よっちゃん

なんか日常書きます/北海道在住

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最近の記事

札幌マラソン

ハーフマラソンのスタート地点は真駒内にある陸上競技場だった。真駒内から向かうとき、何か懐かしい感情を覚えた。過ごしやすい気温、澄んだ空気、一つの場所へと人が集約されていく。 ああ、そういえば野球をしていた頃もこんな感じだった。 それは遠い記憶だった。もう6年くらい前になるだろうか。あの時は試合に出るわけでもなく、ただ漫然と向かっていた。 少しだけ高揚しながら球場へ向かうのは実に10年ぶりだ。 いつの間にか、野球は10年以上遠くの場所に消えてしまった。 ただ、断片的に残って

    • 彼女はいないのかしら?

      「彼女はいないのかしら?」 優しい目をした女性が僕に尋ねる。4,50代だろうか。断定できないのはその女性がマスクをしていたからだ。僕が感じ取れる情報は目元と声しかなかった。 僕は答える。間髪は入れない。 「いたら流石に…来ないっすよ」 語尾を崩した言葉と湿度の低い笑いが滴り落ちた。 僕はとある企業の最終面接を終えていた。 「採用を見送りたいと思います。」 その文章がスマホに届いた時、僕はお酒を飲んでいた。普段はあまり飲まない。ただその時は旧友と久しぶりに会ってい

      • 二浪目のこと(後編)

        後編です。そこまで具体的には書きませんし、長くないです。 付き合ったのが7月のことでした。基本的に僕の日常はあまり変わりません。早稲田の図書館に行って、勉強して、週に3回バイトに行くだけです。2週間に一回くらいデートをする。そんな日程です。バイトがかぶる日には帰りに30分から1時間くらい話しました。今となっては自信をもって言えないのですが、ちゃんと好きでした。 ありふれたことを沢山しました。 浴衣で花火大会に行く。 二人でプリクラを撮る。 鎌倉で食べ歩きをする。 観覧車

        • 二浪目のこと(前編)

          二浪目のことです。僕は早稲田大学の1年生でした。当時できた数名の友達と話すために英語の授業だけ出ていましたが、それ以外の授業は出ていませんでした。いわゆる仮面浪人というやつです。早稲田大学に合計100万円以上親が払っていましたので予備校に行くとは言い出せませんでした。そもそも予備校に行きたくありませんでした。トイレの回数が多く、授業を受けている余裕なんてないからです。英語以外の科目の基礎は完成していました。あとは知識の更新と演習をひたすらこなすだけだと判断して一人で勉強するこ

        札幌マラソン

          県立高校野球部の日常(3)〜行事〜

          我が県立高校には大きな3つの行事があった。 文化祭 陸上競技大会 修学旅行 文化祭文化祭は夏前に行われる。できるだけ受験に影響しないように6月に設定されていた。受験には影響しないが、7月から夏の大会が始まる野球部にはモロに影響する。 3年間通して、文化祭の浮かれムードに飲まれすぎず、かつクラスでのポジションを保ち、何より普通に高校生として楽しみたい、など様々な感情のバランスをとって行動することが求められた。野球部的には。 1年生の頃はまだ入学したばかりで人間関係も

          県立高校野球部の日常(3)〜行事〜

          県立高校野球部の日常(2)〜1年生と練習時間〜

          ※1話 現代の高校野球事情を僕は知らない。坊主にしない野球部が増え、おそらく10年後には坊主が少数派になるのではないかと思う。暴力や厳しすぎる上下関係はどんどん減ってきたのだろう。 僕らの野球部に暴力はなかった。でも上下関係や意味のない風習があったのは事実だ。前話の挨拶の件。1年が先輩に挨拶するのは良い礼儀だと思う。ただ90°である必要も、先輩の状況や周りの環境を無視して大声で挨拶する必要もない。挨拶された方がむすっとしている必要はない。いろんな風習が昔からあって、それぞ

          県立高校野球部の日常(2)〜1年生と練習時間〜

          県立高校野球部の日常(1)〜ルールと挨拶〜

          公立高校の先生の任期を詳しく知りませんが、恐らく10年だったと記憶しています。僕が高校に入学した時からおよそ10年間の歳月がたちました。今となっては我が母校となった、とある県立高校。僕たちの代が入学、そして硬式野球部に入部したのと同時に僕たちの顧問も赴任してきました。 3月で丸10年、その顧問も我が母校から離れることとなるでしょう。 一つの歴史が終わります。そんな大層な歴史ではないですが。高校名を書いてもさして問題はない気がしますが、一応とある県立高校とだけ。一卒業生として

          県立高校野球部の日常(1)〜ルールと挨拶〜

          2020年好きになったもの(1)

          山形県出身・田舎者の母親から1995年11月18日にポコンと生まれてきたのが僕であります。11月18日はミッキーマウス、ミニーマウスの誕生日でもあり、僕の先輩にあたります。親の出会いに興味がなさすぎるので詳しく聞いたことはありませんが、記憶の断片を継ぎ合わせると恐らく30年以上前に出会ったのであり、出会った場所は職場だったそう。職場は東京ディズニーランド運営会社。そんな出会いをした父と母は、僕が11月18日に生まれた時に自分たちの運命を信じたんじゃないか、絶対に聞かないけど勝

