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読書感想文 1冊目 小林泰三「海を見る人」

初の読書感想文です。拙い文章ですが読んでいただけると嬉しいです(⁠•⁠‿⁠•⁠)


今回紹介するのは小林泰三さんの「海を見る人」です。
この作品は7作収録された短編小説で、デビュー作の「玩具修理者」や次作の「人獣細工」のようなホラー要素はまったくなく、どちらかといえば恋愛とSFを合わせたような作品に仕上がっています。

と言ってもかなり理系な作品のため、物語に登場する「波動関数」や「粒子テレポート」の説明などは殆ど読むというよりは、文字を見ていたと言ったほうが適切かもしれないです(笑)

でも物語は面白く、特に2作目の「独裁者の掟」や「門」のラストには本当に驚かせました。

そういえば少し前に、この作品に「恋愛とSFを合わせたような〜」と書いてましたが、な恋愛を強調するような言葉を使うのか、それは小林泰三さんは「肉食屋敷」解説で、田中啓文さんにこのようなことを書かれているからです。

「妻への三通の告白」は、ラブストーリーである。小林泰三は、愛の物語すらこのようないびつな形でしか書けないのだ。不幸な男!(本文より抜粋)

少し「海を見る人」から話を脱線させていただきたいのですが、
肉食屋敷は4作品目の短編小説で、4つの物語で構成された作品です。その中の3番目の作品に先ほど書いた「妻への三通の告白」があります。

詳しい内容は、また読んでから改めて紹介したいと思いますので今回はざっくりと紹介します。
癌を患った老人の主人公が妻に手紙を書く話。と言えばただの恋愛小説ですが、段々といびつになるのがこの作品のホラー要素。
「妻への三通の告白」を読んで面白いと思った人は、ぜひとも大石圭さんの「アンダー・ユア・ベッド」を読んでいただきたい。純度100%の恋愛小説なので(笑)

長くなりましたが、そろそろ本題に入りたいと思います。
全て紹介するのも大変なので、特に面白かった作品を選んで紹介したいと思います。

・時計の中のレンズ
・独裁者の掟
・天獄と地国
・キャッシュ
・母と子と渦を旋(めぐ)る冒険
・海を見る人
・門

もちろん表題作の「海を見る人」は面白かった。でもそれ以上に面白かったのは「独裁者の掟」でした。

私は理系ではないので、時間の進行が異なる世界の説明や、ブラックホールの粒子学を分かりやすく教えてと言われても無理なので、そういうところは飛ばしていこうと思います。

まずは「海を見る人」から
(この時点で文字数1000文字近いってどういうこと(笑))

今作は哀しい恋愛SFで、時間の進行速度が違う男女の恋愛を描いた作品です。
主人公は遠眼鏡で海を眺める老人に話しかけたところから始まります。

なぜ老人は海を眺めているのか、それは海に漂った少女を眺めているからです。
ここだけ聞けば老人はロリコンですが、それにはちゃんと理由があります。

老人がまだ13歳の時の話、山の村に住む老人は、浜の村から美しい少女「カムロミ」に一目惚れしました。
なんとか気を引こうとして話しかけますが、逃げられてしまいそれでも諦めきれなかった当時の老人は、何度も声かけをして何とか話すことができて、山の村を案内しようとしたが、カムロミの父親と鉢合わせにあってしまいました。2人は来年会う約束をしたが、山の村と浜の村では時間の進行度が違うのです。なぜなら山の村の2年は、浜の村の10日あまり。浜の村の1年は、山の村の100年にあたるからです。

老人は2年後、カムロミと再会することができました。しかし、浜の村にとって10日しか時間が経っていないからです。
そしてカムロミは、法被を貸してほしいと言います。女性から男性に法被をを貸してほしいと言うのは、山の村の習慣で求愛行動なのです。

どちらかがその村に住んでも、自分の親よりも早い時間速度で過ごさなければいけない。でも2人は一緒に過ごしたい。まだ子どもの2人は周りの反対を押し切ってでも一緒になろうとしましたが、それは叶いませんでした。なぜならカムロミは、海に落ちてしまい、浜の村にいた時よりもゆっくりとした時間を生きていくことになってしまったからです。
カムロミのいる場所は老人からして、一呼吸分が山の村の一世紀に当たる場所にいるからです。
しかし、それでも老人は海を見続ける理由は、カムロミは老人から借りた法被を着続けているからです。


なんか読書感想文というよりは、作品を端的に紹介したような内容になってしまいましたね🤔

けして二人は結ばれることは無かったですが、お互いに心は繋がっている。老人が遠眼鏡でカムロミを見続ける限り。

次に「独裁者の掟」です。
今作はミステリー小説です。総統はなぜ独裁者となってしまったのか、世間知らずの少女は残酷な世界で何をみたのか。

最後のページに思わず本当に「えっ!」と声を出してしまうほどに驚いてしまいました。
はたして独裁者の行いは善なのか悪なのか。もしこの本を持っていて、まだ読んだことがない人はぜひともこの話を最後に読んで頂きたい。


終わりに(反省なので特に読む必要ないです)

最初は読書感想文として書いていたが、話を端的にまとめた文章になってしまって申し訳ないです🙇
「海を見る人」はまだ読書感想文としてなりなっている?かもですが、
「独裁者の掟」は完全に読書紹介になってしまいましたね🥲
出来れば実際に読んでもらいたい。そんな感じになってしまいました。

次回は読書感想としてではなく、読書紹介として書こうか迷い中です。

慣れない上に思っていた以上に長文になってしまいましたが、次回はもう少し文章をまとめられるように気をつけたいと思います。

ここまで読んでいただけた方、途中で読むのをやめた方もありがとうございました🙋


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