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外科医あっちゃん、幽患です! あっちゃんと真由エピソード0-1

僕(藤枝篤)には気になる女の子がいる。
高校の入学式のその日、僕の隣の席に座った掛川真由さん。

彼女からほのかに香るキンモクセイの香り、僕も大好きな香りだ。
だけど、彼女から香るキンモクセイの香りは、秋の庭に咲くその香りとは違うなにか、禍々しい香りがした。
コロンや香水なんかじゃない、それにかすかに・・・焦げ臭いにおい、血の匂い、事故現場のキンモクセイ?

沖縄嵐山展望台からの景色
フリー素材ばんない堂さんからお借りしました。

僕には沖縄でユタという霊能者をしていたおばあちゃんがいる。
父にはその能力は受け継がれなかったけど、僕にはほんの少しだけ感じるちからがある、こんな風にぼんやりとだけど。
おばあちゃんは、今僕の家族が住むN県にいる。
ユタのおばあちゃんは、沖縄の地元の人たちからも頼りにされる力を持っている。だから一人暮らしでもおばあちゃんの家には必ず誰かがいた。
おばあちゃんも最期は、沖縄でといっていた。

だけど、おばあちゃんは頼られたら、病気で体がいくらつらくても無理をしてしまう。だから父がN県の父の目の届く病院のホスピスに来てもらっている。おばあちゃんの大好きな海はないけど、澄んだ空気がとても気に入ったそうだ。


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