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母体

車の点検の待ち時間
我が家にはないテレビに
ついつい目がいってしまう

鯖寿司について
京都の方が品のある関西弁で説明してくれてるんだけれども
施す調味料について

「保存をさせるために美味しくなったのか、美味しくすると保存ができるようになったのか、、、」

と言っている。
鯖寿司の背景を想像しながらも

そのような事って

日々の中にたくさん問うことがある。

・部屋が汚いからイライラするのか
イライラしてるから部屋が汚いのか

・気を使うから疲れるのか
疲れないために気を使うのか

・生きるために死ぬのか
死ぬために生きるのか


どっちが先なのか、、、。
どちらの種も
ムクムク出る。

哲学と生物学的にと
エゴと理想が激しく交差する。

すんなり解けるものではないから
常に思考する。

-妊娠-

一番近い記憶だと
次女。

足が地面に着いてるのか
着いてないのか
浮腫みすぎてウォーターベッドになったような
皮膚にまち針を刺したら
ピューと体液が出てきそうな身体

個人差はあるにしろ
生理前のダルさに、微妙な何かが加わった感じ。
うまくは言えないけど新しい命の気配なのか。

薬局で買う検査薬。
陽性。

望んでいたし
おめでたい事なんだろうけど
なんとなく
後戻りの出来なさに尻込みする。

環境は整ってるか
今の私に産む資格はあるのか
経済は、仕事は、どこで産むのか、、、。

考えることを後回しにしてきたものが
瓦礫のようにガシャ!と私に降り注ぐ。

何事もなければ
10ヶ月の短期決戦。

そして身体の変化がすごい。
カエルだ、、、。

割と体型にコンプレックスを抱えているタイプの人なので
さらに加速して
精神衛生は最悪。
浮腫みなのか脂肪なのか
太ってしまい歩くときに内ももと内ももが擦れる。
身体が変わるという事だけで
崩れた瓦礫に目を向けるメンタルも削がれる。

若干の潔癖なので
熱があっても家事をするタイプだけど
けど

けど
一日中何も出来ない。
こういった時にSNSは情報過多で苦しい。
何も出来ないことへの苛立ちと焦りで
役立たずだ、、、なんて思い込んでいた。

そんな時こそ音楽をかけてドライブして
お金のかからないリフレッシュを求める

マイノリティであったり
育ちだったり日常の中の事や思いを過剰に
脚色されずに綺麗すぎないリアルが歌詞のジャパニーズヒップホップが好きだったんだけどビートでえずく。
(ポエトリーラップはいける)

胃液が上がる、、、。
これは音楽悪阻なのか、、、。

私のリフレッシュは何処へ、、、

-怒る-

全てはホルモンのせいにしてしまえば良いのさと思うんだけど
情緒不安定で
怒りたいから怒ってる現象が多々おきる。

パートナーが特にムカつく。
この苦しみを分からず
言い御身分だこと、、、
なんで自分だけが、、、と思う。
当時の手帳のメモに

【そんなのほほんとしてる暇あるなら
床板の隙間の埃でもとっとけよ。】

と、愚痴のようなものが書かれていた。

アステカ式出産が可能であれば
したかった、、、

怒りの感情と親和性の高い妊娠期間
(私は)

世の仲良し夫婦はどう過ごしているのか。
毎月の生理だけでも振り回されて
しんどいのに出産まで、、、。
理不尽じゃなかろうか。
もう私は
タツノオトシゴと結婚したい、、、
(と思ってた)




【苦しみを分かってよ!】
と訴えるものの

【分かってるよ】
と答えれば
嘘つくんじゃねぇ!分かってたまるかよぉ!
ごるるぁぁぁ!

と、なるし

【理解できないよ】
と答えれば

ふざけんじゃねぇ!学べ!調べろ!寄り添え!
今すぐ目の前で鼻からスイカ出してみろよぉ!
ごるぁぁぁぁ!

と、なる。きっと正しい答えはない。
難解だ。
丁度、この記事を書いてる時に友人に
妊娠中にパートナーに共感を求めたか聞いたら
【別の身体だから求めたって無駄だから、、、】
って随分できた事を言ってて
自分のエゴを確認した。
けど、、、
コントロール出来ないじゃんね。
だってほら
ホルモンのせいだから。

-臨月-

いよいよ動けない
収入もない。家族で月額9万円生活。
山菜を採って天ぷらにする。

だるい
暇だけどSNSを見るとキラキラ子育てがあって
とてもそんな共感出来ないし

デジタルデトックスをする。
本も頭に入らない。

目の前の事をこなすしかない。
ヨイショォ!ォイショオ!とツナギを装着して
畑に入る。
畝を確認しながら歩く。しゃがむ。
「ふぅ、、ぅあ"!!!!」と勝手に出る
圧迫された時の声と胃液。

ますますカエルのようになる。
よくパートナーが後ろから抱き抱えて
お腹丸出しにしてイラストを描きつつ
ホワン○というような素敵なマタニティフォトがあるけど
あの雰囲気と心の余裕はない。
増える体重に反比例して自尊心はどんどん削られていく。


二度と産まねぇ。
子供が生まれたらどうなるんだろう。
不安に押しつぶされそうになりながら
涙を液肥に畑にいそしむ。


タスクを書き出し
もらえる助成金を把握して
こなす、申請する。

母性がちゃんと
出てくるか不安になる。
お腹の位置が変わっていく。

そして毎日
畑が
「愛着障害なる前に、いまのうちやっとけよー」
と手招きしている。

畑に行かないと
生きてる意味なんてないんじゃないかという気持ちになる。

次女は魚座。
4月から何がなんでも始まる藍の収穫のために
前準備は終わらせなければ、、、。

-目の前の事-


無印良品のような素朴な顔立ちなのに
綿や麻はあまり好まず
ポリエステルのプリプリなピンクのプリンセス服3枚重ねの次女。3歳。もうすぐ4歳。

最近の口癖は

「人間って気持ちは変わるもんだよ」
「人間って頑張って許さないといけないんだよ」
「ママって怒る時も優しい時もあるけど人間だからだね」

と、やたら3歳のくせに
人間人間していて面白い。

今、目の前で
スクランブルエッグをパンに乗せて食べたいけど
どうしてもスクランブルエッグがパンから落ちるから固定して口に運んでと催促する。

身長はあと1cmで100cm

振り返れば、妊娠中の自己肯定感の無さと
奇妙なマインドはなんだったのかは
分からないんだけど

ヨナグニサンのように
成虫になってから口も退化して
1週間の時間の中で繁殖を徹底しているわけじゃなくて
私が産まれてから死ぬまでの過程の中で

様々な選択があって
その一つのチョイスとして2人の子を産んだんだけど

不確かで平衡感覚の揺らぎがある人生に
物理的にも抽象的な意味においても
断片的に体感させてくれる存在になった。

私も出産頑張ったけど
娘も頭蓋骨を変化させながら共に頑張った同志みたいなもの。

ありがとう〜

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