何もできないことが楽しかった!
ある冬の日曜日!僕は友達に誘われて、
料理教室に行ってみる。
最近、料理を始めたんだ〜から始まって、
ならあたしもたまに行ってる料理教室に
来てみない?と言うお誘いは
去年からあって、
ようやく先日、参加できた。
必要なものは、エプロンと手拭い!あとは
参加費800円!。ある?あるよ、と笑う。
とは言え、エプロンを前日に部屋で探しても
見つからず、
当日、無印良品で買っていく。
友達が笑う。高いの、買ったね!。
しかもエプロンの後ろのボタンが
閉められず、友達にまた笑われる。
その友達に連れられて、公民館の
いちスペースに入る。
入るなり、バタバタと友達が花を活け始める。
僕がボーっと突っ立ってるうちに、
鍋に水をはって、火にかけるひと、
お米を研ぎ始めるひと、
ボーっと突っ立ってる僕に、
友達が「自分で仕事見つけて!」とあおる。
近くにいた年配の女性が、
あなた、じゃあ大根をすって!
と言ってくれて、
大根をするんだけど、
友達が違う、違う!と割り込んでくる。
たて一辺倒じゃなくて、
角度を変えてみて!と。
この頃には焦りもなく、
笑ってしまっている僕。
あなた、じゃあ見てなさいと、
ある女性が言う。
その方にはずっと見てなさい、と言われ続ける事になるんだけど!。
別の年配の女性が、あなた、じゃあ白あえを作るから、お豆腐を鉢のなかで崩すから手伝って!と言われる。
んで、見てなさい!の方にまた見てなさい!と、それから私はあの人の白あえの作り方を見たいから!と言われて、
僕はまた佇む。
するとその年配の女性が、
二人に任せるわねー、とその場をあとに
するものだから、
見てなさいの女性が、ちょっと怒り気味に
僕を見る。
10数人分のお昼ご飯、
友達が鮭を油で揚げている。
ほたての炊き込みご飯の匂いする!。
油揚げの湯煎をする。
びびってる僕に、
友達がなんでそんなにびびるの?
と笑う。
いや、介護系の施設とかだと、
ルールがガチっと決まってて、
しまうお皿の位置まで厳しく言われたりする、
と返すと、
そんな感じじゃない!とまた笑う。
あっという間に、料理が終わり、
テーブルの上に並べられるご飯。
ほたての炊き込みご飯、
お味噌汁、
鮭のフライに大根おろしなどをかけたもの、
白あえ、
僕は箸とスプーンを並べて!と指令が与えられ、
箸にも置き方があるから、
ビビりつつ、恐る恐る並べて、
着席。
いただきます。
白あえ、子供の頃には苦手だったのに、
甘くて優しくて美味しい。
ほとんど何もしてないけど!。
あなた、ご飯、おかわりしなさい!。
はいっ!。
それからは仕事や好きな音楽や、
まったり、お話し。
それからコーヒーとケーキを食べて、
片付け。
お掃除。
僕が床をはく。
僕が床をはきますよ、と言うと、
主催の女性が、助かるわ!あたし、
さぼるの、大好きなの!と言うから、
心のなかで、いやたぶんこの方はすげー
やり手のひとだな、と思っていたら、
あとで話したらやっぱり
そうだった。
とにかく自分の不器用さに、
何もできなさに笑って、笑った。
あと、料理教室ではなく、
地域で交流を兼ねて料理をする会、ニュアンスが違った笑。
あなた!おにぎりにしてあげるから、持ち帰りなさいと、余ったご飯をおにぎりにして、
貰う。
それが写真。
とにかく優しくて美味しい。
自分が作ったものならなおさら、
と書きたいけど、何もしてないけどね。
けど、また来てね!と言われると嬉しいし、
何もできないのは、これからやりたくて、
できるようになるために必要な過程だから、
楽しかった!。
最近、自分でご飯を作る機会が増えて、
仕事でもちょっとした料理はしてる。
ゆっくり、うまくなっていこうとは思ってる。
あの、あなたは見てて!の方は、やっぱり
友達も気になってたらしく、
ずっとあなたは見てて!って言われてたね、
と帰り際に笑ってた。
毎回参加!と気負わずに、
また参加できたら、行きたいな。
もっと穏やかで丁寧に暮らしたい。
手で作ること、触れることにいま興味がある。
美しい日々だと、いまはずっと思う。
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