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残照小説

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残照小説の記録  残照小説とは:固定の小説参照
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残照小説

「ざんしょう小説?」 「そう、残照……『残る』に『照らす』で残照な。残照小説、俺はそう呼んでる」    ある日の夕方。  おつかいの帰り道、僕は、変な人を目撃した。  夏が終わってもまだ暑いのに、黒い長いコートを着ている、男の人。  彼の手には虫取り網。そして、足元にはノートが広げて置かれている。ノートが風で飛ばないようにか、四隅に石が乗せてある。何してんだろう……。  うーん。  不審者かな。  学校の先生に報告しないといけないやつかな。  なんて事を、僕が考えていた時だ。

残照小説 2024/09/20捕獲 仮題:金平糖が降る  ぽつ、ぽつ、と降っているのは、雨とばかり思っていたが、見ればそれは金平糖だった。

残照小説 2024/09/15捕獲 仮題:配線と男性  ジャングルみたく鬱蒼とした配線の中を掻き分け掻き分け進んでいくと、見えてきたのは、まだ稼働しているらしき大型の機械。……そして、その機械に繋がれた男性の上半身だった。

残照小説 2024/09/07捕獲 仮題:信号を出す  信号を出していたのは、この廃墟自身である、と。  そう、キュウミは語る。

残照小説 2024/07/24捕獲 仮題:冬蝉  朝、目覚めると蝉の声がした。  布団に包まりながら(ああ、蝉が元気だなあ)と考え、遅れて気付く。  おい、今は真冬だぞ。

残照小説 2024/07/10捕獲 仮題:点滅  チカ、チカ、チカ、チカ。  彼女の瞳は点滅していた。

残照小説 2024/07/01捕獲 仮題:神の最期  ああ、燃えていく燃えていく。  我らが神が燃えていく。

残照小説 2024/06/08捕獲 仮題:いない 「でもねそもそも、あの人には娘なんていなかったんだ」

残照小説 2024/06/02捕獲 仮題:弾けた  弾けていった。  夕焼けも、風船も、私たちも。

残照小説 2024/05/11捕獲 仮題:瓦礫の下から  瓦礫の下から覗く左腕には、見覚えがあった。  あの腕時計は。あの服の色は。あれは。 「なんで、あんたが」  左腕は、ぴくりともしない。 「なんで」  問いを投げかけても、返答はない。

残照小説 2024/04/14捕獲 仮題:瞳孔の鯨  瞳孔の中で、鯨が泳いでいる。

残照小説 2024/04/03捕獲 仮題:汚れた爪 「どこに行っちゃったのかなあ」  そう呟きながら、彼は素手で土を掘り続けている。

残照小説 2024/03/15捕獲 仮題:白のドラゴン  そこへゴウッと大きな音が響き、見上げれば、真っ白なドラゴンが空を飛んでいた。  飛行機のようだと思った。

残照小説 2024/03/09捕獲 仮題:脳というものは 「いや、脳が消えても魂は残るよ。脳というものは魂の観測装置であって、魂そのものではないからね」