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2018年の音楽と映画レビュー

モルグモルマルモのメンバーが、2018年の音楽と映画それぞれでよかったものを三作ずつあげてみました。

■藤谷
○MUSIC
・本日休演 - アイラブユー
ロックの名盤誕生!古いサウンドと新しいリズムが見事に融合している。どうやってやってるんだろう?と不思議に思う。メンバー全員のセンスのよさと遊び心がとてもよく発揮されていて、(岩出お得意の)「ニヤリ」とした表情で、エモーショナルな作品を突きつけられました。

・中村佳穂 - AINOU
ポップスの名盤誕生!一曲目からずっと、「この曲がいいんだよ…」と言っていたらアルバムが終わってしまった!曲順もアレンジも歌も演奏も完璧。
初めて観たとき(2014年ぐらい?)からずっとすばらしかったのですが、ここまで到達するとは。まだまだすごいものを聴かせてくれそう。

・折坂悠太 - 平成
これも素敵なポップス!言葉とアレンジが特に気に入っています。今年はライブも観てみたい。

○MOVIE
・生きのびるために
タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、タリバンに連れ去られた父親を探す女の子が主人公のNetflixオリジナルのアニメーション作品。イスラム世界の女性が生きることの現実が描かれている。僕はまったく知らないことばかりで衝撃を受けた。他者を無意識に踏みつけてしまわないように、知っておかなくてはならないことがたくさんある。

・タクシー運転手
1980年に韓国で起こった「光州事件」を描いた作品。この事件もまったく知らなかった。軍隊による市民への暴行や、情報規制によって報道ができなかったことなど、いまでも韓国のデモがエネルギッシュなことの背景には、こうした裏切りを忘れていないこともあるんだろうか、と思いました。

・リメンバーミー
映像がすごく綺麗で驚いた。現実よりも映像のほうが出せる色が多くなる日も近いのではないかと思った。曲がとてもよくて、「Remember me」を弾き語る練習ばかりしていた僕は、ライブのときに自分の曲の歌詞を忘れる情けない事態にみまわれました。Remember me…と自分の曲に言われた気がしました。

■石像
〇MUSIC
・The Fearless Flyers - The Fearless Flyers
アメリカLAのミニマルファンクバンドVulfpeckのサイドプロジェクトです。この2年くらいVulfpeckが大好きでソロ作品も含めて聴き漁っているけど、今作の勢いはとにかく半端ないです。ドラムのNate Smithが無茶苦茶なグルーヴで叩きまくるし、ギターとベースのキレもずば抜けています。そのうえでどの曲もすごいキャッチーかつ(良い意味で)バカっぽい。唯一無二のポジションを築いています。

・Tigran Hamasyan - For Gyumri
アルメニア出身のジャズピアニストです。最近は故郷のアルメニアにインスピレーションを受けた、とても美しいメロディーのピアノソロ作品が続いています。2017年には「An Ancient Observer」という傑作ソロアルバムをリリースして、日本ツアーでは屋久島でのピアノソロ公演をやってくれました。頑張って観に行きました。今作はその続編的なEPで、よりアンビエンスな印象が強いです。相変わらずの超絶技巧も面白いけど、とにかく空間的な美しさが光っている作品です。

・August Greene - August Greene
ラッパーCommon、キーボードRobert Glasper、ドラムKarriem Rigginsというアベンジャーズのような全世代対応型の最強グループです。独特のグルーヴのドラムが超気持ちいい。聞いた瞬間に今年のベストは決まりだと確信しました。NPR Music Tiny Desk Concertという企画がYou Tubeで配信されていて、そのライブも超最高なのでチェキラ!

〇MOVIE
・パディントン2
パディントンのしゃべり方と振る舞いがいちいち笑えます。ストーリーは大したことなくて、展開が読めちゃう感じではあるけど、それでも飽きずに観られます。なんだかんだで感動しちゃいました。パディントン1より断然おススメです。そういえば、1で何回も「暗黒の地”ペルー”」と言ってたけど、2で言わなくなったのはペルー側から苦情が来たのかしら?

・タクシー運転手
藤谷君と被ったので違う角度からコメントします。町山智浩さんは「ボヘミアン・ラプソディー」をポエティックライセンス(詩的な許容)と言いました。ポエティックライセンスとは、この場合は、作品としての完成度を上げるために事実を多少変更することを認める姿勢のことです。同じことが今作にも言えると考えています。普通のおじさんが、悩みながらも、弾圧される市民を助けるために立ち上がる、熱いストーリーへと凝縮されています。宴会で青年が歌うシーンがとても良かったです。なんだか熱い気持ちになりました。

・ザ・プレデター
まず言いたいのは、主人公がまったく冴えないこと。映画が始まって「あー、こいつすぐに死ぬ雑魚キャラだ」と思うような人が主人公なのです。その後も個性的な仲間たちが増えるのですが、これといって魅力的なキャラがいないためか、2~3人死んでも誰が死んだのか区別できません。異種配合した最強の「アルティメット・プレデター」も出てくるのですが、こいつも全然冴えません。旧シリーズのプレデターのほうが強かった気がします。というように、突っ込みどころは無限にあります。次回作はSF超大作アクションに期待か?

■宇宙(MUSICのみ、2018年リリースでないものを含む)
○MUSIC
1.UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA - sex&food
アンノウン・モータル・オーケストラの新作。ニュージーランド出身のルーバン・ニールソン(gt/vo)を中心に、ポートランドを拠点に活動。『ローファイなサウンドで奏でられる極上サイケデリアで絶大な人気を博す』と、プロモーションでは書いてあったが本当に人気なのか?と思いながらも向かった9/23渋谷での来日公演は大変に良かった。サウンドメイク、曲、ノリの面で好きになるバンドが少なかったので今年はこの一枚で一人で盛り上がれた。

2.ゼノギアス - サウンドトラック
クロノ・トリガーの音楽でその存在を知った光田康典氏がゲーム「ゼノギアス」の音楽も作ったと最近知ったので聞いた。ゼノギアスというゲーム自体プレイしたことはなかったが、プレイ動画等を観ることでより場面毎の音楽の良さを知ることとなった。特に宗教臭い曲は全部好き。

3.Blind Blake - KING OF THE BLUES: VOL.2
原点回帰。元々ブルースは好きでよく聴いていたがラグタイムブルースは全く知らなかった。ラグタイムは1897〜1918年頃にかけてアメリカを中心に流行したジャンルであり、ピアノ中心のアンサンブルというイメージがあった。ギターではブラインドブレイクという名前通りの盲目のおっさんが有名だと以前小耳に挟んでいたことを思い出して聞いてみた。予想通りのナイスグルーヴ。この年代によくある「ギターと歌一人でやっててノリノリな感じ」のヤツはだいたいアタリで、間違いなくブラインドブレイクのこのアルバムもその一つ。レコードの質感、リズムがどんどん早くなる点も含めて楽しく聴ける一枚。

■深田(MUSICのみ)

○MUSIC

・Pond-The Wether

・Yumi Zouma-EP III

・illuminati hotties-kiss Yr Frenenies

CDは買ってません。全部Spotifyで探して聴いてます。日本のバンドではコレクターズとキングブラザーズを聴いてました2018。

以上、モルグモルマルモでした。

2019年はどんな名作に出会えるか、楽しみです。モルグモルマルモも音源を作ります。名作を作るぞ!

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