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【Leicaな日々#8】悟空のきもちはなぜ人気なのか

銀座に来ております。

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今日は曇りがち、でも雨は降っていません。

いつも通り自転車で来ております、途中友人から今日東京夜から土砂降りらしいよ?という全く嬉しくない情報を仕入れ丁度かっぱを持っていなかったので(今はもうかっぱなんて言わないんですかね?)無印のレインコートを調達。

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これ。最近のかっぱはオシャレになったんですね。

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夕方過ぎの銀座は人もまばら。

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所々青空が垣間見える。本当に雨降るんだろうか?

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水とみどりの課

なんかかわいい。ひらがなってなんか優しい感じになりますよね。

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帽子を被った交番、お巡りさんは席を外していました。

悟空のきもち

数年前から噂に聞いていたドライヘッドスパ、「悟空のきもち」皆さんはご存知だろうか?

〜悟空のきもちとは〜

日本初の頭のほぐし専門店として2008年京都に開店。ドライヘッドスパの最高技術、ヘッドマイスター店舗として大阪心斎橋、大阪堂島、東京銀座、東京原宿神宮前に展開。薄い頭筋膜をとらえる無水ヘッドスパとして、年々改良をつづける「21の手技」をはじめ、「大人を眠らせる技術」・通常の安堵型睡眠と違い、快感の絶頂で眠りに落とす「絶頂睡眠」が評価を頂き、クチコミで人気が拡大。

※悟空のきもちHPより引用

予約は6月1日現在東京銀座店に関しては予約可能な11月まで新規受付は全てキャンセル待ち状態、冷静に考えると凄まじいですよね。

数年前からあそこはすごい!と多方面から話を聞いており行ってみたいなーと思いながらも予約がとれず頭から離れていた時にとあるツイートが目に入った。

※ツイートの掲載はご本人に了承を得ております

このツイートによりまた悟空モードが再燃、HPをみて予約状況を確認する。

案の定東京は2店舗ともにノーチャンス、せっかくなのでHP内をウロウロしてもう一回予約状況確認するとリアルタイム空き枠状況のテロップで銀座店空きが出ましたと・・・・!

奇跡的に予約することができました。それくらい本当に予約取れないんです。

こうして予約取れただけで人に話したりnoteに書いている時点でお店の勝ちですよね。

いざ、悟空のきもちへ

※これから書くことは店舗型のサービス業で独立し8年目のしがない経営者の勝手な個人の感想と考察になります、正解も不正解もありませんのであしからず。

また、店内の撮影に関してもお店より許可を頂いて撮影をしています。

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さて、いよいよはじめての悟空のきもちへ。

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今回私が行く店舗は銀座店。

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エレベーターへ乗り店舗のある10階へ向かうミズノのジャージ上下でカメラを持つ不審な人物。

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エレベーターから出ると目の前には1Pソファが二つ。ラグジュアリーな空間が広がる。

そして入り口のある左手を見ると、

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威圧感!

大仏好きの私としてはたまらない。これだけでテンションが上がってしまう。

入り口でどうすればいいか分からず立ち止まっているとスタッフの方が優しい声で声をかけてくれた。

受付へ案内され予約の確認をした後マッサージにおける説明を聞く。

今日の体調、触られたくない場所、怪我などの有無はじめこちらが聞こうかな?と思っていそうなことを穏やかな表情でテンポよく説明、ヒアリングしてくれる。

この時点でほぼ不安は解消されている。同時にここのお店は接客レベルが非常に高い、質の高い研修をしっかりと行い従業員の方も自分の役割をちゃんと理解しているんだなと感じた。

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受付を済ませいよいよマッサージへ、この扉の向こうで行われる。

どんな場所なのか、ワクワクしながら向かう。

ここでスタッフの方から一言、

「とても暗いですが段差などはありませんのでゆっくりお進みください」

「ここから先はお休みになっているお客様もいるので聞こえにくいかもしれませんが小声で会話させていただきます」

「はい、わかりました」自然と小声で返事をするおじさん。

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扉の中に入ると幻想的な世界が広がる。一番奥に見えるのは三蔵法師だろうか。

視覚や聴覚への刺激による脳内変換というものはとても偉大で、この時点で私はすでに今から未知の体験をする。これがなかなか予約が取れないお店か、と勝手に色んな想像や期待をしている。

両サイドにマッサージを行う個室が並んでおり私は一番手前の部屋へ案内された。

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ほぼ真っ暗なお部屋にライトが一つ。

上着を預け、Tシャツになりアクセサリー類を外して椅子に腰掛ける。

※マッサージを受ける際の格好に関しては衣類の貸し出しもあるようです、マッサージによってシワが気になったりする洋服の場合などは借りる方もいるのでしょう。

マッサージ開始

椅子に腰掛け、オットマンに足を上げ少しずつ背もたれを倒していく。

まず初めに指圧のチェックということで肩や頭皮を押してもらい強弱に関してヒアリングされる。

そこからいよいよマッサージスタート、生まれて初めてのヘッドスパ。

クチコミや知り合いからの情報だとほぼ寝てしまって気づいたら終わっていると聞いていたので逆に私は寝るまいと意気込んだ。

元々私は外で寝るのが苦手で飛行機や新幹線でもあまり寝れず、普通のマッサージでも寝たことがない。

マッサージが始まり肩、首、デコルテラインをほぐしながら進んでいく。

この時もう「無」だ。私の得意な「無」とても心地いい。

そこからいよいよ頭に移っていく、21の手技といわれている技法を堪能すべく顔にかけられたタオルのしたで今どのようにやっているんだろう、おぉそこはいい!などと考えている。

夢見心地のまま何分経ったんだろうか、次の瞬間小声で

「お疲れ様でした、マッサージ終了となります」


・・・・・・?

