【バリ島】奇祭オメド・オメダン(kissing festival)
3月23日、デンパサール・セセタン地区で「オメド・オメダン」(omed-omedan)という儀礼が実施された。当該地区の未婚男女(17~30歳)が一組ずつキスしなければならないというもの。相手の異性は選べない。
本祭に関してバリ人に聞くと皆知ってるが、バリ在住の日本人に聞いても誰も知らなかった。なので情報収集が難航した。そもそも今年は開催されるかどうかすら分からなかった。公式サイトも発見できず。
最終的にはバリ人から有力な情報を得ることができ、今年の開催と開催場所を確認できた。キス祭りに付随して音楽イベント等も行われるようだった。キス祭り自体は何時から始まるのかが分からず、とりあえず朝10時半ぐらいに現地に着いて待っていた。結局、キス祭りが始まったのは16時ごろだった。
開始時間までは、その辺にタムロしている若者らに取材したりした。バリ島の黒魔術でcetikという呪法(飲食物に呪いをかけてターゲットに摂取させる方法)があるのだが、5人ぐらいに聞いて皆知ってた。あんまり深追いしないほうがいいよ的なことも言われた。
あと日本のセクシー女優(だいぶ昔の世代)を知ってた人もいた。会話の途中で急に「oppai」とか言いだすもんだからインドネシア語なのかと思ったが日本語だった。
話が脱線してしまった。以下に当日の写真・動画を載せる。
キス祭りの実際の進行方式は、
①白シャツの男性グループと赤シャツの女性グループがそれぞれ一列になり、別々のポジションにつく
②レフリー?みたいな人の合図で、お互いのグループが接近して先頭の者同士がハグ+キス
③その間、周囲のスタッフがバケツで水を浴びせる
④上記の繰り返し
だと思われる。
同行した友人と私が撮影した動画を添付しておきます。
事前情報では、男女それぞれ1人ずつ騎馬戦のように担がれるという話だったが、実際は担ぎ上げはなかったので路上からだと見えづらかった。雰囲気だけでも伝われば幸いです。
てっきり参加者だけが水を浴びせられると思っていたのだが、道路脇の観客にも大量の水がバケツから浴びせられた。びしょ濡れである。でも楽しかった。情報がないので苦労したが、無事に見ることができたホッとした。観客の中にはカッパを着用してスマホをビニールで包んだりして準備万全な人もいた。毎年見に来てる人に違いない。
このお祭りの起源は17世紀ごろらしく、当時の王様が重病の折、今のオメド・オメダンに相当する遊戯を見たら病気が治ったので「これええやん」ということで公的に行事化したようだ。その後、公衆の面前でキスするのはどうなの的な感じで一度は不実施になった。その際、祭りの実施場所で二頭のブタが1時間ぐらいケンカした出来事があり、「これは縁起が悪い。祭りを止めたせいだ」ということで再開されたという。水をかける理由は不明。
前記事のオゴオゴのパレードも奇祭とみなすことができるだろう。バリ島には、まだまだ奇祭があるのかもしれない。「黒魔術師が集う大会?が年1でひっそりと行われる」という情報も小耳に挟んだ。見たいけど怖い。