見出し画像

パニック障害を知ったきっかけ

今でこそパニック障害という名前は世に浸透してきたと思うが、私がパニック障害を知った10年前はあまり聞かない言葉だった。でもよく調べていくと、罹患し寛解した芸能人が何人も公表していたりする。今ではテレビでもたまに出てくるワードである。
世に浸透してくるのはいいことだと思う。人は知らないことを怖いと思うのでメジャーになることでハードルが下がる。

私がパニック障害という名前を認識したのは本からだった。(題名は忘れてしまったが)
まだ『産後うつ』の診断を受ける前、産後の体調不良を抱えながらも子供を近所の支援センターで遊ばせているときにたまたま見た本だった。

その支援センターの部屋には子供の本と親に向けた本が沢山あった。そのなかにメンタルヘルスの本があった。支援センター側が親を気遣って置いていた本ではないかと思う。手に取りやすいところにその本はあった。
なんとなく開いてみた。

短編の漫画だった。2つ目のストーリーだったか、主人公は男性サラリーマンだったと思う。ある日の出勤、満員電車の中で気分が悪くなる。動悸がする。。。次の日も電車の中で動悸がする。。。どんどん不安感も強くなり自分がどうにかなってしまいそうな恐怖感で途中下車する。次第に電車に乗れなくなってくる。電車以外でも不安感に襲われる頻度が高くなってる。。。会社にも行けない。。。という内容から始まっていた。

『え?私の症状に何だかにている』とドキドキしてきた。
他にも症状が書いてあったが全て私の症状と一致していた。

締めくくりは、主人公の男性は心療内科で『パニック障害』と診断を受け、治療を進めて寛解に向かい日常生活を取り戻したという内容だった。

私はもしかしてパニック障害??精神疾患なの??わたしが??一生精神を病んで生きていくの??
だんだんドキドキが動悸に変わり、怖くなってその本を閉じた。
まさか。。。

その日から私はパニック障害という名前をしり、そして自分もソレなのではないかと思い始めていた。

心療内科で『産後うつ』を診断されて薬を飲み始めて苦しんでいた症状が良くなってきた。そしてあんなに受け入れたくなかった病状のことを調べる余裕も出てきた。前向きな気持ちも芽生えてきたし、もう終わりにしたかった。

もらった薬のこともインターネットで調べた。すると『パニック障害』にも効く薬だということも分かった。

担当医師に確かめてみようと思った。

『産後うつ』通院が始まって一か月ほど経った。その日も担当医師は私が話したい事を話したいだけ黙って頷きながら聞いてくれた。

実は過去、私が独身のころ今回の担当医師に会っている。

その当時も謎の動悸、吐き気、気分の落ち込み、眠れないの様々な不調があり会社に行けない時期があった。三日くらい体調不良と電話で告げたが。四日めからは診断書がないと認められないといわれ診断書をもらう目的だけでその心療内科に行ったことがある。

その時は『適応障害』という病名で診断書をもらい二週間会社を休んだ。
薬も出ていたが長く飲むつもりもなく数日飲んでは飲まなくなった。医師にも薬は飲んでいると嘘をついていた。体調も少し良くなっていたので二度の通院で終わった。

二年前もここに通院歴があり今回も似たような症状がでていると話した。医師は過去の通院歴をカルテを見ているので知っていたと思うが、医師から過去の事を聞かれることはなかった。

医師とのやり取りの後『先生、私は産後うつだけですか?』と聞いた。
『産後うつからのパニック障害ですね』と回答は早かった。

やっぱり。。。
あんなに疾患名を告げられるの怖かったのに、はっきり言われるとあまり怖さはなかった。そしてまた聞いた『治りますか?』と
医師ははっきり『治ります』と言った。この医師の元で治療し、生活に色を取り戻そう!そう思った。その日の帰りの空は青かったと思う。

人は知らないことに恐怖を感じる(お化けとかもその部類かな)
でも知ってしまうと案外怖くなくなる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?