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アパレルのバイトを2ヶ月半で辞めた


アパレルのバイトを2ヶ月半で辞めた。


もともと始めたきっかけは、大学生になって2年間続けた飲食店でのアルバイトの、働きやすすぎる環境に甘えてしまっている自分にムチを打ちたくて、
大学生生活の半分が終わるちょうどのタイミングで新しい環境に身を置こうと思ったこと。


ここのバイト先を選んだのは、
・ネイルがしたかった
・全然違うことをやってみたかった
・あわよくばオシャレを学んでみたかった好奇心
・ファストファッションの現場を自分の目で見てみたかった
等が主な理由。

もともとファッションがだいすき!というわけでもないわたしにとってはほんとに賭けみたいな選択だったわけで。
結果的にこれが自分の首を絞めることになっていったのだけど、
綺麗事抜きに、何もかもが新鮮で本当に学びの多い職場だった。



まず、始めてから1番最初にぶつかった壁は、
アパレル店員さん特有のあの高い声色での呼び込み。

これまでの集団生活の中で何度も「声がでかい」と怒られてきた自分にとっては、声出しは楽勝!!くらいに思っていたのだけど。
実際にやってみたら難しくて戸惑った。
生まれて初めて声が小さいと怒られた。ますます戸惑った。
第一に、あの高い声色が出ない。
恥ずかしさを捨ててもお店の雰囲気を壊してしまうような子どもっぽい声出ししか出来ず、もはやその必要性に懐疑を抱いたわたしに、
先輩は「声が高いと上品に丁寧に聞こえるんだよ」と教えてくださった。
そのアドバイスを活かしてうまくできていたかどうかはわからないけど、背伸びしながらなんとか声を張り上げた。知り合いが見たら滑稽な姿だったと思うけど。
自分らしくないと自分自身が気づくくらい、普段の自分とギャップのあることをすることは、それの好き嫌いがどうこう以前に、まず疲労感が伴う。それを越えて楽しめるかどうかが鍵なんだろうな



次にぶつかった壁は、経営形態にどうしても寄り添えなかったこと。
あくまで2ヶ月半働いたわたしの個人的な意見だけど、こういう現場で一番求められるのものは”効率”であるような気がする。

効率を重視するということはイコール、効率が阻害される他のものは認められないということ。

例えばお客さんにお礼を言いに行ったとき、”おしゃべり禁止” と怒られてしまったことがある。
お客さんが洋服を見ていた際にご相談に乗って、拙いながらもアドバイスをさせてもらい、最終的にその商品を買ってくださったことが嬉しくて、レジに並んでいらっしゃる横を通りがかった際に「買ってくださってありがとうございます」とご挨拶をした。それが混雑した状況において、先輩に無駄口と捉えられてしまって指摘を受けた。

前にやっていた飲食店でのアルバイトにて、接客の楽しさとやり甲斐を学びある程度の自信もついた。接客とはいえ結局は人対人の対話であるので、コミュニケーションの上に成立するもの、というのが私の培った持論なのだけど、そこを否定されてしまうとなかなか難しい。


また、ファストファッションの現場に少しずつ心が貪られてしまっていた。

洋服のリサイクル現場に伺ったことなども相まって、
大量生産大量消費の状況を、割り切れず悲観的に捉えてしまうまだまだ未熟な自分の考えが邪魔をして、売りたくないものを売っているという思考になってしまっていた。
売上を常に意識しなければいけない毎日の中、
洋服の品質を保つために大量に使われるプラスチックのビニール袋・より良い売上を図った大胆なセール・毎日出勤するたびに新たに入荷されている商品・複雑なセール内容を説明する為にお客さんひとりひとりに配らなくてはならない紙。。少しずつ具体的な疑問を抱いては割り切ろうと無理やり消化していたのだけど、それがだんだん難しくなってしまった。考えまいとすればするほど頭の中を貪ってきて疲れた。
これを身をもって体験してみたくてこの世界に飛び込んだのに!!笑


セールに関しては、安く売り切ればロスも減るし良いことなのではないか?と
以前まで肯定的に捉えていた。

だけど、上勝でももなさんに、セールにして価格を落とすということは、その物自体の価値を下げること。だというふうに教わってから考え方が変わった。
安く手に入ると人は扱い方も等閑になる。
実際のセール期間中、「これだけ安かったら汚しても良いもんよね〜」などと言いながらお洋服を買っていかれる客さんもいらっしゃった。


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著書「大量廃棄社会」より

「安い」ことにはそれなりに理由があって、その理由を知ることも消費者の責任なのではないかなと痛烈に思う。だからといってそのものを買うことが悪いのでなくて、その事実の認知度が低いことが悪いのかなあと思ったり。その裏には生産側としてはあまり公表したくない複雑すぎるサプライチェーンがあって、そもそも根本的なところからの問題であって。。
こうでないと経済が回らないことも痛いくらいに理解できるからこそ難しいし、だからこそ、揺るがない自分の指針が欲しい。



今回多くのことを現場で知れたこと、自分にとってものすごく大きな一歩だった。

・1日の大半の時間を過ごすには、窓のないところよりもあるところの方が時間の流れを空から把握できて自分にとって幸福感が高いこと
・自分の姿を見てくれて評価してくれる人の存在が、どんなに嬉しくて尊く感じるかということ
・アパレルと飲食の接客は受動的と能動的くらい対極な位置にあるもので、その価値をどう見出すかは自分次第だということ
・何だかんだ言ってアパレルでの接客も楽しかったこと
etc...

そして人間向き不向きがあって、自分には向いていなかったということ。それでも大きな学びの場であったということ。
お世話になったバイト先を決して否定したい訳ではなくて、これはあくまで自分の中のアウトプットの文章であるということ。


おしゃれでかっこいい先輩たちのもとで働く日々は新鮮で、誇りを持って全力で仕事に取り組まれる姿がすごく印象に残ってる。

面白い世界だったな〜〜〜



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