第2章[第6話] 《ユウとカオリの物語 -ジェンダー編-》
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幸せのカタチなんてね、
100人いれば100通りあるわよ。
何が正しいのか、なんてのもね、
立場や環境が変われば、簡単に変わるのよ。
幸せも、正しさも、一つじゃない。
僕はこの日、仕事を定時に切り上げて、急ぎ足でとある場所に向かっていた。電車とバスを乗り継いだ後、はやる気持ちを抑えながらアーケードを急いだ。しばらく歩くと、カオリから聞いていた建物が見えて、僕はドキドキしながらエレベーターに乗った。エレベーターが開くと、そこにはカオリがニコニコしながら立っ