見出し画像

ひとりぼっちのくろ_6

「猫島」は、人間が住んでいない小さな島だ。
ホーホはくろを島に降ろし、「じゃあな、グッドラック」と言って飛び去った。

くろが浜から歩いていくと、すぐにたくさんの猫たちが見えた。
キジトラ、サバトラ、茶トラ、三毛、しろ...
みんな、広い野原や木の上で、それぞれのんびり過ごしている。

画像1

くろがキョロキョロしていると、目の前を一匹のキジトラ猫が横切った。
「なんだ、おまえ、新入りか」
キジトラはくろを見て言い、鼻をひくひく動かした。


「人間の匂いがするな。おまえ、人間と暮らしてただろ。捨てられたのか?」
「違うよ。自分で出てきたの」
「はっ、そりゃいいや。この島じゃみんな、自由だ。おまえも好きにすればいい。ただし、自分の面倒は自分でみるんだな」
「ねえ、黒猫の家族を見なかった?」くろは勢い込んで聞いた。
「黒猫の家族ぅ?ああ、反対側の浜に住んでるやつらかな。そういや、子どもが一匹見つからないって騒いでたぜ」

(つづく)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?