【人が怖い実話2】常に笑顔の男
私が生物学を専攻していた大学3年ごろの話。
M教授が担当する「細胞生物学」という講義を履修していた。
その講義は、高校の教室より少し広い大きさのひな壇型の講義室で実施されており、受講者は40人ぐらいであった。
彼は教授とはいえ、偉そうな雰囲気は皆無で、いつも人懐っこい笑顔を絶やさない男性である。
ある日の講義で、細胞生物学の実験に使用する薬剤について話が及んだ。
「実験のために細胞を人為的にガン化させることがあるんだけど、そのときに『ホルボールエステル』って薬剤使うの