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【人が怖い実話22】縁切り榎(東京)

東京・板橋にある「縁切り榎(えんきり・えのき)」と呼ばれる神社(榎木稲荷神社)に参ってきた。

写真のとおり榎の大木がそびえる神社で、悪縁切りというご利益がある。縁切り神社といえば京都市の安井金毘羅宮が有名だが、東京にも存在する。由来は最後にまとめる。

昼すぎに私が最初に神社の敷地内に入ったとき、黒服の中年女性がベンチに座って、今まさに絵馬に文字を書こうとしていた。思いつめた表情で、絵馬をじっと見ながら、書く内容を思い描いている様子だ。

女性はこちらに気付いていない様子だったので、私はいったん敷地外に出て、近くの蕎麦屋で昼食をとることにした。

写真のとおり非常に狭い敷地のため、私がいると女性が絵馬を書きづらいのではないか、と感じたためである(写真に写ってないが、右奥にベンチがある)。

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蕎麦屋を出て再度、神社を訪問する。
先程の女性の姿はなかった。

絵馬が敷地左右のスペースに所狭しと並べられている。
すべて見たわけではないが、絵馬の日付を見る限り、全国各地から毎日のように奉納されているようだった。

ちなみに、神社は無人であり、絵馬は神社では販売されていない。
どこで絵馬を買うかというと、神社近くの美容院か蕎麦屋である。あらかじめ営業時間・定休日を確認しておく必要がある。
また、境内には筆記用具も置いてないため、持参しなければならない。

なので、絵馬を奉納するには相応の下調べと準備が必要である。

絵馬の多くは、嫌な相手との縁切りを望む内容である。以下の内容が書かれた絵馬もあった。

・憎い相手の名前と住所
・憎い相手のツイッターアカウント名を4人分ぐらい列挙
・ものすごく可愛らしい丸文字で、「○○(人名)は、ゴミ」

肉筆による負の感情だらけなので、少し絵馬を見るだけでも、人によってはかなり気分が悪くなるだろう。
誤解のないように書いておくが、「縁切り」のご利益がある場所だ。
他人に呪いをかける場所ではない

もっとも、呪いや罵詈雑言の類ばかりではない。
以下のような縁切り祈願も見られた。

・夫婦でそれぞれ1つずつ、同じ内容の絵馬(内容は細かく見ていない)
・両親の不仲なので、不仲の悪縁を切って仲良くなってほしい
・病気との縁を切ってほしい
・クジ運、金運のなさから縁を切ってほしい

どうしても切りたい悪縁がある場合、縁切り神社への参拝もひとつの手段ではないだろうか。

・・・

※写真は私が撮影したものです。

※縁切り榎について(板橋区HPから引用)

『江戸時代から板橋宿の名所として名高い縁切榎。もともと大六天神の神木でした。皇女和宮が降嫁(嫁入り)の際、縁起が悪いと、この場所を迂回したという逸話が残っていますが、庶民の間では、悪縁は切ってくれるが良縁は結んでくれるというので礼拝の対象となっていました』


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