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春を待つ停留所(次)

出逢いからはじめての桜の季節

いつも君の乗るバス停の一つ先の停留所は

桜の花が満開だった

停留所の中にまで桜の枝が入り込み

ベンチに座れば雨の日でさえ

お花見ができる場所だ

約束したわけじゃないこの場所で

次という出逢いの奇跡を思う

今という同じ時を同じ場所で過ごしたことは

1度目の奇跡に違いない

1度あれば2度3度続くものと期待しかしていない

桜の季節は短い

同じように僕らの出逢いも短い日々だった

それでもなぜか記憶の中に残る印象は

未だかつて見たことのない

満開の桜のような満面の笑顔

桜の散る季節を惜しむことなく

芽吹く新緑の草木が育まれる力強さも秘めるほどの

その笑顔に逢いたくなる

次のバス停、次の季節

次という2度目の奇跡を願っている

僕の未来予想図では

大きな声で手を振るその満面の笑顔は

変わらずに無敵の笑顔で輝き続けている

約束のある未来は楽しい

次のツーショット写真は

次の春まで取っておこう

春を待つ停留所で

君のしあわせを願っている

できることなら

スリーショットの春に

僕は期待しているのだけれど…