「ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室」まとめ

3つ聞くこと
・あなたの意図したことはなんですか?
・あんたが本当に望むものはなんですか?
・今手にしている望んでいる結果はなんですか?

もし今得ている結果が望んでいない結果なのであればそれをもたらしている自分の思考パターンに気づく必要がある


「まず自分をマネジメントできなければ他者をマネジメントすることはできない」

人は自分が見たいものを見ようとする。
その「ものの見方」はそれぞれの経験や価値観、過去に蓄えた知識や個々の嗜好によって自動的に決まる。

そしてほとんどの人は自分にフィルターがあることすら意識していない。
セルフマネジメントを学ぶ目的は自分のフィルターを外しオプションを増やしより良い結果を得ること。

自分の内面を理解し自分自身をマネジメントできるようになって初めて他者に影響力が発揮できる。
しかし人はこの順序を間違えてしまいがち。
自分の内面に目を向けるのではなくいきなり自分以外の誰かや何かを変えようとしてしまう。

影響の度合いとしては
「セルフマネジメント」→「チームや組織のマネジメント」→「社会システムのマネジメント」

セルフマネジメントができるようになるとチームや組織のマネジメントで成果を出せる可能性が高まる。

セルフマネジメントにおいて大事な単位は瞬間。
瞬間はすべてのマネジメントにおいて最小の単位であり、瞬間から瞬間の間に何が起きていてどのような体験を自分が得ているかを知りその体験から自分が何を感じどんな結果を得ているのか理解することからセルフマネジメントは始まる。

「瞬間のマネジメント」→「セルフマネジメント」→「チームや組織のマネジメント」→「社会システムのマネジメント」

各瞬間を3秒とすると1日は28800瞬間ある。
寝ている時間を除くと1日は大体20000瞬間
人はその半分の瞬間は気を散らしたりぼんやりしている。
つまり残りの10000瞬間をどのように捉えて反応するかが人生で得られる成果に大きく影響する。

私たちが対処できるのは「その瞬間に起きていることだけ」
今までと違った結果を求めるのであればまず瞬間に着目すること。
瞬間の積み重ねが大局につながっている。
新たな結果は瞬間における新たな選択肢からしか生み出せない。
セルフマネジメントとは瞬間のマネジメントである。


IRマップの活用
望んでいない結果を望んでいる結果に近づけていくためのロードマップ
IRマップの一つの使い方は今自分が手にしている望んでいない結果を逆から分析すること。
望んでいない結果は自分自身がどのような意図や選択によってもたらされたか順に辿っていく。

IRマップ(インテンション・リザルト・マップ)

本当に望む結果
意図Intention 私が本当に望む結果は何か?
意識Attention 私の意識とエネルギーはどこに向けられているか?
認識Perception 私は今どんな経験をしているか
選択Choice 私にはどんな選択肢があるのか?
行動Action この結果をもたらした行動は何か?
結果Result 私はどんな結果を手にしているのか?

望んでいない

結果Result 私はどんな結果を手にしているのか?
行動Action この結果をもたらした行動は何か?
選択Choice 私にはどんな選択肢があるのか?
認識Perception 私は今どんな経験をしているか
意識Attention 私の意識とエネルギーはどこに向けられているか?
意図Intention 私が本当に望む結果は何か?


ドラッカーは現代社会は思考を訓練することに集中しすぎて見ることや感じることを蔑ろにしていることに危機感を感じている。

ドラッカーの5つの質問
「我々のミッションは何か」
「我々の顧客は何か」
「顧客にとっての価値は何か」
「我々にとっての成果は何か」
「我々の計画は何か」

★ストレスとの付き合い方について

ストレスを感じた時はいつもと何が違うのか意識を向けてみる。
「何が頭をよぎったか。身体はどんな反応をしたか」それが瞬間から瞬間に意識を向けるということ。

ストレスとは「恐れと疲弊、消耗」と捉えることができる。
「ストレスを感じる」という代わりに「自分は何を恐れているのか?」という表現に置き換えると自分でも対処できそうなことに変わるはず。
同様に「自分はどのように疲れているのか、なぜ気力や体力を失っているのか」という表現に置き換えると具体的に対処できる可能性が高まる。

ストレスの原因の一つである恐れをマネジメントするためには「自分の恐れが何か」を理解することが重要。

恐れという感情をきちんと理解して捉えることがセルフマネジメントの第一歩となる。
その感情を持った時にどんな身体感覚があるかどんなことを考えているかこれらを実感することが望む結果を生み出す最初のステップになる。

すべての感情には意味がある。
例えば怒りの感情がある時に本当は認めて欲しいという承認欲求や認めて欲しいのに認められない寂しさなど別のレイヤーの情報に目がむかなくなってしまうことがしばしばある。