          2020年好きになったもの(1)

          同期(中)

          僕とその女は社内でもフロアが違った。だから、内定式で会ってから今日まで、すれ違った回数を含めても10回会ったかどうか、そんなところだった。 僕はなぜか、その女からフルネームで呼ばれていた。どうしてだか一度聞いたことがある。 「よしのた〇きはよしのた〇きって感じなんだよね」 意味のわからない理由だった。だけどなぜだか納得がいった。 僕が会社を辞めたいと思っている時期。 大人数での同期会の後、その女と二人で電車に乗っていた。会社を辞めたいことは言っていなかった。 「よし

          同期(中)

          同期(下)

          お店に入った。 話を聞く限りどうやらまたやらかしたらしい。 僕は言う。 「どう考えてもお前が悪いよ」 彼氏が怒っているらしい。そらそうだ。 「うん、だから男と二人で飲みに行っちゃダメって言われてる」 「は? じゃあこの飲み会は?」 「あぁ、よしのた〇きは許可出てるのよ。ほら。」 LINE画面を見せてきた。彼氏から《よしのた〇きお疲れさま》と送られてきた画面。 なんだかよくわからないけど、お互い顔も知らない男から信用されているらしい。あとお前もフルネーム呼びかよ。

          同期(下)

          同期(上)

          僕にはとても仲の良い同期が1人いた。 ・・・・ 去年の10月1日。その日は内定式だった。 知名度の低い大手機械メーカー。派手な人は少なく、堅実で真面目に勉強をしてきて、将来を見据えて入社を決める、そんな人が多い企業だった。 内定式後の懇親会。 相手の様子を伺う質問、当たり障りのない会話、絶妙に入れ込む自慢。 そんなものが宙を飛び交っていた。 僕は冷めた唐揚げを口に入れながら、一橋パーマ男のつまらない自慢話にあいづちを打っていた。 「(このテーブルも潮時か‥)」 僕

          同期(上)

          僕は本を読まない [2]

          本を読むようになった。 その際、自分の中で1個ルールを決めた。 本に使うお金はケチらないということ。 その結果、現在、僕の部屋には200冊を超える本がある。多分160冊くらいは小説。大学1年の冬までは本が1冊もなかったので、約4年で200冊。1週間に1冊というところだろうか。 読む、買う、読む、買うのサイクルを繰り返して、僕は毎日文庫本を持ち歩く人間になっている。 …… 僕は自分の意見の圧倒的なショボさに危機感を覚え、本を読むようになった。自分の好きなものを見て、自

          僕は本を読まない [2]

          アイドル live

          思えば、初めてアイドルのライブに行ったのは浪人生の頃だった。勉強も中断して、親に隠れて武道館へ行ったあの日。 舞台に立つアイドルはキラキラしていた。3階席からは米粒ほどにしか見えない。それでも目を凝らして表情を想像し、沢山手を振った。 遅れて僕の隣にきた中年のサラリーマン。 一人で物凄く笑っていた。なぜかとても嬉しかった。 会場が一体になる感覚。最後にはみんなでアカペラ合唱をした。アイドルってこんなに勇気と希望を与えられる存在なんだなと思った。 ライブ終了後、ラジオの生

          アイドル live

          僕は本を読まない [1]

          小さい頃から本を読まない子供だった。 親に特別買い与えられることもなければ自分から進んで手に取ることもなかった。小学生の僕の本棚には『ドラベース』と『結界師』とその他のマンガくらいしか入っていなかった。 朝の読書時間も読まない。図書館にある『ズッコケ三人組』も『かいけつゾロリ』も『ダレン・シャン』も『ハリーポッター』もまともに読んだことはなかった。それでも勉強はできる方だったし、人よりも理解力はあるし、「本を読んでいるから何が出来るようになるんだ?」と思いながら生きていた

          僕は本を読まない [1]

          花野井くんと恋の病

          少女漫画をほとんど読んだことがない。 何度か読んだことがあったはずだが、何一つ思い出せないのだから多分心に響いていなかったんだと思う。 当たり前だ。大抵男はイケメンのスーパーマンで描かれる。 全員鼻筋がスッと通っている。幼少期から長い間、鼻の開始地点と目の高さが全く変わらず、洗濯バサミを挟んで抵抗したような人間にとって、感情移入しろなんて方が無理な話だ。 そんな僕は主題の漫画にハマった。現在6巻まで出てます。全部読んでます。 例によって男はイケメンだった。これまでの経験

          花野井くんと恋の病

          セイバーメトリクスとパワプロ

          ※今回の文章は何かを参照して書いていません。めんどくさいからです。 間違えている記述もあるでしょうが、多めに見てください。正確なものは正確な文献に頼ってください。 ***************** 野球は確率と再現性のスポーツだ。 日本のプロ野球もメジャーリーグも成熟してからというもの4割ヒットを打ったバッターはいない。悪いとされるバッターですら大抵2割は残すし、シーズンのうちほとんどのバッターは2割から3割に落ち着く。これが野球というスポーツである。 500打数

          セイバーメトリクスとパワプロ