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アンリ・マティス、再び。

アンリ・マティスの絵画がとても好きだ。前回の東京都美術館でのマティス展の熱が冷め上がらないうちに、今度はまた国立新美術館にマティスの絵がきたらしい。これは見なければとそそくさと足を運んだ。

今回の展覧会のテーマは、「マティス 自由なフォルム」。

マティスの絵を一つ一つ見ながら、どうして自分はマティスが好きなのだろうかと考えてみる。おそらく自分はバランスの良くて穏やかなものに心惹かれているし、そうありたいと思っているのかもしれない。マティスの自由なフォルムの中には、緻密な計算された、究極のバランスを極めようとしている様子が見てとれる。プラタナスの木の絵だってたくさん修正跡を見つけた。あぁ、こんなに自由なのになんて丁寧に作られているのだろう。たまりません。

木(プラタナス)1951

マティスは制作をする過程をとても大切にしたらしい。緻密に何度でも何度でも書き直して、自分の納得いくバランスを見つける。それが結果的にものすごく自由に見えたとしても、長年の経験とそういった緻密なプロセスの最後に心から出てきた感覚が見事に表現されている。

最後、高さ4m、幅が8m以上ある切り絵の大作『花と果実』の下に立ってみた。

花と果実 1952-1953

いろんなカラフルな模様がつながって、お互いが共鳴しあって、また新しいエネルギーを生み出している。
ぱっと心があったかくなって本当に幸せな気分になった。

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