんなんじゃないのが救いだ。DLCミッションで改善されるだなんてたぶん誰も考えてなかったしビックリだよ。
キャンペーンDLC―正しい経験者向き難易度なこれがどうして早く出来なかった
いやほんとなんでこういう難しさを早く出せなかったの。敵機の動きが良くなったり色々な攻略手段を試せるし僚機が働いてくれてはそこからのダメージも多かったりと普段の状態での共闘してる感じは増してて、さらに敵キャラの説得力が増している。
たしかに3つのステージの中で大規模なスコアアタックが2つと超兵器戦が1つと周回のしがいがあるミッションだけなので本編より楽しいと思ってしまうのかもしれない。でも根本からして改善されてるのでたぶん贔屓目じゃないと思う。
主に改善されてやり応えが増したと思う部分は敵戦闘機のプレイヤーに対する殺意。本編では航空機はそこまでプレイヤー機を攻撃してこない印象が濃かったがDLCでは数の暴力と積極性が増したのかスリルが倍増している。とはいえ敵機を追ったら向こうは逃げの一辺倒なのは正直残念なところでもある。ドッグファイトで肝心なところが改善されてない。
じゃあ敵機との戦いはつまらないのかと言われるとそんなことは無い。DLC①では四機で何十機もの戦闘機の大群に対して持ちこたえてから増援の部隊と電子戦機のサポートで強化されるミサイルで一転攻勢。DLC②では奇襲で対地対艦攻撃で色々破壊してからエスコン7特有の濃すぎる弾幕と対空攻撃を掻い潜ってはやってくる敵機と戦ったり。敵機の動きではなくひとつのステージでの敵の動きや配置や量で攻撃のメリハリをつけている印象。とはいえDLC②でやってくる戦闘機は本編と比べても圧倒的に上手く避けたり攻撃の頻度も多く気を抜けない状況を作ってくれているしもしかするとエスコン7の中で屈指の難易度だったりするかもしれない。
それに潜水艦アリコーンの艦載機も無人機は当然のごとく、有人機ラファールも避けては護衛機に本編と比べて積極的に攻撃したりと精鋭という説得力を出せている。とにかく普段から出てくるモブ戦闘機からして本編とは比べ物にならない手強さが出せている。(でも通常ミサイルでの撃破に3発必要なのは勘弁な)
戦闘機といえばエースパイロット。ここで出てくるのはパンクロックバンドめいた髪型の姉弟ことミミック隊のレイジとスクリーム。外見は置いといて強さやそこの説得力はどうなのか。実は強さに関してはまずまず。というか過去作基準でもそこまで強いという雰囲気も無い。しかしそこが上手く汲めていると思う。
本編では『大空の王』で古きエースのミハイが主なエースだったがゲームプレイ内での動きは卑怯で不自然すぎる機動と加速、どれだけ当てても機体に影響が無いし時間と演出待ちになる無敵時間。プレイヤー機が離れていてもそんな追ってこない程度の積極性。あまりに不自然すぎるし最初は魅力的に思えて立派に強いと思えてもこの不自然な動きと演出のせいでやがて魅力やカリスマ性のメッキは剥がれ落ちていつしかゲームそのものへの評価に繋がるケースに陥った。
変わってこの姉弟は強さがそこそこというのを活かしてまず見え方に無理が無い鋭い機動と隙を補う連携とジャミングという小細工で追い込んでくれる。キャラクターの背景と動きに特徴が見えてくる。
次に待ってました有人機エースで無敵時間無し。確かに1度目の接敵では一定ダメージ与えるとロックが出来なくなりまだ機体が生きてるのに撃墜も出来ないが、追う必要も倒す必要も無いのでストーリー上では逃がしても問題が無い。撃墜しろって言われて攻撃を当ててもまだロック出来るのにダメージが通らなかったりで徒労に終わることも無い。敵の撤退の演出もダメージが一定入ればすぐロックが不可能になりプレイヤーは次の行動に移れる。同じといえば同じことをさせられるのに受けるストレスが全然違う。なんで本編でやれなかった。
たしかに物凄いエースだとこのような小細工やそこまで凄くない機動をされると肩透かしに繋がる。これを逆手に取ったことで却って上手く行ったのかもね。ゲームプレイを一気に白けさせるような演出が入るくらいならば魅力を損なわず相応の強さと小細工を出すほうが全然マシ。しかも撃退/撃墜にはプレイヤーの動きと技量が直接繋がっているので演出による時間待ちなどのストレスも皆無。
しかし小細工が人によってストレスになるようなロックオンの妨害だったり追われてる方がケツを必ず取ってくるような動きではない。
余談だけど普段の機動でも強く無敵演出入らない物凄い敵エースもやって欲しいがそうなると敵の動きのロジックなどの組み直しやゲーム内での戦闘機の根本的な動きどころかゲーム内での戦闘機の物理的な動きの見直しが必要なのかも?
