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百字小説

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100文字の小説 ※タイトルとハッシュタグは除き、本文だけで100文字 ※文字数カウントはnote執筆画面の表示を参照しています
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2023年10月の記事一覧

【どんでん返し】 「依頼された『どんでん返しの小説』執筆の為にネタを探していてね、出会ったのが、ここにいる謎生物ドンデンだ。奇怪な鳴き声、蠢く触手、名状し難いこの生物が私の脳を刺激し」 「元いた場所に返してきなさい!」 #百字小説

【火事を知らせる】  寝室の扉が激しく叩かれる。  火事だぞ、と叫ぶ声。  私は無視して眠る。火災報知器は鳴っていない。  翌朝、私はいつもどおり仏壇に向かう。数年前の火事の日に私を助けて亡くなった父に、おはようを言う。 #百字小説

【ドリンクシティの騒動】  ここはジュース、お酒、いろんな飲み物が暮らすドリンクシティ。今日はやけに騒がしいですが、喧嘩かな? 「あいつに非があるんだ!」  誰かを悪者と決めつけるのは……あ、確かに非があるね。  珈琲くんに。 #百字小説

【ひっくり返す】  僕は魔法使い見習い、今は物を動かす魔法の修行中。リンゴを浮かせミカンを飛ばし、次はあれをひっくり返すぞ……おかしい、魔法をかけても何も変わらない。どうして、師匠? 「そりゃ変わらんさ、トマトだもの」 #百字小説

【かえらない】  同居人が帰ってこない。  僕らは自力で動けないので外へ探しにも行けない。困っていると、知らない人達が部屋に入ってきた。  僕らを「遺品」と呼んで、どこかへ運ぼうとする。そこに同居人がいるのだろうか? #百字小説

【火星、異】  我々が火星で暮らし始めて、ちょうど(地球時計で)一年になるようだ。  だが、地球時計とは何か? 一年とは何か? 我々とは異なる文化を持つ、太陽系生物達。擬態は容易だが、その本質を理解するのは難しい。 #百字小説

【火星、いま】  僕が火星で暮らし始めて、ちょうど(地球時計で)一年になるらしい。こっちに来る前は正直少し不安だったけど、今は毎日が楽しい。  火星でできた新しい友達と、シェルターの中を探検するんだ。君も一緒に来る? #百字小説

【火星、やがて】  俺が火星で暮らし始めて、ちょうど(地球時計で)一年になる。この星で続けている研究が、やがては、荒廃しつつある地球を救う一助になると信じている。  愛おしい、青い星。あの美しさを、失ってたまるものか。 #百字小説

【火星、それから】  私が火星で暮らし始めて、ちょうど(地球時計で)一年になる。住みやすく整えられた居住シェルターでの生活は、思っていたより、普通で。  だから私はもっと先へ行こうと思う。遥か遠くの星まで、未知を求めて。 #百字小説

【物置の中】  物置を片付けていたら、昔好きだった絵本が出てきた。懐かしい。引っ越してった幼馴染みにプレゼントしたんだよな、これ。……じゃあなんでまだ僕の家にあるんだ?  物置の奥に、何か、骨のようなものが見えた。 #百字小説