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「フェラーリ」の木曜日

「フェラーリ」(マイケル・マン監督)を見た。
想像していた感じとは違っていたけれど、いい映画だった。

細かいところまで1950年代が丁寧に再現されているだけで、映画を見て良かったと思える。どうやって撮ったの?としか思えない。

そしてカーレースのシーンは、いうまでもなく最高。またしても、どうやって撮ったの?と思わざるを得ないカットの数々。イタリアの雄大な自然を、フェラーリの赤が駆け巡る景色は、それだけでもうずっと見ていられる。

1950年のイタリアの、もう見られない景色が映画の中にあった。普段から映像美よりもストーリー重視で映画を見ているけれど、「フェラーリ」の景色を見たら、映画ってこの景色のために見るものだったわ、と言いたくなる。

内容については、取り上げる場面によって多面的に、いろいろな話ができると思いました。フェラーリが「(この仕事を続けるために、)心に壁を作っている」というところ、そして劇中にこりともしない彼の表情に、胸を打たれました。

これからも反芻しながら、あの景色の断片を拾って、いろんなことを思うのだと思う。おすすめの映画なので、ぜひ見てみてくださいね。映画で切り取られたフェラーリの人生の一コマは、華やかだけれど嵐のように激しいので、元気があるときに、ぜひ。


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