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「投げ返したらたくさんのボール」④

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普段生活していると、あまりにも当たり前すぎて言葉のやり取りに無頓着になっている気がしませんか?本当に、会話は成り立っているのでしょうか?見ていきましょう。

ボールを「ことば」に見立てる。

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ひだり君が「ことば」をみぎ君に投げます。次にみぎ君が「ことば」を投げ返します。ひだり君は次から次へと「ことば」を投げてきます。みぎ君はたくさんのボールを受け止めて困っています。

こんなやり取りになっていますね。

ここに、例えばこんな「ことば」を入れてみます。

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【ひだり君】この前、海に行ったんだ!

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【みぎ君】海いいね。

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【ひだり君】天気良くて、波も気持ちよくて、最高!魚も釣って、浜で焼いて食べたし。すぐ近くにタレントさんもいたんだよ。びっくりだよ。でね、でね。もっとあってさ。すごく楽しかったんだ!…~

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【ひだり君】あ‥‥あ…

最初は、【ひだり君】と【みぎ君】はボールを投げて返してという形になっているので、会話が成立していました。

そのあと、【ひだり君】は話したい事がたくさんあって、ずっと話続けます。ボールはどんどん【みぎ君】の手元に山になっていきます。【みぎ君】は一方的に聞く側になってしまいました。

この関係が、【ひだり君】と【みぎ君】のいつもの形になると何が起こるのでしょうか?

【ひだり君】は、言いたい事を気が済むまで話してスッキリします。【みぎ君】は聞かされるだけ聞かされて、自分の考えは聞いてもらえない事になります。【みぎ君】はひたすら静かに聞くだけの時間を過ごす事に。【ひだり君】はスッキリ。【みぎ君】はモヤモヤ。【ひだり君】は【みぎ君】の事、どんな関係と思っているのでしょうね?友達?同僚?夫婦?親子?どちらかだけが話したい事を話し、どちらかがただひたすら話を聞く。【みぎ君】は常に聞き役。だんだん【みぎ君】は話をする事を諦めるようになって、この二人の関係は会話が成立しなくなっていくかもしれません。

あれ?これってなんだかおかしな関係に見えてきませんか?

そもそも「会話」って何でしょうか?

会話(かいわ、英: conversation)『( 名 ) スル ① 二人または数人が、互いに話したり聞いたりして、共通の話を進めること。また、その話。 「 -を交わす」』とされる 大辞林 第三版より

お互いに考えや意見などをやり取りする事が、会話だと私は考えます。一方的にどちらかだけが話すのは、会話ではないのでは???

でも、意外と「あるあるな場面」です、これって。相手に伝えたい事が山ほどあると、どうしても話過ぎてしまう事。気が付かないままにやってしまっている事ありませんか?相手が静かになったな、話さなくなったなと思ったら、この状態になっているかもしれません。

会話を楽しむって、お互いが同じだけ話ができる環境なんですよね~。自分含め、肝に銘じなくては!知らず知らずにやっている事。相手に興味を持つようにすると、自分が話しすぎるって事は抑えられるかもしれませんね。

今度は、ボールを「感情」に見立ててみましょう。

ボールを「感情」に置き換えて見てみましょう。どんな感じになるでしょうか?今回も「好き」という感情のボールに見立ててみます。

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あら💦最初はいい感じだったんだけど!

相思相愛の関係から始まり。だんだん【ひだり君】の気持ちがどんどん大きくなっていった感じしますね。たくさん気持ちを【みぎ君】に伝えたいという思いが見えてきます。伝えたい、伝えたいっていう思いが先行しているような…。【ひだり君】が伝えたくて仕方がないという感じ。

こうなってくると、【みぎ君】は受け止めるばかりで両手がいっぱいになってしまってますね。答えられない状況。【ひだり君】の思いはありがたいけど、こうなってしまうとちょっと困ってしまうかも…。どんな風にみえますか?

ボールを「行為」に置き換えたら…。

次は、ボールを「行為」に置き換えてみます。例えば、「ごはんを作る」なんかどうでしょうか。どんな風に見えてくるのでしょう。

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【ひだり君】ごはんを作る

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【みぎ君】ごはんを作る

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【ひだり君】ごはんを作る。ごはんを作る。ごはんを作る。ごはんを作る。ごはんを作る。ごはんを作る。

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【みぎ君】ごはんをもらう。ごはんをもらう。ごはんをもらう。ごはんをもらう。ごはんをもらう。ごはんをもらう。

はじめは対等な関係にあったように見えます。お互いに、相手のためにごはんを作っている関係。持ちつ持たれつ。

どこかで、【ひだり君】がごはんを作る係になってしまったようにも見えますね。

【ひだり君】が料理が大好きで、ごはん作る係を負担に思っておらず、むしろ好きな事だったとしたら。【みぎ君】は、【ひだり君】がごはん作る係になってくれてありがたく思い、それを負担に思っていなければ、この二人の関係は良い関係なんだろうなと思います。

ところが、【みぎ君】は、【ひだり君】がごはん作る係になったことを負担に思っていたとしたら。ごはんを作ってくれることを、有難迷惑に考えていると話は変わってきますね。

ボールを「行為」に置き換えた場合、そこにどんな感情があるのか、何を感じているのかによって状況って変わって来るんだなぁと思います。

そんな時は、二人は話し合いをするのがいいのかもしれません。本当のところは、どう思っているのか、どう感じているのかを話すこと。聴かなければ、わからない事ってたくさんあります。

二人の関係を良好に保ちたかったら、勇気を出して、ほんとのところはどう思っているのかを聞いてみる事なのかもしれないと思いました。

あなたは、ボールを「何に」置き換えますか?

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