元親父とビデオカメラ

元親父は、ビデオカメラも大好き。

ビデオカメラは昔は全く軽量化されていないので肩に担ぐぐらいはある。

車で旅行の時も

「俺はこれを持つから」

などと言い自分の荷物を全く持たない。

私たち姉妹はかなり幼かった時期は、元母が4人分の荷物を運んでいた。(さすがに学生時代は持ったが)

そして元母が荷物を持つよう文句を言うと

「わかったわいやっ!」

と持つは格好をする。

しかし旅館に着くなり

「あ!先に行っといて!運んどいて」
とグズグズし、出来るだけ運ぼうとしないようにする。
元母も
「荷物を置いておくから後から持ってこい」
と言えば良かったものの、
プギャーされるのが嫌でスゴスゴ運んで元親父の言いなり。


元親父のビデオ撮影は完璧でないとダメらしく、
まず看板や建物の撮影から始まる。

そして入り口から私たちが入るところから撮影開始。
うっかり歩くスピードが速かったり
私たちの方が早く入場していたりすると


「ああああっ!もうっ!もう一回入り口から入ってきてやり直して!もう一回歩いてきて!」

と何度も歩き直しさせられるクソ芝居をさせられる。
茶番にもほどがある。


まあ幼かった時期はある程度言うことを聞いていたが、
ある一定の年齢になると流石にうっとおしくなり
私たちも嫌になる。

「はあ?どうでもいいじゃん。さっさと行こうよ」

となると元親父、

「ああああっ!人がせっかく撮影してやっているのにっ!プギャーっ!」

と激怒。
その旅行&行事中はずっと不機嫌。
知らねーよ(笑)。


ちなみにここまでビデオカメラ命の元親父、
運動ができない私の運動会は嬉々としてと撮影に来たが
得意の吹奏楽演奏はほぼ撮影に来なかった。


…運動が大の苦手の奴の運動会撮影して何が面白いのか?

音楽関連撮影する方がお互いの為に良いだろうに、とずっと思っていたので
学生時代、ある日聞いてみた。
すると


「子供の事をを思って撮影したのに!傷ついた傷ついたプギャー!」

元親父の「傷ついた」は聞き飽きた。

お金は大切に。