スターフォックス64と私 〜64実機時代 season1 &チャージ弾について考えよう〜

1.チャージ弾ってなんだろう?

時は高校一年生の秋、本格的にスターフォックス64のスコアアタックに挑むことになったミコ。
まずは何よりもこのゲームの理解から始まった。
どうやらロックオンせずにチャージ弾を撃つのが良いらしい。それは分かった。では、チャージ弾とは一体何なのか?

最初のステージ、コーネリアの練習を始める。小学生時代のハイスコアは196HITだった(何故かこの数字だけはハッキリ覚えている)。
まだ無誘導チャージ弾の存在自体知ったばかりだ。いきなりZボタンとRボタンを同時押ししながらチャージ弾を撃てと言われても困る。
とりあえず見よう見まねで練習したのは、最初の敵を水面にチャージ弾を撃ちつけて撃墜すること。ブレーキをかけながらビルの根元にチャージ弾を撃ってガルーダを連続誘爆する。この二つだ。

たったこれだけのことだが、この時にチャージ弾に対しての認識が変わった。
今までチャージ弾は、敵をまとめて倒すとボーナスが追加されるという認識をしていた。しかし、どうやらまとめて敵を倒すのが重要なのではなく、チャージ弾の『爆風』を当てることが重要であること。そして、そのチャージ弾の爆風の判定が自分の想像以上に広いことが分かった。
特に後者の印象が重要で、遠くにいる敵を誘爆しようとすると判定が小さく思えてしまうのだが、近くの敵を誘爆していると「あれ?全然適当に撃っても誘爆出来るじゃん」と思える。ゲーム画面を平面として捉えて考えると、上下左右はかなりアバウトで問題ない。また、これに気付くのはまだ先の話だが、チャージ弾の爆風にはしっかりと奥行きがあり、立体的な判定がある…


これらの要素を踏まえると、スターフォックス64の画面は野球のストライクゾーンみたいだと思うようになった。となると、自分が今までたくさんプレイしてきたパワプロシリーズとやることが非常に近い。パワプロの打者操作も、投手が投げたボールに対してミートカーソルを平面的に動かして照準を合わせ、徐々に迫って来るボールを見ながら、引っ張り方向に打つか、流し方向に打つかで打つタイミングも変わる…と、ポイントが自分の手元か、手元から離れてるかの違いだけで、それ以外はパワプロの打者操作と変わらない。

また、野球だと投手の投げる球はストレートなのか、変化球なのか、どういう挙動をするのかその場その場で予測したり対応したりしなくてはならない。一応私は少年野球経験者で、少年野球では変化球無しのストレート一本勝負なのだが、それでも打つのは難しい。マシン打撃のように一定の球が来るわけでもないし、ティーバッティングのように撃つポイントが最初に決まってるわけでもない。打つか打たないかの判断も3ストライクを取られるまでに迫られる。少年野球で打席に立つ時は色々考え過ぎてプレッシャーを感じることも多かった。

だが、スターフォックス64の敵の動きは一定で、パワプロの打者操作、野球で実際に打席に立つ時のように予測をする必要がない。敵はマシン打撃のように一定に動き、自分が撃つポイントはティーバッティングのように決められている。このイメージは今でも持ち続けている。「これなら私にも出来る」という心の余裕はとても大切だと思う。

長くなったが、結論としては「チャージ弾とは、パワプロ(野球)の打撃をもっと簡単にしたもの」というのが、私の中の答えだ。このイメージが伝わると良いな…

2.スコアの伸びについて

さて、前回の記事で言ったように、私は元々、スターフォックス64は小学生時代に1500HITを超えられるくらいの実力はあった。
少し無誘導チャージ弾というものを覚えてTAS動画を何度も見た。とにかく最初は見よう見まねだった。
その結果がどうだったかと言うと、トータルは一番最初で1670HITくらいだった記憶がある。TAS動画で見た動きと自分の動きとでは遥かに差があるが、兎にも角にも記録が伸びて嬉しかった。

しかし、理屈では分かっていても、チャージ弾はロックオンするものだと思い込んで今までプレイしていたんだから、いきなりロックオンを外すと凄く困る。さっきこのゲームをパワプロに例えていたけど、パワプロでもロックオン機能を使うか使わないかでは打撃の難易度って雲泥の差があるよね…

