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「Zach Sang Show」アンバー インタビュー①【和訳】

2023年8月に公開されたZach Sang Showでのアンバー(Amber Liu)インタビュー動画和訳です。
約45分と長いので、3つに分けています。
※意訳あり

Zach:本日はお越しいただきありがとうございます。
Amber:こちらこそありがとうございます。ちょっと時差ボケ中ですが、楽しみにしてました。

Zach:今日はどこから?
Amber:ちょうど飛行機で飛んできたところです。昨日上海にいたので、飛び回っていて今あまり時間の感覚がありません笑。

Zach:本当に魅力的な人で、今日お話を聞けるのが楽しみなんですが、三カ国語話せるんですよね?中国語はその一つ?
Amber:ええ、中国語、韓国語、英語とほんのちょっと日本語、でもほんとに基礎だけ。

Zach:それはLAにいるときに学んだの?
Amber:いや、ほとんど仕事をしながら学んでいった感じです。前の事務所に入った時、すぐに韓国に渡り、2カ月ほど韓国語の学校に通って、デビューしたので。常に周りの人の雰囲気を感じ取りながら、周りが笑い始めたら自分も笑うみたいな。中国語も同じような感じですが、両親の影響で幼少期から少し話してはいました。
なので仕事をしながら、翻訳アプリを使ったり、常に「これはなんていうの?」って質問したりしていました。

Zach:事務所に声をかけられたのは何歳のとき?
Amber:14歳。

Zach:そんなに若く!ということは脳も一番吸収しやすい、翻訳アプリを使いながらでもちゃんと言語を学べる時期だったんですね。
Amber:逆に今脳の働きが悪くなってます笑。
自分たちの働き方はけっこう過酷で、先週なんか毎日飛行機に乗って、いろんな都市・国を行き来していると、自分がいつどこにいたのか全然思い出せなくなっちゃうんです。そこにいたときの動画を見れば思い出せますけど、もう30歳になって色んなことを忘れているんだなと実感しています。まあ楽しんでいるのでいいです!

Zach:でも本当に全部覚えておきたい?
Amber:うーん、まあ確かに全てを覚えておきたいわけじゃないかも。

Zach:すごく有名なグループのメンバーでしたよね、でも自身のことはkpopスターだと捉えていないの?
Amber:確かに、あるときまではそうだったと思います。でも今のkpopは巨大なものになってきていて、「単なる韓国のポップ音楽」で捉えられなくなってきています。様々なコンセプト、ピッタリそろったダンス、ファッションなど様々な要素を含むようになっている。
以前の事務所を辞めて、ただ自分のことを自分でやりたかった。英語や中国語、韓国語、日本語で作詞するとか。
自身がkpopにいた過去を愛していないわけではなくて、今の30歳のAmber Liuとして、違う人間だというのを見せたい感じです。

Zach:そういう考えって、齢を重ねながら行きつくものだと思うんだけど、14、15歳となると成長とか進化はまだこれからの時期ですよね?
Amber:こうなったのも、kpop業界が影響していると思います。今はだいぶ違ってきているとは思いますが、当時は「次にリハ、そのあとインタビュー5本、またリハ、別のインタビュー、、」みたいな感じで常に仕事に追われていました。
20歳半ば、疲れ切っていたときにふと「この5,6年何してたんだろう」と分からなくなって、自分探しをしたいと思うようになりました。なので子供のころにやってたスケボーを始めたり、バスケやってみたり。デビューしたのが16歳で、そこからは休みなしだったので、2-3時間睡眠が当たり前になってくる。でも音楽や芸術をやっていて思うのは、アーティスト以外の生き方を見つけるのもインスピレーションを受けるために重要ということです。実際に昨年は、ちょこちょこ仕事はしていましたが、カメラから離れて長い休みをとって、自分が何をやりたいのか考える時間にしていました。
当時の韓国アイドル業界はすさまじくて(cuttthroat:無慈悲、残酷な、厳しいという言葉を使っています)、「こんな働き方をしてまでなぜ自分はここにいるんだろう?」と思っていました。他のやり方で自分の夢や自分の音楽を続ける方法はないのかと。
今は色んなセラピーに行ったりして、ゆっくり生きれるように努力しました。私は、これがやりたい!となったらとことんやって、燃え尽きやすいタイプですが、それは健康的じゃないと分かっているので、自分自身に「1日20時間働かなくてもいいんだよ~」と言い聞かせて、ゆっくり時間をかけられるようにしています。

Zack:でも長い間そういう働き方に慣れさせられていたわけですよね。これは皮肉というか悲しくも感じるけど、例えばスケボーとか、事務所が当初評価していた他にはないアンバーの魅力が、事務所によって奪われてしまっていた。
Amber:一般的にこの業界は先が読めないです。一度人気になったらものすごい人気になって、毎回のチャンスを掴んでいかないといけない。私のグループがトップにいたとき、ひたすら歩み続けないといけませんでした。もし止まってチャンスを逃したら、給料やメディアへの露出など、表に出るための機会を失ってしまう。
どのアーティストも同じだと思いますが、特にkpop業界はアップダウンが激しい。自分や知り合いもそうですが、人気が落ちているダウンの時期は不安に考えてしまうことが多い。なので今は平穏に過ごせるように「今ダウンタイム?!犬と遊べるじゃん!散歩してポケモンゴーできるじゃん!」と考えて、楽しめるようにしています。

