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ソール・ライター展行ってきました。

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渋谷東急Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されていた、1923年生まれのニューヨークの写真家、ソール・ライターの展示を観に行ってきました。
この写真は、ソール・ライター展を見た後、Bunkamura ザ・ミュージアムの正面で、ボクが撮った写真。
まっっったく、全く、ソール・ライターの写真ぽくないですが、、、笑

前回書いたので、もうウイルスに関する話は書かない!と思っていたし、「観ていない方は、是非、ソール・ライター展をご覧ください!」と申し上げたいところなのですが、感染対策の緊急措置で、3月8日までだった会期は、2月28日以降、閉館となってしまいました。。。何と悲しい。

拝見させていただいた、第一の感想としては、「ソール・ライターの写真を観て、スナップ写真を楽しむ人が増えればいいな!」というものでした。

まぁ、正直なところ、「すごい衝撃!」みたいなものは、受けなかったです。
うーん、上手いですよね(←当然だろ!!)。
今回展示されていた写真は、基本的に一貫して「秘すれば花なり秘せずは花なるべからず」(by 世阿弥)な、「日本人好み」な写真。
何枚か、展示会のページにも掲載されていますが、基本的に、「近景にある何かで、主対象を隠す」という手法。
今回展示された、特に前半のスナップ写真だけから想像すると、「すっごいシャイな写真家」みたいなイメージを持ってしまうのですが。

いや、しかし、ちょっと待った。
フィルムのコンタクトシートも展示してあって、そちらを拝見すると、必ずしもそういう写真ばかりではないんですよね。
後半に展示されていた、愛するソームズ・バントリーさんを撮影した作品を観ても、バッチリ正面に捉えています。
前半、「近景にある何かで、主対象を隠す」という手法のスナップが、これでもか、これでもか、と並んでいて、ボクとしては、後半部分で逆にホッとした、と言いますか、やっと「ソール・ライター」の人間が見えてきた、といいますか。

もちろん、ソール・ライターが、生涯、長期にわたって、「近景にある何かで、主対象を隠す」という手法のスナップを撮り続けていたのは、その通りなのですが、今回の展示は、セレクトする人の意図も多分に入った展示だったな、と。
当然ながら、ソール・ライターは2013年に亡くなっていらっしゃいますので、本人がセレクトしたわけではないですし。

まぁ、これは「日本人的な特徴」というわけではなく、例えば、部屋に飾るのに適した写真を考える時に、やはり、家族以外の人間の「カメラ目線」の写真って、多くの人にとって、やはり、ちょっと「飾り辛い」と思うのです。

幼少時代、カメラ目線の写真(ボクの場合、カレンダーの写真でした)が、正面から見た時だけではなく、どれだけ斜めから見ても、その視線が自分を追っかけてくることに気が付いて、一種の恐怖を感じたことはありませんでしたか?

カメラ目線でなくとも、人の顔がある写真は、やはりそこに人の存在を感じるものです。でも、人の存在が無い風景写真ばかりだと、「美しさ」「雄大さ」は感じられたとしても、何となく寂しくなってくるものです。
(かく言うボクは、部屋にカメラ目線の写真を何枚も飾っていますが・・・寂しがり屋なのかもしれません笑)

今回、ソール・ライターの「近景にある何かで、主対象を隠す」という手法のスナップ写真を観て、人の存在を感じさせて寂しくもなく、視線まで感じさせないから五月蠅くもなく、という、上手いバランスの写真だな、と思いました。

昨今、スナップ写真における、写っている人の肖像権も議論になっています。
そういう意味でも、見事に、今回のソール・ライターのスナップは、ギリギリ問題にならないラインを示した作品なのかもしれません。

あと、その話とは話が逸れますが、そのソール・ライターのスナップの作品群に、晩年にデジタルで撮影された作品も全く時系列関係なく混ざって展示されていたのは、驚きましたが、改めて、「フィルムか?デジタルか?」ということに大きな意味はないのかなぁと気付かされました。

ボクは、フィルムから写真を始めましたし、フィルムで撮影するのは、楽しくて好きです。
しかし、「フィルムか?デジタルか?」ということに、優劣や、写真の意義、目的を見出すのは、やはり違うのかもしれません。
「フィルムか?デジタルか?」は、「手段」であって、「目的」ではないのですよね。

以前にも書きましたが、篠山紀信さんが、いつからデジタルで撮影されているのか?なんて、ほとんどの人は知らないわけですし。

と、申し上げておきながら、
やっぱりフィルムは楽しいよね!
スナップも楽しいよね!

いや、やっぱ、写真って楽しいよね!!
・・・という初心に帰ったスナップ写真を掲載して、本日は締めます。

ソール・ライター展の後に食べた、渋谷「ムルギー」のカレーは、やはり最高に美味しかった!!

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おやすみなさい!!



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