どうやら眠っていたらしい、いや、半寝か?起きてたはず。

少し動揺した気持ちでありがとうございましたとお礼をいう。

顔にかけられたタオルを取った時に衝撃が起こる。

マッサージ前に入った時はほとんど何も見えないくらい暗く感じていた空間がやけに明るく見える。

目が慣れたのか、タオルをかけられ真っ暗な状態からの差なのか分からない。でも明らかに明るく、鮮明な光景に映った。

もちろん頭はスッキリしているし気分はとてもいい。同時に寝てしまい悔しい気持ちもあった(笑)

休憩スペース

マッサージが終わると休憩室へ案内される。

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とても静かで清潔感のある空間。

ここで今日のマッサージが一通り終了したこと、そして一枚のアンケート用紙を渡された。

一般的なアンケート用紙だ。マッサージに対する満足度やお店の雰囲気、接客態度などいくつか項目がある。

一点だけ違う箇所があった。

一番下をみると数桁の数字が記載されており、その上に「本日有効な予約受付番号」と記載されている。

アンケート用紙の簡単な説明の後、この数字についても説明があった。

次回のご予約をお取りになる際は本日お帰りになるまでに後ろの予約受付機にてご予約ができるようになっております。
その際に受付機に入るための番号が一番下にかかれておりますのでお帰りになるまでにご検討くださいませ。

最後の挨拶を済ませ、スタッフの方はごゆっくりしていってくださいと部屋を出ていく。

なるほど、そういうことだったのか。予約がとれない、そしてキャンセル待ちが60万人いる理由がわかった気がする。

少し整理をしてみる。

・予約できるコースは基本的に60分7000円コース
・新規顧客として予約をするのは超難関
・一度お客になれば次の予約を取れる権利がその日だけ生まれる
・ドタキャンしたりその日予約を取らなかったら次いついけるか分からない

これだけ見ると他の店舗もやってるんじゃない?と思うだろう。

ここからは順に個人的な感想と考察を踏まえて書いていく。

ディスカウントなどは一切ない

よくエステなどでみかける手法で一度安い金額で体験し、今日申し込めば入会金無料ですとか、何回まではこれだけ安くなりますなどという営業手法を受けたことがある人は少なくないはずだ。

まずこのような営業は一切ない、コース、金額も全て一律だ。そんな手法を使わなくても大丈夫とい自信が見受けられる。

新規予約を取る難しさとその日だけ生まれる予約権利

これはそのまま、新規予約のキャンセル待ちが60万人。運が良ければすぐ取れるしタイミングや日程が合わない人は1年経っても取れないだろう。実際来店後の次回予約のシステムのスケジュールを見ても6月は全て埋まっておりその後も空いてる日はまばらで時間帯も少ない。

予約システムを使っている人ならわかるがあえてダミーで予約を埋めて人気店を演じることは容易にできる。しかしそんな手法は自分の首を絞めることになりかねない、予約ができない=売り上げが立たないのだから。別に収益が立つ事業が複数あればまだいいのかもしれないが。

上記のことから新規で予約が取れたらそれはもうその時点で大興奮なのである。

やっといけるー!やっほーい!みんなにつたえよう!自慢しよう!wという感情が少なからず出てくるのである。

さらには3回目の次回予約の際は本人の予約で2名分の予約をすることができる。

なかなか予約が取れない中行きたいと思っている友人や意中のあの子に俺、取れるから取ってあげるよってドヤれるわけです。ヒーローになれます。三蔵法師だと言われます。

せっかく掴んだこの権利、簡単に手放すまい。それが常連客を生み出す一つの要因なような気がする。

顧客自身で判断させる

さて、この休憩スペースでアンケートを取り、説明を受け後ろに構える予約システムで次の予約を取るか否かを決めるわけだがこの判断をする時、スタッフの方は一切いない。

どうぞ諸々判断した上でゆっくり考え結論を出してくださいという状況だ。

ここでもしスタッフの方が隣にずっといて、いつなら予約できますよ!どうしますか!ここで取らなかったら次はまた新規でキャンセル待ちをしていつ取れるか分からない状況になりますよなどという営業を受けていたらどうだろうか。

少なからず私は迷っていただろう。

機会損失につながると考える人もいるかもしれないが私はこの無人でゆっくりとする時間がとても大切なのかもしれないと感じた。

おわりに

今回悟空のきもちに初めて行き、感じたことを書かせてもらった。

※あくまで銀座店にはじめて行った私の感想です、別の店舗、スタッフによっての違いなどもあるかもしれませんが私が見て感じたことです。

やっていることは他のサービス業と変わらないかもしれない、同じことをしているお店も恐らくあるだろう。

ただ、それが通用するかしないかはやはりお客がお店の存在を知ってから退店するまでにストーリーが生まれるかどうかがとても大切だと改めて感じた。

非日常に来たような空間作り、どこか安心感がありいい気持ちになる接客、流れる音楽、高い技術レベルのマッサージ、嫌味を全く感じない自信に満ちたシステム。

そのお店が作ったストーリーに消費者が心地よく乗っかり、自分のストーリーとして外に伝えたくなったり、自分の判断に納得できるかが重要だ。

上記があってこそ成り立つキャンセル待ち60万人のお店なんだと。

私は全力でそのストーリーに乗っかりました(笑)

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次回はどんな体験が得られるのか、今から楽しみだ。

note8回目の投稿で初めて長い文を書いた、拙い文章に最後までお付き合い頂きありがとうございました。





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