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取材した怪談

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私が取材した心霊的・不可思議現象の話です。
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2022年2月の記事一覧

【取材した怪談209】私にまつわる若干の怪異その2

いつも時間を割いて読んでいただき、ありがとうございます。 「取材していると何か怪異現象に遭いませんか」と聞かれることがありますが、その話を以前に書きました。それとは別に最近実感することを記載しておきます。 怪談の取材を始めてから、神社に入るのが苦手になっていき、それに反比例して廃墟が好きになっています。ホントに反比例しているイメージです。 神社に関して正確に述べると、鳥居を潜るのに何となく抵抗を感じます。以前はそんなことはなかったのに。自分は島根の生まれで出雲大社や八重

【取材した怪談208】龍神様(画像あり)

ある女性に提供いただいた不思議な画像を以下に添付する。二枚とも東京都内で撮影されたもの。「龍神様」ではないか、と彼女は推測していた。 後日、シャーマン(霊能力及び関連器具を用いて心身、財産、人間関係などの悩みを解消する方々)のS氏にこの画像を見ていただいたところ、「龍神様ですね」と回答を頂いた。

【取材した怪談207】居候の女

主に日本国内で活動されているシャーマン(霊能力及び関連器具を用いて心身、財産、人間関係などの悩みを解消する方々)のS氏から伺った話。 事の発端は、彼が女性Aさんの家庭事情を人伝に知ったことだった。Aさんは、日本人の父親とフィリピン人の母親のハーフである。 「当時、Aさんは両親、兄弟と一緒に日本に住んでたのですが、なぜか親族ではない中年のフィリピン女性Fが居候してたんです。居候期間は二年以上にわたり、家から出ていく気配は一向に見られなくて。なによりAさんの母親が、Fと一緒に

【取材した怪談206】呪物部屋

シャーマン(霊能力及び関連器具を用いて心身、財産、人間関係などの悩みを解消する方々)のS氏によれば、呪物は霊体を呼び込むそうだ。 数年前のお盆時期、彼は知人宅に宿泊した。その際、「呪物が保管してある部屋で寝てほしい」と依頼された。要するに、場の浄化を頼まれたのだ。部屋はロフト付きの洋室で、呪物は木箱に納入されてロフトに保管されている。 「その部屋のベッドで寝ようとして、眠りに落ちそうになると、頭、腕、脚などを霊にトントンと触られるんです。複数の霊体に同時に触られるのが分か

【取材した怪談205】笑う給湯器

主に日本国内で活動されているシャーマン(霊能力及び関連器具を用いて心身、財産、人間関係などの悩みを解消する方々)のS氏が、駆け出しの頃の話。 彼は地方から上京するにあたり、都内の一戸建ての空き家を借りることになった。二階建てで、当時で築三十年以上は経過していた。彼のお客さんの紹介だった。 「年間十万円で住んでいいよっていう破格の条件でした。その代わり、お祓いをしてほしいと頼まれたんです。その家ではお化けが出る話が出てて、空き家の状態が五年ほど続いてましたから」 入居して

【取材した怪談204】煽るタロット

女性AさんとBさんは一時期、タロット占いに熱中していた。Aさんはタロットカードと解説本がセットになった商品を購入したが、一通り占った後にすぐ飽きた。だからそのカード一式をBさんに譲った。 後日Bさんと会った時、彼女は愚痴をこぼした。 「Aちゃんがくれたカード、自己主張が強すぎてどうも私に合わへんわぁ」 Bさん流のタロット占いにおいては、占いたい内容に基づき様々な方法に従ってカードを捌き、特定の配置に並べる。そしてカードに<結果を示しなさい>と指示し、順番にカードを捲って

【取材した怪談203】空き部屋

彩乃さんは、とあるホテルで住み込みで働いていたことがある。 「同期が八人いて、そのうち七人はA館で寝泊りして、一人だけB館で寝泊りしてました。私はA館の部屋を割り当てられてたんですが、私の隣の部屋が空き部屋になってたんですよ。一人だけB館で寝泊りさせるんなら、その空き部屋を使えばいいのにって思ってました」 その空き部屋は、施錠されていたという。 彩乃さんが働き出して三ヶ月ぐらい経った夏ごろ。 夜中、彼女は共用トイレに行くために自室を出た。 「自分の部屋に戻る途中、寝ぼ

【取材した怪談202】事情聴取

いわゆる霊感を有する方が「自分は視える」と認識したキッカケの話。 当時小学四年生だった莉奈さんはその日、理科室で授業を受けていた。理科担当の年配の男性教員の指導のもと、ワークを黙々とこなす授業だった。早々にワークの課題を終えた莉奈さんは、やることがなくなって窓の外をぼんやり眺めていた。 「外を見てたら、若い男の人が上から落下してきたんです。身体はこちらに向いて逆さまの状態で、目が合っちゃいました。無表情でした」 吃驚した彼女はすぐさま教師に「人が落ちた!」と知らせた。

【取材した怪談201】喫煙所にて

ある春の晴れた日。島根県某市にお住まいの福間さんは、昼間に自転車を漕いで市役所へ赴いた。公的な手続きのためだ。彼は自家用車を所有しているが、快晴だったこともあってサイクリングを選んだ。「その日は朝から晴れちょって、暑いぐらいだったに」と振り返る。 当時は市役所の脇に駐輪場が設けられており、そこに自転車を停めた。役所内で手続きを終え、帰る前に駐輪場と道路の間にある屋外喫煙所で一服することにした。その時は彼ひとりだけだった。 柱状の灰皿近くで立ってタバコを吸っていると、スポー