とはいえ、敵の出るタイミングも自分がやることも決まっている。決まっているなら覚えれば良い。覚えるには練習あるのみ。
覚えてくるとだんだんスコアも高くなっていく。1600HIT台から1700HIT、1800HIT…特に1800HIT台は、スターフォックス64の攻略本(どの攻略本だったかは覚えていないが)に載っていたスタッフの記録だったので、「攻略本を超えたぞ!」と感慨深かった。昔のスタッフの記録ってえげつない記録ばかり載ってたよね…載ってなかった?
この辺りの記録を出している時はもう、やればやるだけ上手くなっていく。敵の動きを覚えるし、スティック操作の感覚も、無誘導チャージ弾の感覚も養われていくからだ。このゲームのスコアアタックをある程度詰めた人であれば分かってくれると思うのだけど、2200HITまでがスコアアタックをしていて一番楽しい時期だったんじゃないかな。



ただ、2200HITを過ぎる頃から苦しくなってくる。これを動画や配信で話題にすると、結構共感される。
じゃあ何故そこでスコアの伸びが苦しくなってくるのか?その理由としては、そこでチャージ弾の感覚的に一度限界が来るからではないかと私は思う。先程、自分はチャージ弾を平面と立体の二つの視点から捉えているという話をしたが、2200HIT辺りで止まるのはチャージ弾、ひいてはゲーム画面を平面的にしか捉えられていないからではないかと推測する。

平面で捉えると、地面や壁、またはビル等といった当たり判定がある何らかのオブジェクトに向かってチャージ弾を撃たないといけないという意識に囚われて、誘爆の引き出しがそれ以上生まれてこないのだと思う。
それ以上の記録を狙うのであれば、地面や壁にチャージ弾を打ち付けて誘爆するだけではなく、敵の出現タイミングに合わせたり、地面や壁に打ち付けずにチャージ弾を撃ったりする空中誘爆が必要になってくるからではないか?空中誘爆を然程必要とせずに伸ばせるトータルスコアの限界値が2200HIT前後だと私は考える。

3.空中誘爆のポイント

では、空中誘爆について少し考えてみよう。
先述したように、敵の出現タイミングに合わせたり、地面や壁に打ち付けずにチャージ弾を撃ったりして誘爆することを私は『空中誘爆』と読んでいる。

空中誘爆で重要なのは、これも先程言ったことだが、画面を野球のストライクゾーンのように捉えることだ。
野球に詳しくない人からすると、「野球のストライクゾーンと言われても…」となるだろう。ということで、ここで野球のストライクゾーンについて解説しよう。

なんとなく野球中継を見たことがある人は、テレビ画面に配球表と共にストライクゾーンが表示されているのを見たことがないだろうか?
多分、多くの人が見たことがあるのはこんな感じだと思う。(手書きだから分かりづらいかも知れないけど許してヒヤシンス!)

こんな感じで、平面的に9分割されたストライクゾーンを見たことがないだろうか?
横幅はホームベースの横幅と同様で、縦幅は打者の膝から肘までという具合だ。
パワプロでも表示されているのはこの平面的な四角だけだ。これを精密機械と呼ばれた北別府学投手は9分割して投げ込む素晴らしいコントロールで大活躍されていた。

しかし、ストライクゾーンは本来このような平面ではなく、ホームベースに沿った奥行きもある。

つまり、ストライクゾーンは四角形ではなく、ホームベースの形をした五角柱の形をしているのだ。

時々、「キャッチャーが捕球した位置はストライクゾーンなのに、なんで今のがボールなの?」となるのはこのためだ。
代表的な例としては、かつて淫夢に出演していたメジャーや北海道日本ハムファイターズで投手として活躍された多田野数人投手の超スローボールだろう。
あの超スローボールをキャッチャーがノーバウンド且つストライクゾーンで捕球をしたら、高目のボール球になってしまう。
それは少し極端な例なのだが、奥行きがあるということは、こんなボールもストライクになるということだ。

最初は高めだと思った球や、捕球点では低いと思った球も、このように奥行きで見た時に少しでも掠っていればストライクと判定されるのだ。

さて、このストライクゾーンをスターフォックス64のチャージ弾の爆風判定に置き換えて考えると、上の図の赤丸のポイントでも誘爆が出来るということになる。
だから、2200HIT以上のスコアを狙うような空中誘爆をするには、チャージ弾を立体的に捉えるイメージが必要になるというのが私の考えだ。

細かく突き詰めると、BGMや周りの背景、敵の影の濃さでチャージ弾を撃つタイミングを測るようになるのだが、その根幹となるのはこの立体的イメージだ。
ということで、もしも「2200HITくらいでスコアが止まった…」という人がいたら、是非ともチャージ弾やゲーム画面を立体的に見て欲しい。

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