次にアリコーン戦。DLC③で本格的に対峙することになるがこれがもう弾幕は当然としてギミックも凄い。対空攻撃に使ってもくるレールガン二つに艦の直上にUAVを飛ばして展開するバリアで飛行ルートや攻撃を妨げたり挙句の果てには素の中に戦闘機を放り込んでくるアグレッシブっぷり。こんなのあり?エスコン5の潜水艦コンビのアップデートともいえる(というか設定の時点で)。
しかも硬い、迎撃もヤバイ、ミサイルの数がとんでもない、時間かけたらジャミングも来る、と過去作の超兵器以上に殺しにかかってくる。作品を経るごとに超兵器は徐々にとんでもない攻撃をしてくるがその果てがこれなのかもしれない。
ストーリーはあまりに本編と雰囲気が違いすぎて風邪引くような温度差とハジケっぷりだが劇場版みたいなノリが良いしそういうハジケっぷりに満足できた。ストーリーというよりキャラクターによって成り立っていて支えられているようなもんだけど。
配信前からメインの敵キャラは『暗殺部隊の姉弟』と『史上最大の悪 艦長』という今までに無い設定を盛っていたり姉弟の方なんか髪型があまりにもパンクロックバンドめいていてどうやってヘルメット被ってんだと一部で話題にもなった。それでも肩透かしはなく期待に沿ってくれた。
まず姉弟ことミミック隊の二人はあまりにキレている言動と過去作のどこかで見たような戦法とジャミングを持ってきたり開発者出演の生放送で明らかになった本名がベルカ名めいていたり所属している組織がもしかして?と思ったら本当にもしかしてだったりと今後のわくわくが詰まってたりもしていた。あまりにエスコンらしくない外見と性格だったので最初こそ不安だったがキャラと出てくるシチュエーションと演出といい本編とは全然違う形ながら満足出来たのでエスコンスタッフの柔軟さにも驚いたりした。
そしてエスコン史上初めての変態枠、トーレス艦長。最初は04に出てたとある艦の所属でそこから徐々に狂っていった人なんだが、ここまでハジケてる人を作風が5周半くらい違う04から引っ張らなくても良かったんじゃないかなぁなんて疑問点こそあれど実際にこの人を見るとそれがどうでも良くなるくらい。実際、このDLCの魅力の4割がこの人で出来ている。
変態枠だったりイッちゃっている発言などが際立つが同時に悪と狂人と倒すべき敵としてのカリスマ性があり、そこの説得力があるキャラクターはエスコンで出たキャラとしては恐らくトップに出るだろう。殺傷に対しての向き合い方などもあるが個人的に素晴らしいと思ったのは絶対に目標に当たるとは思えない状態で主砲を撃つ場面にてそれでも当ててしまいそうな所に彼のカリスマ性と強さの説得力が集約されていると考えている。
プレイヤーが立ち向かうとんでもなく強い人間が空で戦う人ではないというのはエスコンでは初めてだったけどそこが上手く働いているのは演出が入らなくても手強いとんでも兵器を扱う人間だからというのもあるがその兵器を上手く扱いどんな状況でも対応出来る人間だからなのではないかと。しかし、その説得力も段階を踏んで時間を待つ演出によるものなので矛盾した答えになってしまうが自分の中で未だにそこの整理が付かないのが申し訳ない。
ちょっとした不満点を上げるならLRSSGから出る隊員が一つのミッションで少ないところかな。あと今後もこういうハジケた路線のキャラクターを出して欲しいというのは違う。
最後に
いかがでしたでしょうか。的外れだったり、「ここがおかしいぞ」って思ったり「自分は寧ろここが好きだ」とかって意見もあるかも。そこも共感か同情出来るので発売から1年経っても複雑な思いを持っている。
上げた部分はもしかしたらゲームとしては重大な欠陥ではないのかも。だがシリーズを通してプレイしてきた人にとっては好み云々以前に出来の問題で大概にして欲しい部分があったりするしそもそも人によってはエスコン7が根本的に合わない作品だったりもする。
十人十色の好みというよりシリーズ作品一つひとつがあまりにも毛色が違いすぎるからそれぞれのファンが好きな作品もバラバラ。その好きな作品の長所であった特徴をさらにブラッシュアップして出て欲しいと長年思っている人もいる。だからこそ自分の気持ちを出す意味があるんじゃないかと思ってこの記事を書いてみた。
とにかく、あまりにも売れたどころか当初の開発陣の予想以上に新規の人がプレイしてくれたようで次回作の希望が出たし実際もうすでに次に向けての展望も開発側にはあったりしてるっぽい。次回作があるということはエスコン特有の以前の作品にない独特の路線でファン全員が満足できる作品が確実に出ると言えるかは正直怪しいけど、また違う形で記憶に残るようなゲームを期待出来るし今までもそうだった。
なら気長に待って過去作を振り返ったり違う作品を見たり読んだり聞いたりプレイしたりしてまた新しいエスコンに複雑な気持ちを持っていきたい。
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