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哲学・思想

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主に自分が書いたブログから転載、編集した文章です。
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#ノヴァーリス

アンリ・ベルクソンと神秘主義

「神秘主義思想史」に書いた文章を転載します。 アンリ・ベルクソン(1859-1941)は、一般に、「生の哲学」とカテゴライズされる潮流に属する、フランスの大哲学者で、「生命の飛躍(エラン・ヴィタル)」の概念が有名です。 ですが、彼が作った「持続」、「強度」、「異質多様性」、「潜在性」などの独特の概念は、ジル・ドゥルーズが引き継いだように、ベルグソンは真に現代的な存在論・形而上学を切り開いた哲学者として、再評価されています。 また、あまり知られていませんが、ベルグソンは、

ノヴァーリスの魔術的観念論

「神秘主義思想史」に書いた文書を転載します。 ノヴァーリスことフリードリヒ・フォン・ハイゼンベルク(1772-1801)は、「青い花」や「夜の讃歌」、「ザイスの学徒」など作品で、ドイツ・ロマン主義の代表的作家の一人として知られる人物です。 ですが、当時の思想家・作家の中で最も科学に精通した人物でもあり、また、哲学的思想家でもあり、神秘主義的な傾向も持っていて、自らの思想を「魔術的観念論」と称していました。 ノヴァーリスは親交もあったシェリングと同世代の思想家であり、同じ