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もしかしてマラリア‥?😨取るべき対応まとめと体験記

こんにちは!
世界を繋ぐファシリテーターのもっぴー(三矢楓)です。

2022年6月から8月にかけて、西アフリカのベナン共和国と
ベナンから南に浮く島国、サントメ・プリンシペに行ってきました!
久しぶりの海外渡航、思う存分に満喫!

が、なんと帰国後、「マラリア」に感染‥!
結果的に軽症でよかったのですがなかなかハラハラした経験でした。

感染して困ったのが、
「どこの病院に行ったらいいのか」
「どんな症状が出るのか」
「何をすべきなのか」
という情報を知りたかったのですが、
なかなかネットでほしい情報を探すことができず‥

決して自慢できる経験ではないのですが、
マラリアにかかった場合どうすべきなのかを体験談と共にまとめたので
今後のアフリカ渡航者の少しでも役に立てると幸いです。


そもそもマラリアとはどんな病気?

日本人にとってはなじみのない病気なので、
名前を聞くだけで恐ろしい印象を受けます。
厚生労働省の定義は以下のようになっています。

マラリアはPlasmodium属原虫のPlasmodium vivax(三日熱マラリア原虫)、Plasmodium falciparum(熱帯熱マラリア原虫)、Plasmodium malariae(四日熱マラリア原虫)、Plasmodium ovale(卵形マラリア原虫)などの単独又は混合感染に起因する疾患であり、特有の熱発作、貧血及び脾腫を主徴とする。ハマダラカによって媒介される。

厚生労働省HPより

要するに、蚊が人を刺すときにマラリア原虫を持ってくるので
痒い~だけでは済まされないということ、
4つの種類が存在し、症状もそれぞれ特徴があるが
いずれも発熱をして、悪化すると合併症が起こり
最悪の場合は死に至ります。

厚生労働省や国立感染症研究所のHPにはとても詳しく書いてあるのですが
読み進めるととても恐ろしく感じますね・・
感染地域も感染者も多く、ワクチンもない。
子どもの致死率も高いと聞くと、日本では想像が難しい病気です。

 マラリア発症地域(トラベルクリニックHPより)

私も最初のイメージはこのネット上の情報だったので
かかったら死ぬんだ、というイメージだったのですが

実際、現地の人たちはしょっちゅうかかっています

日本でいう、インフルエンザになったくらいの感覚だと思います。
今回もホームステイで行った家族のお兄さんと子どもが
最近までマラリアだったんだ~とやや元気なさげでした。

現地では一般的な病気ですが、
私たち日本人には体も生活も違うので油断は禁物です。

疑いがある場合、まず何をすべき?

一番大切なのは疑ってかかること

最初に出る症状は「熱発作」です。
急に38℃の高熱・悪寒・筋肉痛が発症するのですが、
これだけだと風邪等との区別がなかなかつきません。
通常の病院に行くとこの症状だけで
マラリアの検査をすることはまずないと思うので
渡航歴や、対象地域で蚊に刺されている経緯がある場合は
このような症状が出た場合はまず疑ってかかることが大事です

とにかくすぐに病院へ!

すぐに適切な病院へ行きましょう。
そうは言っても、どこの病院へ行ったらいいんだ!?
となると思うので以下の病院のリストをご参考ください。

私が使ったのは上のサイトですが、
MEDLEYというポータルサイトも使いやすそうです。

とにかく最寄りの病院に行って
検査とお医者さんの指示に従ってください。


海外保険適応の確認

これは落ち着いてからでも大丈夫ですが、
そこそこの医療費がかかるので、海外保険が適応されるかは
きちんと確認をしましょう。

私の場合も紹介状なしの診療で3回ほど通院をして
合計2万円弱の医療費がかかりましたが、
きちんと申請をすると、通院の交通費も含めて
全額を対応頂きました。

保険会社によって、適応条件も必要な書類も違うので
お世話になっている保険会社に確認必須ですが、
問い合わせ後に、申請するための必要書類以外に
自分の手元に残しておかないといけないものは以下。

  • eチケットの控えまたは搭乗券の半券(渡航をしていた証明になるもの)

  • 治療費・処方薬代・通院交通費の領収書(原本)

  • 診断書(かかる医療費によって必要な場合がある)

このあたりはなくさずに保管しておきましょう。

ちなみに私が使っていた海外保険は
リクルートカードの付帯保険で、損保ジャパンさん。
旅人の味方、年会費無料で保険がカバーされる
クレジットカード付帯の海外保険です。

リクルートカードの海外保険は「利用付帯」という
渡航中に航空券やホテル代をリクルートカードで使うという
条件付きなのですが、この条件さえクリアすれば
今回の利用内容だと不足なくとても丁寧にご対応いただきました!
お世話になり、感謝です!!



