盗みのきっかけ-お友達と
中学に入り、陸上部で仲良くなったお友達とお出かけし帰りに寄った駅ビルでの出来事です。
雑貨屋さんで可愛い髪ゴムを見つけると、その子はスッと慣れた手付きで袖口に隠しました。
それを驚きもせずに見ていた私に、「あなたもやってる派ね」と友人は笑いかけてきました。とても無邪気な子だったので、つい「うん」と答え
彼女と同じように、袖口に同じものを隠しました。
小学生の頃は、一人でこっそり。
中学生になると、お友達と堂々と万引きをするようになりました。
私達は小さな雑貨や化粧品を、当たり前のように自分のものにしていきました。中学校3年生になると、もし見つかったら受験に影響があるかもしれない、という気持ちと共に、勉強も忙しくなり、万引きは自然と無くなっていきました。
高校へ上がると制服を来てお店に入るだけで、警備員さんにロックオンされるようになりました。
それだけ高校生の万引きが多かったのだと思います。
スリルを味わう非行少女ではなかったので、警備員さんにロックオンされれば素直に諦めます。いつしか万引きをすることは無くなっていきました。
このお友達とは、40歳を過ぎた今でも親友です。
ただ振り返ってこの時の話しをしたことは、ありません。
彼女はこのことを覚えているでしょうか。
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