見出し画像

Good Jobのその向こう_映画「セッション」を観て

 「セッション」をみた。
とにかく狂気的な映画だった。
ドラムというひとつのものにあれほどまで狂える彼を羨ましいとまで思った。何もかもが刺激的であった。

この映画を見る前にサムネで落ちこぼれ生徒が教授と出会って才能を開花させる的な?と思っていたら全くの別物だった。
もはや1時間47分ぶっ通しで殴り合いをしているかのような熱量と狂気。
ジャズにかける思い、綺麗事なんてクソッタレと言わんばかりの妬み、嫉み、血、汗、暴力、暴言。我々が耳だけを介して聴いているあの音楽にはこれほどにも情熱が詰まっているのかと圧巻させられる。

フレッチャー、怖すぎる。
開始数分でわかる、大物だと納得させる威圧感。
と思えば自分のバンドにニーマンを引き入れるモンだからなんだ根は優しいのか。アツい先生なのかな。なんてなんて思って見進めた私にいってやりたい。マジで怖いぞ、この教授。

こんな理不尽、ヤバすぎる。あまりにも怖すぎる。
吹奏楽部出身だからわかるあの緊迫感。たまったモンじゃない。


しかし私が一番衝撃的だったのはフレッチャーのこのセリフ。

英語で最も危険な言葉はこの2つだ。 『上出来だ(Good Job)』。

映画 セッションより

彼は絶対に「Good Job」とは言わなかった。
上出来だ、とは彼らの成長をそこで止めてしまう抑止力になるからだ。
もっと早く、もっと上手く、もっと、もっと、もっと。
上へ上へ、上り詰めろ、そんなのではまだまだだと、彼らの背中を鋭い鞭で何度も何度も叩き上げているのだ。

これを踏まえて見るラスト。

ニーマン、Good Jobすぎる。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?