Zack:f(x)として活動するのが若すぎた、と思うときはありますか?グループが韓国で大人気になって、1位を受賞したアルバムが何個もあって...
Amber:もし戻れるとしても何も変えようとは思いませんが、何が起こっていたのかきちんと理解できるほど大人ではなかったと思います。
特に外国で、言語もうまく話せず、家族と離れているなかで、頼れるものがなかった。自分だけが言語を話せない状況だと、仕事で既に疲れ切っているのもあって、わざわざ自分が言いたいことを言うために労力をかけたくない。なので自分の殻に閉じこもっている方が楽でした。
でも自分にとって良くないことだったので、今は間違えても話すことに自信を持つように心がけています。なので今は海外で仕事をするとき、その言語にあまり慣れていなくて間違えたとしても、「話せないから~いいよね?haha」みたいな感じで受け止めています。

Zack:当時のkpopと今のkpop業界の違いを感じる部分はありますか?当時より良くなった?悪くなった?
Amber:正直にいうとあんまり分かりません。前に聞いたことがあるのは、、当時は毎週木・金・土・日に音楽番組があって、それが新曲の宣伝期間でした。だから木曜日からは、朝3,4時に起きて、ヘアメイクして、カムバの1週目だったらそのための特別ステージを撮影して、生放送まで待つ、、というのを繰り返します。
数年後、音楽番組がより頻繁になって、月曜から日曜まで毎日放送されるようになりました。事務所がどうするかにもよりますが、大体最低週4つか5つの番組に出演します。デビュー曲は2カ月半くらいやったと思います。なので、1~2カ月間、毎週フルでカムバする感じです。
ただ前に聞いたのは、今は1週間だけカムバするみたいですね。youtubeコンテンツなど今はデジタルコンテンツが伝統的なメディアより増えているので。環境が前より良くなっているといいのですが。
加えてkpop自体が国際的に人気を得てきているので、アーティストが世界中に音楽を宣伝できるようになっていると思います。

Zack:
そうですよね。昔から人気ではありますが、今はまた違ってきていますよね、少なくとも北アメリカでは。wonder girlsの頃からkpopを聞いていますが、wonder girlsというと2008?2009年あたりですよね、その頃はどうでした?
Amber:そのときのkpopというのは、とはいえ今もまだあるとは思いますが、はっきりとしたコンセプトがありました。2pmのゾンビコンセプトをよく覚えています。かっこよかった!あとは、制服コンセプト。これはどのグループもやるあるあるなコンセプトだったと思いますが。あとは、Shineeのシャーロックホームズっぽいコンセプトとか。シャーロックは良い曲で大好きです笑。
とにかく、明確なコンセプトがあって、真似できるような「ポイントダンス」があった。今のtiktokダンスみたいなものですね。でも今はそういうのをあまり感じないです。間違ってるかもしれないけど。今は音楽自体がもっと多様になったというか。当時は楽しく踊れる音楽だったけど、今はヒップホップ、ポップ、EDMなどがミックスされていて、kpop自体が進化したと思います。

Zack:
歌詞の内容も進化していますよね。特にBTSなどはデビュー期から、多くの若者が共感する歌詞が多くて、ディープな意味を持っている。
Amber:当時、多くのグループは、といっても全てがそうではないと思いますが、ほとんどのメンバーはグループ活動のみを行って、たまに一人だけソロ活動するみたいな。特にグループの人気が落ちているときに。
でも今はグループの人気が上がっていて、グループとしてプロモーションしているときでも、ソロっぽい活動をすることが普通になってきています。なので、アーティストそれぞれの個性がより出しやすい、言いたいことを言えたり作詞したりしやすくなっていると思います。

Zack:
音楽が民主化されていくなかで、表舞台にいるためには多くの音楽をリリースし続けないといけない状況になっていると感じます。以前はリリースしすぎるのはあまり好かれていなかったけど、今はそんなことないですよね。
Amber:そうですね、「新しいのは新しいのは??」「もっともっと!」って感じなので。

Zack:
当時はただあるものを出して、できるだけ多くの人に知ってもらうのが目的でしたよね。今は違いますね。
Amber:ですね。特にストリーミングが変化して、例えばyoutubeとか。ちょっと前に友達と「インスタなんてないときにデビューしたよね」って話してて、自分でもびっくりしました。ちょうどyoutubeはこれから発展していくときだったので、年を感じました笑。

Zack:
ファンは同年代の人たちですか?
Amber:びっくりですけど色んな人がいます。もちろん、ここ10年くらいずっと一緒にいてくれる昔からのファンもいますが、最近やっている中国での番組の影響で、より若いファンも増えてきています。どうやってわたしを見つけてくれたの?って感じです笑