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「投げたボールが箱になって戻って来る」⑩

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普段生活していると、あまりにも当たり前すぎて言葉のやり取りに無頓着になっている気がしませんか?本当に、会話は成り立っているのでしょうか?見ていきましょう。

ボールを「ことば」に見立てる。

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ひだり君が「ことば」をみぎ君に投げます。みぎ君は「ことば」を受け取ります。みぎ君は、「ことば」を箱に変えて投げ返します。ひだり君は「ことば」の箱を受け取ります。

こんなやり取りになっていますね。

例えばこんな「ことば」を入れてみます。

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【ひだり君】今日は、どこにご飯食べに行こうか?

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【みぎ君】今日のご飯ね。

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【みぎ君】あ、そうだ!今日の午後、荷物受け取ってくれた?

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【ひだり君】ん?荷物?えっと、夜ご飯は?💦 

もう、これ「あるある!」ですね!!日常的に、よく見かけるキャッチボール。【ひだり君】の「ことば」を【みぎ君】は受け止めてくれました。ここまでは会話成立です。ところが、「ご飯」と聞いて何かを思い出した【みぎ君】。話が別な話題に差し替わってしまいます。【ひだり君】は、自分が投げかけた「ことば」に対して返事が返って来ると思っているので、別な話題の「ことば」が返ってきて戸惑っています。

ああ、もう本当にちょくちょく「あるある!」です。

これ、何がこういう状況を作り出しているのでしょうか。はじめ【みぎ君】は、【ひだり君】の「ことば」に耳を傾けていました。それについて、そのまま「ことば」を返せば、会話のキャッチボールは進行していきます。会話の中身に注意を払っていれば、会話は途切れません。または、【ひだり君】が投げてきた「ことば」の意図に興味を持っていれば、会話は途切れません。【ひだり君】の投げかけた「ことば」を聴いて、【みぎ君】は自分の思考を刺激されて、自分に意識を向けたのだと思います。だから、【みぎ君】は、自分が気になった「ことば」を【ひだり君】に投げ返しました。そんなやり取りが、見えてきそうです。

あなたが【みぎ君】だったとしたら、あなたが【ひだり君】だったとしたら、どういう対応ができるのでしょうか?あなたは、こんなキャッチボールした事ありますか?

次は、こんな「ことば」を入れてみましょう。

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【ひだり君】今回のテスト、80点取ったんだよ!♪♪

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【みぎ君】ん?80点?

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【みぎ君】あと20点あれば100点なのに。がんばれよ!

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【ひだり君】あ、う…ん。そうだね…。

今度は、会話は進行していますが、どの側面を見ているのかの違いです。

【ひだり君】は、今回のテストで頑張って80点も取れた事がうれしかったみたいです。だから、一緒に【みぎ君】と喜んでほしかったんだと思われます。ところが、【みぎ君】は100点には足りないので、出来た事ではなく出来ていない事に焦点をあてて、「ことば」を返してきました。目に見えている事象は、【ひだり君】も【みぎ君】も同じです。事実は、テストの点数が80点だという事だけです。これをどう見るか、捉え方の違いがありました。

これも「あるある!」です。我が家でもあります。自分としては頑張った事を、そのプロセスを認めてほしいという事ありますよね。でも、相手は結果を重視するタイプだと、行き違いが起きる場合もありそうです。こんな場合、【ひだり君】は、どんな「ことば」を【みぎ君】に投げかけたら良かったのでしょうか。【みぎ君】は【ひだり君】に対して、どんな風に向き合ったら良かったのでしょうか?どちらとも、気持ちの良い会話にするには、何か秘訣があるのかもしれません。あなたなら、どう考えますか?

ボールを「感謝」に見立ててみる。

今度は、ボールを「感謝」に見立ててみます。いつも仲良くしてくれる相手だったり、色々お世話になっている方に対して、気持ちのお返しをする事ありますね。そんなシチュエーション。

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【ひだり君】普段お世話になっているので、「感謝」の気持ちをみぎ君に贈りました。

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【みぎ君】ひだり君からの「感謝」の気持ちを受け取ります。

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【みぎ君】色々お世話になっているひだり君へ、「感謝」の贈り物をひだり君へ送ります。

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【ひだり君】「感謝」の気持ちを送ったら、みぎ君から「感謝」の贈り物が届きました。

ここでは、「感謝」贈り物を受け取った【ひだり君】は、ちょっと戸惑っています。これ、何に戸惑っているんでしょうね。ちょっと考えてみました。

①「感謝」を気持ちで送ったのに、モノになって戻ってきたこと。(モノだとお返ししなくちゃいけないかしら???と考えてしまった)

②「感謝」の価値が同じでない事。(気持ちという価値vs贈り物という価値)

③自分は「感謝」を届けたくて送っただけなのに、相手は負担に思ったのかもしれない事(軽い気持ちが、相手に贈り物を用意させてしまった)

他にも、戸惑っている事はあると思いますが、あなたはどんなことを想像しましたか?

ボールを「モノ」に置き換えて見ると。

今度は、ボールを「モノ」に見立てててみます。例えば、「傘」。「傘」の貸し借りとして、4コマ漫画を眺めてみてください。

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【ひだり君】みぎ君に傘を貸してあげる。

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【みぎ君】ひだり君の傘を借りる。

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【みぎ君】ひだり君の傘(と思っている傘)を返す。

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【ひだり君】みぎ君から返ってきた傘が、自分のものでない事に気が付く。

これも、結構ある事ではないでしょうか?貸したものが、自分のものではないもので返って来る。ここでは「傘」ですが、例えば教科書を貸してあげたら、違う人の教科書が戻ってきたとか。例えば、寒そうだから上着を貸してあげたら、似たような色の上着が戻ってきたとか。

みぎ君に悪気はないのだと思います。ちょっとだけ、借りたものに注意をしていたら、間違えなかったかもしれません。こんな時、あなたがひだり君だったら、あなたがみぎ君だったら、どんな風に対応しますか?

あなたは、ボールを「何に」置き換えますか?

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