見出し画像

【取材した怪談194】忘れられない修学旅行

「修学旅行でコワいことがありましたね」と語るのは、女性Lさん。

彼女が小学六年の時、修学旅行で関東地方の某県に出かけた。
宿泊したのは、旅館の最上階の一番奥の部屋。最上階は、女子児童、女性教員が泊まるフロアだった。一部屋8人ぐらい。

「初日の夜、部屋の天井からパタパタ走り回る足音が聞こえました。上は部屋がないはずなのに……。あと、同じ部屋に霊感の強い子がいたんですが、その子は、夜中に人外のものに首を絞められて私に助けを求めてらしいんです。私は寝てて分かりませんでしたが」

Lさんによれば、二日目の晩にもっと怖いことがあったという。

「別のクラスなんですが、寝ている女の子の布団に男の先生が潜り込んできてイタズラしようとしたらしいんです。二日目の夜に寝てたらそのクラスの子が私らの部屋に駆け込んできて事情を説明してくれて……。既婚でお子さんもいる先生で、皆から慕われていたのでショックでしたよ。結局、その夜は衝撃すぎて皆で朝まで起きてましたね。天井の足音とか、もうどうでもよくなってました」

旅行後、その男性教員は退職。
内気な女子児童に狙いを定めた犯行だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?