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哲学・思想

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主に自分が書いたブログから転載、編集した文章です。
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#無限論

アンリ・ベルクソンと神秘主義

「神秘主義思想史」に書いた文章を転載します。 アンリ・ベルクソン(1859-1941)は、一般に、「生の哲学」とカテゴライズされる潮流に属する、フランスの大哲学者で、「生命の飛躍(エラン・ヴィタル)」の概念が有名です。 ですが、彼が作った「持続」、「強度」、「異質多様性」、「潜在性」などの独特の概念は、ジル・ドゥルーズが引き継いだように、ベルグソンは真に現代的な存在論・形而上学を切り開いた哲学者として、再評価されています。 また、あまり知られていませんが、ベルグソンは、

カントールの無限論と数理神学

「神秘主義思想史」に書いた文章を少し編集して転載します。 「無限論」や「集合論」の創始者として知られるゲオルグ・カントールは、現代数学の父です。 彼は、それらを、単に数学であるだけでなく、「神学」であり、「哲学」であると考えていました。 そして、彼は、「集合」を「イデア」であると考え、「無限」を「神」、「無限論」を「神学」であると考えていました。 ですが、「無限」に「大きさ(階層)」の違いを発見した彼の理論は、神秘主義的です。 数学と物理学の神秘主義 自然科学にも