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「感作」って何?

感作、って言葉よく聞きませんか?

A.聞かない


……私はたまに聞きます。感作。でも漢字の変換ですぐには出てこないなこの漢字。もどかしい。後でIMEパッドに登録しよう。

感作って何でしょうね。脱感作法とか。

直近で見たのは2日前。バイト帰りにhibiのゼラニウムのお香を買ったので、Wikipediaでゼラニウムの記事を読んでいた時の時のことです。

ゼラニウム

精油の香りには鎮静と刺激、両方の効果があり、香りを嗅いでリラックスする場合と、逆の効果が現れる場合がある[7]

比較的安全な精油であり、食品業界・化粧品業界で多用されているが、近年EUによって、非常に強い感作性を有するという評価がされた[7]

Wikipedia テンジクアオイ属

ゼラニウム。主にテンジクアオイ属の園芸種を指し、生薬や香料として使用されている。感作性と脱感作性を併せ持つ。

これです。そのままWikipediaで調べてみよう。

感作

感作(かんさ、sensitization)とは、繰り返される刺激によって、それに対しての反応が徐々に増大していく非連合学習プロセスである[8]。感作はしばしば、反復刺激であるというだけではなく、刺激のグループ全体に対しての応答強化として特徴付けられる。たとえば痛みを伴う刺激が繰り返されると、騒音に対してより敏感に受け取るようになるようなことである。

感作 - Wikipedia

日本語でおk

なんとな~くパブロフの犬みたいなことを言っているような気はする。

繰り返される刺激によって、反応が増大していく…ってところは汲み取れたけど、非連合って何だろう?逆に連合学習プロセスもあるのかな。


非連合学習プロセス

心理学のページが色々出てきました。
学習には非連合学習と連合学習の二種類があるとのこと。ビンゴ。
ビンゴ、グローバル、yeah(BEGO GLOBAL立ち上がり場面音声)

非連合学習

単一の刺激を連続で与えることによる反応。

非連合学習には馴化(じゅんか)と鋭敏化の二種類がある。
刺激が繰り返されることによってだんだん慣れてきたら馴化=脱感作。逆にどんどん敏感になっていったら鋭敏化=感作。

連合学習

非連合学習が単一の刺激に対し、こちらは刺激と刺激の相互作用の学習。

こっちには古典的条件付け(パブロフ条件付け)道具的条件付け(オペラント条件付け)の二種類がある。
本来持ってる肉体的反応を強化するのが古典的条件付け。学習で本来無い所に条件反射を起こさせるやつ。パブロフの犬がこれにあたるらしい。
学習により新たな行動パターンを得るのが道具的条件付け。ある自発的な行動で報酬を得たらその行動をするようになる、逆に罰だったらしないようになるってやつ。AIの学習でこんなのあったな。(さらに、強化因子と言う名の報酬にも生存本能に近いか否かで優先順位があるらしい)


例えば、

大きな音が鳴り続けていて慣れるのは非連合学習による馴化=脱感作。
逆に敏感になるのは非連合学習による鋭敏化=感作。

ブザーと共に餌が出てくる、を繰り返すことでブザーが鳴ると唾液が出るようになるのは連合学習の古典的条件付け。
レバーを押したら餌が出てくる、を繰り返すことで餌が欲しい時にレバーを押すようになるのが連合学習の道具的条件付け。

こんなところでしょうか。何の話をしていたんだっけ?

そうだ、そうだった。ゼラニウムの感作性って何?って話だった。

「感作」は非連合学習の鋭敏化ってことだから…
ゼラニウムの香り(単一の刺激)を嗅ぎ続けることによってその香りを強く感じるようになるってこと……??

本当に…?

本当にそうか…?

もう一回ググってみよう。

感作性 sensitivation
化学物質に暴露することで、アレルギー性反応を引き起こす性質。

用語集 | 化学物質管理   

※暴露 化学物質が体に入ること。物質の入り方によって吸入暴露や経皮暴露、経口暴露などの種類がある。

もう一回調べたところ、「感作」と言う言葉は心理学だけでなく医学でも用語として使われてるみたいでした。

刺激に対して敏感になる、というのとアレルギーを引き起こす、は確かに大体同じ意味になりそう。


ってことは…「ゼラニウムには感作性がある」の意味は…

Ⅰ.ゼラニウムの香り(単一の刺激)を嗅ぎ続けることによってその香りを強く感じるようになる

Ⅱ.ゼラニウムの精油に暴露され続けることによって精油に対してアレルギー反応を持つようになる

このどっちかだろうか。教えてくれ、Google先生!



答え合わせ


Google先生 つ
どこかのお医者さんが運営してるサイトにたどり着きました。

ゼラニウムとローズゼラニウムの精油は、一般的に外用は安全だと考えられています。ゼラニウム精油は欧州連合では強力な感作物質として分類されていますが、ロバート・ティスランドとヤング(2014)はゼラニウム精油に関する皮膚感作の研究をまとめ、そのリスクは低いと結論づけました。しかしながら、適切な希釈による皮膚への配慮は必須であり、皮膚に対する頻繁な使用は避けるべきです。私はまた、感作のリスクが高い人にはこれらの精油の局所使用を避けることをお勧めします。(すなわち、似たような反応の既往歴や敏感肌の既往歴がある場合)

ゼラニウムには感作性はない…と?

一旦それは置いておいて、ここにおける感作はどっちの意味か考えよう。

ここでは外用による皮膚感作の話をしているから、最初の話は
Ⅱ.ゼラニウムの精油に暴露され続けることによって精油に対してアレルギー反応を持つようになる(ならない)
の医学用語としての解釈で良さそう。

それにしても、このサイトによるとゼラニウム精油に感作性はないとのこと。
一応他のサイトも確認してみたところ、「敏感肌がひどい人にはだめ」とか「議論中」とかでした。


おまけ


ゼラニウム精油の主成分はシトロネロールってやつらしいのですが、それに抗アレルギー作用がある、なんて話も出てきました。ざっと流し見したところ、受身皮膚アナフィラキシー反応を行って、抗アレルギー効果があると結論付けたと。どの程度の物なのか知りたい。(脱顆粒反応がどうこうとかそこらへんは各自調べてください)

※受身皮膚アナフィラキシー反応
モルモットやネズミに皮下注射(あるいは塗布)して、アナフィラキシー反応が起きるか見る試験


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