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取り返せない時間があるから ドッキリって言葉が大好きで あの時のことも総て、凡て 笑ひ合へ…
天命は愛も哀も等しく我らに与へ給ふ いかなる時も詠へ聲で「まだ生きてゐる」と 聲は丘を越え…
心を詮らかにしやうとすれば 言の葉の意は賽の目で 伝ふ人々各々で転じて 意義こそあれど雲の…
枯れ枝そぞろに春に手を 伸びる吟聲、なに想ふ 誰が応ふれば和するか 吾れ唄へれば応ふるか
軛はやがて風と朽ち 草生す地となりませう 人の魂緒も刻と霞み 夢を和する歌枕となりませう
もしも私、空を自由に飛べたら 大切なものだけ右脚に括つて、 左脚は自由にさせておきます。 …
かうして僕らはひとりだ 草花は枯れて、鳥は遠く去つた 一面真白なこの荒野に 突き立てる足はまだ折れてゐない
なにかを抱えることってね、 実は偉いやうで悲しいことなんだよ。 気づかないうち私たちやっぱ…
夏影が目を差すごとに 僕のあの日が還つてくる それはまるで欠片で 水しぶきのやうに明滅する
緑の木陰でちらちらと 光りの粒が降りてくる それは座つた僕の肩に 手を置く君の温もりに似て
私はいつも怖気づいてしまつて 春が往くのに耐えられない 桜も君もゐなくなつてから 悔いては…
君の思ひ出に触れやうとしても いつも空しく宙を攫むだけ 曝す手指のあひだを流れる 冬風は冷…
ひと握りほどの辛苦をポツケに あとは時間がさらさらと流れて まういいかいと取り出してみる …
風に逆らふやうにして 煙草のけぶりを吹き返す 月も隠せなけあ星もさへぎれない けれども心はすこし霽れたかな