マラリアかも‥と病気を疑っている間はとにかく不安
そんな不安を解消してくれるのは、
この後どうなるのか、と先を見通せる情報です。
どうなるのか分からない状態は精神的にもしんどいです。

ですが、
実際にマラリアにかかった人の情報がほとんどない!!!

一般的な見解・情報とめちゃくちゃ難しい医療レポートは出てくるのですが
実際かかった人がどんな症状で
どうなっていったのかという体験談は見つからず。

なので、ここからは私の経験した経過についてをまとめます。
ですが、これは私の場合の一例に過ぎないので
これなら安心だ!と思わず、まずはすぐに病院へ行ったうえで
参考までにご覧ください。

発症・完治・検査結果までの24日間

そもそも感染リスクはそこそこ高い状態

私が渡航をしていた6~8月は、ベナンは雨季。
1年で最も蚊の多い時期です。
虫よけ持参、普段は蚊にさされないように
暑い時期でしたが、できるだけ長袖・長ズボンを
履くようにしていました。

ですが、蚊にさされないなんて至難の業で
実際は2カ月間で何十か所と、蚊には刺されまくっていました‥!

そんな状態だったので、ベナン滞在時から
マラリアの症状を調べるなど、感染を疑って
そこそこびびりながら体調には気を配っていました。

というのも、元々アフリカに渡航をするきっかけとなった知人が
マラリアにかかったときの話をしてくれたのですが、
しばらくの間、体調不良に気づかず、
内臓の調子がよくないと病院にかかったときには
入院を強いられる状態だった‥
ということだったので、
まずいと思ったら速攻病院に行こうと早い段階から決めていました。

知恵熱!?突然の38℃の高熱

帰国して約2週間が経ったころ、仕事終わりの夕方に突然の発熱!
仕事も精神的に根を詰めていたので
知恵熱か!?と思うくらい、何の前兆もない突発的な発熱。

まず、急激な悪寒
次に、節々が痛くなる
熱がどんどん上がって震えて大量の汗をかいたら
翌朝には平熱に戻っていました。
マラリアの典型的な症状の「熱発作」の状態です。

この頃、コロナの第七波だったこともあり
まず疑ったのはコロナだったのですが、
かかったことがある経験からこの異常な発熱は何か違う‥
と感じつつ、抗原検査は陰性。

一旦、様子を見ることに。

1日おいて再び発熱!

熱が下がったその日は症状は落ち着き、
仕事のストレスだったのかな?と思ったのも束の間、
その翌日の夜に、再び発熱。
症状は前回と全く同じで、8月の猛暑というのに震えが止まらない。
今度は39℃近くの熱。

ここで様子がおかしいと思い、ついに「マラリア」を詳しく調べ出します。
2度の熱でマラリアを疑うことは普段なかなかないと思うのですが
私の場合はマラリアにかかるリスクを理解していたので
早めにリサーチを開始。

そして、
調べれば調べる程、症状が一致・・・!

とにかく翌朝一番に病院に行くことに決めました。

検査をするも陽性ならず

朝一番に京都市病院に電話で問い合わせ。
これまでの症状を伝えると、
「今すぐに来てください!」
と言われ、心の中では「終わった・・・」と思いながら速攻病院へ。
当たり前ですが、急を要するような反応だったので
びびりながら病院に向かいました。

検査をして待つこと2時間。
マラリアの原虫検査をするも結果は、「陰性」。
そもそも、マラリア原虫が血液の中を巡っている時に発熱をするのですが、
熱が出ていないタイミングだったからか分かりませんが、
マラリアの陽性反応は出ませんでした。

ですが、渡航歴、これまでの症状と血液検査の数値の異常から
恐らくマラリアの一種であるだろうというお医者さんの判断の元
3日間の服薬、経過観察となりました。

知人の話を聞いていたので、入院も覚悟していたのですが
そこまでならずに一安心でした。

処方された薬はこちら。

伝わりづらいですが親指の爪くらいの大きさなのです

で・か・い!

