[小説・ユウとカオリの物語] カミングアウト │ユウ目線9話
「実はわたし、LGBTQ当事者なの。パンセクシャルってやつかな。恋愛において男女の区別がある感覚がわからない」
「......えぇ、知ってましたよ」
僕がカオリさんのところに、プログラミングの勉強に通いだしてからしばらくした頃のこと。あの約束の日にカミングアウトしていた僕は、レッスン後の雑談の中でいつしか、過去の恋愛のことや、今の自分のジェンダーに対する葛藤の話なんかを、なんでも話すようになっていて。あの日も、昔一度だけ付き合ったことのある彼女の話をしていた。
「僕は