★感情は解決するものではなくて体験するもの
感情が出た際に人がとる反応は大きく分けて2つ

①感情を抑える、押し殺す
②感情を噴出する、ぶちまける

この2つは真逆のようで実は「自分の感情に向き合っていない」という共通点がある。

湧き出た感情をより巧みに扱うためには
③感情に意識を向ける。抵抗せずに感じる
→感情の波をうまく乗りこなしている人には例えば人間関係で怒りを覚えた時に自分の身体がその怒りをどのように感じているかに意識を向ける。
胃が痛いとか息苦しいなど身体感覚を観察する。
怒りに飲み込まれずにただ怒っている自分を受け入れる。
胃の重さや胸の苦しさに意識を向ける。
そして自分の中で感情が行ったり来たりする波に抵抗せずに乗ります。
不快な感覚もあるが徐々に収まっていくのを感じる。
感情が落ち着くと今の状況についてより多くの洞察を得ることができ選択肢が増えている。

この方法のいいところは冷静になった結果、より明晰に考えられること。
筋トレと同じで時間をかけてトレーニングすれば誰でもできるようになる。

感情は解決するものではなくて体験するもの。
感情を巧みに扱うには不快な状態の中できちんとその不快さを感じ取りその上で選択肢を見つける必要がある。
いわば「不快なことを不快なまま受け入れる」ことが大事。
感情はあなたの敵ではなくパートナー。

★トラウマと向き合う
トラウマを持ち続けると自分自身をマネジメントすることは極めて困難

もしトラウマから逃げ続けているのであればトラウマに囚われて身動きができなくなるパターンが繰り返される。
トラウマはきちんと向き合い癒すことが大事。


多くの人の意識はネガティブな方に向きやすい。
意識がネガティブに向いてしまうとうまくいっていることできたこと、褒めるべきことを意識できず結果として世界が狭まり可能性が限定されてしまう。

意識がネガティブに向きやすいという癖があるからこそ「自分は今何に意識を向けているか」を繰り返して問いとりわけ「何がうまくいっているか」「どんな可能性があるのか」に目を向けることが重要。

有能なマネージャーは問題よりも機会に焦点を当てる

「経験とは自分の意識の向け先を決めること」
人は何に意識を向けるかによって何を経験するかが決まりその経験の積み重ねが人生を決める。
自分の人生をマネジメントするためには自覚的に何に意識を向けるかを決めてそのエネルギーをマネジメントする必要がある。

自分の意識を向けるべきところに向けるために次の質問に答えてみる

・私の望んでいる結果は何か?
・その結果を得るために今私がエネルギーを投入するべきことは何か?
・今やっていることは私がエネルギーを投入すべきことか?

これらに応えることで自分の中で優先順位が明確になりそれほど重要でないことにノーと言いやすくなる。


自分の意識を向ける先に自覚的になる訓練。
下記3つの問いに答える
・身体は何を感じているか
・どんな感情を抱いているか
・頭の中にどんな考えが浮かんでいるか

瞬間に起きていることを知るには?

瞬間に起きていることを認識する3つの要素
・身体感覚
・思考(頭に浮かぶストーリー)
・感情

瞬間から瞬間に起きているこれら3つの要素を分解し私は今この瞬間に何を経験しているのかを認識することがセルフマネジメントの出発点。

「例えば成果を上げるための秘訣を一つ上げるならそれは集中である」
成果を上げるものは最も重要なことからはじめしかも一度に一つのことしか行わない
時間と労力と資源を集中するほど実際にやれる仕事の数と種類が多くなる


★IRマップの活用について
IRマップの使用方法には二つのフェーズがある。

フェーズ1
すでに得ている結果からスタート
あなたはどのように望んでいない結果を作り出しているかそれに対峙しているのかIRマップを活用しそれを観察してみる

フェーズ2
あなたが望む結果をまだ得ていない状態から脱して本当に望む結果に至る選択肢を見つけていく。
あなたは今エネルギーをどのように使っているかそして望む結果を得るために手放さないといけないものは何かをIRマップで明らかにする。


ドラッカーのいう「知覚を鍛える」とはセルフマネジメントの実践そのもの。
マインドフルネスの本来の目的である「意識を向け認識する力を育てる」こと。
そのためには自分の外側だけでなく内面に目を向け瞬間における経験の解像度を上げる必要がある。
瞬間を微細に色鮮やかに捉えることが結果を変える原動力になる。

セルフマネジメントを実践するには自分のストレスを自覚し自分の身体や感情の状態をチェックできなければいけない。

・すべての物事は変化することを自覚していることであり無理に抵抗するのではなく変化の波を楽しむマインドセットを持つこと。
変化を嫌なこととして捉えるのではなく前向きに捉え柔軟に対応していくこと。

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