のどに詰まりそうな大粒の錠剤「マラロン」を
1日1回4錠、3日間分処方してもらいました。

ついに病気の正体判明

薬を飲んでからも発熱があったので、計3回の熱発作を繰り返しましたが
通院後の経過は非常に良好。
人から人へうつる病気ではなく、その点も安心。
強いていうなら、大粒の錠剤にうえっ、となったり
体温の上昇・下降の繰り返しで体力が落ちたか
1週間ほどは食欲がなく、体重が3kg瘦せました。

病院には計3回通院しましたが、
検査結果がなかなか判明しないので
私の血液は国立研究所に送られることに。

気になる結果が分かったのは発症から24日後。
仕事でカンボジアへの渡航中、病院から1本のメールが。

マラリアPCR検査の結果が届きましたが、四日熱マラリアでした。
治療はマラロンで問題なく、また肝臓に潜むタイプのマラリアではなかったので追加治療は不要です。
体調よければ再診不要ですが、気になることあれば受診ください。
ちなみに四日熱マラリアは日本では年に3-4人くらいしか報告なく珍しいです。

私の病気の正体は「四日熱マラリア」でした。
軽症で終わってよかった・・・!と、改めての一安心と
なかなかのレアケースでお騒がせを致しました。

結果が判明するまで想像よりも時間がかかりましたが、
これにて一件落着となりました。

未然に防ぐためには?

早期に治療をすれば大事にはならないのですが、
もちろん、かからないに越したことはないので
未然に防ぐ方法を最後に書いておきます。

とにかく蚊に刺されない!

当たり前ですが蚊に刺されないことが大事です。
特に夕方から夜にかけて出る蚊がマラリアのリスクが高いそうなので
長袖・長ズボンの着用、虫よけスプレー、蚊帳の中で寝る
など、このあたりは現地の人たちも注意をしている点なので
同じように注意をして過ごすとよいと思います。

蚊帳の中で爆睡するHani

予防薬の服用

現段階ではマラリアのワクチンは開発されていません。
(ゆえに、発生地域で子どもの死亡率が高い病気なのです)

ですが「予防薬」が存在するので、
トラベルクリニックなどで予め処方をしてもらえると安心です。
先ほどの「マラロン」は、予防薬としても処方されているようです。

最初にベナンに渡航した時はスペインの次に訪れたのですが
ヨーロッパでは、アフリカと近いからか、
一般的な薬局でマラリアの予防薬を買うことができました。

現地人の予防薬「カセドラ」

現地の人にとって、蚊とマラリアは一生のお付き合い。
時おりかかるマラリアへの予防薬・治療薬として
「カセドラ」というものを飲んでいるようです。

謎の良薬、「カセドラ」

何でできているのか詳細は分からないのですが
植物からできているらしく、薬草を煎じて飲んでいるようなものです。
私も何度か頂いたのですが、良薬は口に苦しとはこのことか
苦いと渋いを凝縮したような味でめちゃくちゃ不味いです!!!

マラリアの薬というだけでなく
滋養強壮としても飲むようで、疲れたときには
「カセドラ、リトル!?」
が、家族の中での合言葉でした(笑)

滞在中、マラリアにびびっていた頃は
飲むようにしていたのですが、激マズなので進むわけがなく。
サボらず毎日飲んでいたら、
もしかしたらかかっていなかったかもしれませんね。



最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
長々と書きましたが、病気は旅に付きものなので
楽しく読んでもらえると嬉しいです!
アフリカ地域への渡航は、日本での日常生活で起こり得ないことも
多々起こりますが、過剰に恐れることはなく
知っておくことで安心できることもあると個人的には思います。

体調のことなので油断は禁物!
正しく準備と対処をして、ぜひ楽しくアフリカ滞在に挑戦してください!
アフリカに行ってみたいよ、という人は気軽にご相談くださいね^^

三矢楓(もっぴー) FacebookInstagram


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