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喫茶喫飯的生活のススメ

喫茶喫飯(きっさきっぱん)とは、余計なことは考えず、お茶を飲むときはお茶を飲むことに集中し、ご飯を食べる時にはご飯を食べることに集中するという禅語らしい。

「あなたの強みは何ですか?」

「はい。私はマルチタスクな人間でいろんな業務を同時に進行することができます!」

面接などででこれが「デキる」人間アピールだと長年信じて疑わなかった…

が、「喫茶喫飯」という言葉を知り、アレ?こっちの方が実は自分っぽいかもと思い、喫茶喫飯的生活をここ1ヶ月ほど試してみた。

食事をするときはもちろん、仕事をするときも、料理をするときも、ただただ目の前の仕事に集中する。「ながら」をしない。必ず、1つ終わらせてから次のことに取り掛かる。音楽を聴きながら本を読むとか、テレビ見ながらアイロンがけするとかもせず、ただただ目の前のやるべきことに集中する。

こんな生活を1ヶ月続けてみて、自分なりの発見があった。

1. 情報がより入ってくる

集中しているので、入ってくる情報が深く理解できる。理解が早まるので、目の前の情報に対して興味がわき、もっと知りたいと思うようになる。これは人に対しても同じで、人の話をしっかり聞くようになり、相手への興味が高まりより深い人間関係が築ける。

2. すべてのクオリティーが上がる

一つ一つの工程に手を抜くことがないため、結果全体の出来上がりのクオリティーが上がる。料理などは明らかで、同じレシピで作ったものでもなぜか味が美味しく仕上がる。仕事で問題があっても集中しているので冷静に丁寧に対応できるようになり、結果、問題が思っていたより早く解決できる。

3. ため息の数が減る

目の前にあることに集中していると、過去のネガティブな感情が引きずられないため、結果ため息が減る。とは言ってももちろんため息がでることもある。そんなときでも、「あぁ、今自分は違うこと考えてしまっていたな、ちゃんと目の前のことに集中しよう」と客観的に自分を見ることができる。

こんな感じでつまり、私にとっては喫茶喫飯的生活の方が満足度が高いということに気がついたのだった。あれもこれもやろうとすると、感情が乱れて、疲れてしまう。どうしてこういうことに気づかなかったのだろう。

忙しい生活を送っていると、マルチタスクは効率的のようにも思える。でも実はこちらのほうが省エネ効率的には良いのではと感じている。

My thanks to Manki Kim for the photo on Unsplash


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