入院生活が教えてくれたこと 2回目


街のお医者さんに紹介状を国立病院あてに書いてもらい、病院に行く頃には、私の目はだんだんと吹雪の中にいるように視界がかすんで見えにくくなっていた。緑内障で視野が欠けている友人が、私はこの病院慣れているからと、付き添ってくれた。
最初は緑内障だと思っていたので、友人の担当医に相談するつもりであったが、紹介状を見た国立病院の眼科では、白内障が専門の医師が見てくれることになった。
「森さんの場合、脳のMRIを撮って調べた方がいいですね」
そして脳外科の医師に連絡を入れてもらい、別の日にMRIを撮った結果。
顔面に広がる腫瘍(悪性の腫瘍ではないので取り除けば大丈夫とのこと)
「これに圧迫されて右目の神経はつぶれちゃったんだね。左目を助けるためにもすぐに手術した方がいいね、ただうちの病院では設備がないから」
と、別の病院での手術を受けるように言われ、全身麻酔になる手術なので、独り暮らしの私は、手術に立ち会ってくれる姉のいる千葉県鴨川市の病院に移ることになった。

みえない上に、元々の持病で歩行も杖がないと歩けない私、姉と義理の兄に迎えに来てもらって、転院し、実家近くの病院で手術となった。
最初の大学病院ですぐにMRIを受けていたら、私の腫瘍はもう少し小さかったのかななんて、そんな思いも頭によぎった。
「腫瘍が大きくなっているから、完全に視力が戻るとは保証できない」
国立病院の担当医に言われ、千葉県鴨川市の病院でもそういわれた。

全身麻酔をするのには、体が全身麻酔に耐えられるか検査が必要とのことで、5日間の検査入院をすることになった。

この検査入院で、私は素敵な人たちに出会うことになった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?