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絵を見るために遠出してみる〜山梨県立美術館「ジャン=フランソワ・ミレー 生涯と作品」〜

久しぶりの遠出を計画してみた。
行き先は初めての山梨県立美術館。
正直まあまあ交通の便は良くないが、プチ旅行したい気持ちもあったのでワクワク。

道中のおとも

ゆったりの気分だったので、全部鈍行で。
往復4h超の移動時間は、年末の観劇の予習!

「くるみ割り人形」は、演奏だけ聞いてみても心踊るものがある。
そんなこんなしていると、あっという間に到着。

コレクション展で生き物の「個性」をみる

ミレーのコレクションが有名なので、最初はそこへ。
作品同士の間隔が十分で超絶観やすい。
撮影は禁止だが、その分みんながせかせかしてなくて、それも良い。

ゆっくり作品解説を読んでいると、動物の登場する絵画で「個性」の文字。

鶏もそれぞれ個性的に描かれており、離れたところからあわてて駆けつけるものもいれば、気づかないままのんびりしているものもいる。

ジャン・フランソワ・ミレー《鶏に餌をやる女》解説

そのあと、同じくバルビゾン派の画家シャルル=エミールの解説でも、羊の個性について記載されていた。

よく観てみると確かに、首周りがちょっとたっぷりしてる子もいれば、ふんわりな毛並みの子もいる。

生き物それぞれが独立しているって、当たり前のように思えて忘れてしまっている時もある。
このコレクション展では、そこに気づく良いきっかけがあった。

展示室にゆとりがあるので、作品たちを正面で独り占めできて、何度も室内を往復できてめちゃくちゃ満足した。

コレクション収集の軸

山梨県立美術館は、先述のとおりバルビゾン派の作品を主要なコレクションとしている。
意識してるのかしてないのか、広場には《落穂拾い、夏》の背景に出てくる積み藁みたいなかたちの植栽があって素敵。

積み藁みたいな木々

道中の景色も綺麗だったし、自然への関心がキーワードになっているのか?
だが、公式サイトを見てみると、バルビゾン村との共通点は緑豊かな土地だけではないらしい。

(バルビゾン派の画家たちの作品は)農業が重要な産業であり、豊かな自然環境に恵まれた山梨県の風土に相応しいものとして、収集の柱と位置づけられています。

山梨県立美術館公式サイトより


バルビゾン派の作品では、農作業の様子を緻密に表現することによって、そこで手を動かし働く人々への敬意も示されている点は見逃せない。
なるほど、山梨県って県民への愛が深いのかも、、、。

特別展で再会「炭化したパン」

ちょうど行けると知ったのがこの特別展「テルマエ展」である。

東京都美術館で開催中の「ローマ展」、そしてトーハクで過去に開催していた「ポンペイ展」とちょっと被るところがあったのが心躍った。

ポンペイ展では「炭化したパン」が展示されていて、出口ではまんまその形のクッションが販売されていてものすごく欲しかった。
そんなパンと、この展示で(レプリカだけど)再会するなど。

炭化したパン(レプリカ)

日本の入浴文化のゾーンで、花王やケロリンの製品たちをみることができたのも面白かった。
昔のパッケージがレトロでぐっとくる。

その他、サウナが好きな方は、コラボグッズもあるのでぜひ。サウナハットとケロリンタオル可愛かった。

サウナーじゃないのにタオル買った

いい美術館だった

展示も良かったけど、まず施設として優れてた。
そこかしこに椅子があるし、外の公園も綺麗に整備されていて1日楽しめた。

子どもも思い切り遊べる

ゆったりした雰囲気で「憩いの場として使ってくださ〜い」って感じが伝わって良かった。
こういうのが公共施設の役割のような気がする。

今回は日帰り旅だったが、次回はワイナリーに泊まったりして山梨の豊かな郷土をもっと満喫したいな。

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