踏み出すにせよ、とどまるにせよ

美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみの名前を呼ぶとき
それはぼくの希望となるだろう

美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみに名前を呼ばれたとき
それはぼくの希望となるだろう

ひとはそれぞれの選択を生きる
とどまるにせよ、踏み出すにせよ
ひとはそれぞれの選択を生きる
果たされなかった約束ばかり、追いかけてきた気がする

ずっとつかまえていてね
ぎゅーっと抱きしめ合いながら
ささやかれた小さな声も
いつかは掻き消されて、それをまた探そうとしても

じゃあここでね
きみはとどまり
きびすをかえすぼくの顔は
捨て犬みたいに見えていたんだろうか?
ぼくは踏み出したのか、ぼくがとどまって
時間を止めたのか

美しさに名前をつけたなら
それはいつかの約束だ
きみの名前を呼ぶとき
それはついに果たされることのなかった
いつかの希望だ
ひとはそれぞれの選択を生きる
踏み出すにせよ、とどまるにせよ
友よ、美しいひと
それでもまた、約束を交わそう
揺らぎながらも
いつかの美しさだけをたずさえて

#詩

#ポエム

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